2/6(土)・7日(日)の午前・午後に、ZOOMを用いたweb形式にて、「1級キャリアコンサルティング技能検定対策講座 面接指導編」を開催いたしました。
この週末が、今シーズン最後の技能検定対策講座となりました。
参加されたみなさまも「最後の仕上げ」として意気込んでいらっしゃる方が多かったですね。コロナ禍の影響で対面での講座ができないなか、みなさん創意工夫をされながら、通信不良とも戦いながらの講座になりました。
苦労の多い今シーズンの講座でしたが、それでも、例年であれば関西近辺の方にしかお届けできなかった学びの機会を、地域を問わずどこにお住まいの方にもお届けできたことは、本当に良かったなと思っています。
コロナ禍は一日も早く収まって欲しいと思いつつ、ステイホームで過ごす日々ですが、そんな中でも収穫があって、「前向き・ポジティブ」の大切さを実感するシーズンになりました。みなさまは、いかがだったでしょうか?
この2日間の講習では、ロールプレイもたっぷり30分、口頭試問も本番さながらでさせていただきました。
口頭試問も含めてZOOMのチャットに残していくことで、振り返りやフィードバックの際に同じものを一緒に見ながら振り返ることができて、見学されている方も含めてたくさんの気付きを得られたかと思います。
振り返りメールでも、1人1人にフィードバックした内容をあらためてお伝えさせていただきましたので、当日受講されたみなさまは、もう一度ゆっくりと読んでみて、講習中に私からお伝えしたことを想い出していただければ幸いです。
そして、今回の講習では意外な発見もありましたね。先週から少し試している方もおられましたが、マスクを付けた面談の難しさです。
個人差もあるのでしょうが、聞こえにくさ・表情のわかりづらさだけでなく、相手の話していることへの理解度も下がってしまう、という場面が散見されました。指導者として見聞きしていた私自身も当てはまっていて、これも「やってみてわかること」でしたから、講座の中で練習できて良かったと思っています。
いつか、理解度に影響がある人と内人の差、というのも考えてみたいです。
それでは、講座内容の振り返りを進めていきましょう。
参加された方はもちろん、この記事をとおして学びたい方も、ぜひ参考になさってください。
今日の講習の振り返り
今回の講習では、弊社の講座にお越しいただいている方の中でも、特に口頭試問が苦手な方についてのフォロー・指導をたくさんさせていただきました。 みなさんの周りにもいらっしゃいませんか?なんでこんなに上手にロールプレイできる人が受からないんだろう…という方。
あくまでも私なりの見解ではありますが、そういう方々に共通しているのが口頭試問の答え方への課題です。
まず一つ目に大事にして欲しいことは、自分の指導をどの程度俯瞰してみることができているかです。
口頭試問はロールプレイが終わった直後に次々に質問されるので、焦ってしまう方や混乱したままに臨んでしまう方が多いようです。「切り替えができない」というお話も、よく耳にします。これは、ケースにどっぷり入り込みすぎ、という場合によく起こることです。 例えば、「この事例(CL)とどう接すればよいのか」「この事例相談者(CC)の思い込みを変えるにはどうすればいいのか」など、話の中身ばかりを追いかけていると、自分の指導について見ることができなくなります。
自分自身のCCに対する関わりについて、どんな狙いがあったのか・その狙いはCC第一と言えるか・実践してみてどんな反応か・その反応は期待通りなのか・それを踏まえて次はどんな関わり方を考えたのか…など、指導場面で考えながら関わることを大事にして欲しいです。
場当たり的・直感的に進めていくものは指導とは言わない(根拠がない)ですから、指導の質が担保できるよう、常に考えながら関われるようになることを目指してください。
もう一つ、口頭試問で挙げたいのは、できなかったことを聞かれてタイムマネジメントと答える意味です。
実はロールプレイをやっていると非常によく見かけるのですが、私個人としては、この回答にどれほどの意味があるのだろうか、と疑問に思っているのが正直なところです。
その理由はシンプルです。時間が足りなかったかどうかは、見た瞬間、誰でもわかることだからです。
先の1つ目のポイントとも繋がるところですが、見た瞬間、誰でもわかることを回答することが、本当に自分の面談を客観視・俯瞰して、よく考えたうえでの回答と言えるでしょうか。
繰り返しになりますが、大切なのは、どんな意図を持ってこの指導に関わり、事例相談者がどのように反応し、それをどう解釈して、次の一手につながったのかというプロセスです。
もし起きた結果だけを切り取って、指導ができた/できなかったという判断をするのであれば、無理やりにでも事例相談者に「はい」と言わせることができれば、それをもって事例相談者は同意しています・納得しています、と言い張れますよね。結果だけを見れば。
それでは「”結果だけを見た指導”を私はするんです」と自ら宣伝しているのと大差ありません。
さて、それは指導者として本当にふさわしいのでしょうか…?もう、おわかりですよね。口頭試問1つ1つの回答に丁寧に答えていくためにも、しっかりとケースを客観視・俯瞰するようにしてください。そのためにも、当日のチャット記録を上手に活用しましょうね!
それではここから、今回の講座の様子をご紹介します。
受講者アンケート(一部抜粋)
1級技能士の先生によるフィードバックにこの講座の価値があると思っています。 ロープレ終了後に、チャットを活用して振り返るのですが、こういう言い方もできる、など、自分のロープレに新たな視点を加えてくださるところが、自分の引き出しを広げてくださっているように思います。
客観的かつ具体的に、自身のクセや言葉のキャッチポイント、アプローチの引き出しが増えるから、他の方にもぜひ受講していただきたいです。リアル講座とWeb講座の両方を受講してみて、両方のメリット・デメリットを感じる事が出来ました。記録の残し方は、リアル講座よりチャットファイルの方が受講生にとっては有効だと思いました。この経験を受検に活かしたいと思います。ありがとうございました。
ロールプレイは練習でうまくできても本番で想定外のパターンに慌ててしまい、頭が真っ白になるという経験は何度もしてきました。今回の講座の機会に出会たのはとても幸運でした。事例指導を自分のものにする、には長い道のりですが多様な視点で指摘をいただくことや他の受講者の様子を間近で経験できるのがとてもよかったと思います。
ZOOMの録画画像とチャットのおかげで、極めて客観的かつ具体的な振り返りが出来たため、非常に満足できました。
自分のクセや傾向をわかっているつもりでも、つい苦し紛れにしてしまうことが再認識できたことはとても大きな収穫でした。周りの人たちには「素人同士で練習していてもらちが明かないですよ」ということを、ぜひ伝えたいと思います。
当日の講座の様子
※クリックすると、大きな画像でご覧いただけます。一部、参加者の希望によりお顔やお姿が映らないように加工しております。
最後まで熱心に学んでくださっている様子が、この記事をご覧になられた方にも伝わると嬉しいです。週末には早速試験本番を迎える方もいらっしゃいましたが、ここでの意欲がぜひ、本番でも発揮できるといいですね。
~講座ご参加のお礼と来シーズンのお知らせ~
冒頭にも少し記載させていただきましたとおり、今シーズンのキャリアコンサルティング技能検定対策講座は、この日の開催で終了となります。
10月から2月上旬までの長丁場で、ライブ開催とオンライン開催を織り交ぜながら、試行錯誤をしながらの約3か月となりました。講座として無事に完走できたことは、ひとえにご参加いただいたみなさまの意欲やフォロー、支え合いがあってこそと感じております。 重ねて御礼申し上げます。本当に、ありがとうございました。
あとは、みなさまが良い結果を掴み取れること、そして一人でも多くの良い指導者が輩出できることが、
わたしたちの一番の願いです。春には良い便りが届くことを祈っております。
なお、次年度の1級キャリアコンサルティング技能検定対策講座は、具体的な日程が決まり次第、弊社HPやFacebookページなどでお伝えをしてまいります。現時点では、今シーズン同様に秋冬シーズンを予定しておりますので、どうぞお楽しみに!