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10月29日(土)1級・2級キャリアコンサルティング技能検定対策講座(面接お手本編)の様子

10月29日(土)1級・2級キャリアコンサルティング技能検定対策講座(面接お手本編)の様子

執筆者 | 木上 和裕

10/29(土)に
「1級・2級キャリアコンサルティング技能検定対策講座 面接お手本編」
を開催いたしました。

※本講座は、過去に弊社の技能検定対策講座に参加されたことのある方限定の講座です。

こんにちは。
働く楽しさ研究所・サポーターの木上(きがみ)です。

今回の技能検定対策講座『お手本編』は、この日が初めて実施した講座でしたが
受講されてみていかがだったでしょうか?
実は、この講座を企画した当初は、こんなにたくさんの方に
ご受講いただけるとは思ってもみませんでした。

しかも、講座名を『お手本編』と題して自らハードルを上げてしまっただけに
八阪講師はかなり緊張していたようです(笑)

わたしが個人的に印象に残ったのは、ロールプレイでの言葉選びです。
みなさまは、八阪講師がオウム返しや要約を全く使わず、
その代わりに相手の意図を汲み取った応答に徹していたことにお気づきでしたか?

これは、オウム返しや要約を使ってはダメだという訳ではなく
『自然な会話の流れで関係構築ができる』と実践して見せたということ
です。
簡単に真似できるとは思えませんが、みなさんにとって、
きっと参考になるロールプレイだったのではないでしょうか。

それでは、ここからは講座の要点をわたしと一緒に振り返っていきましょう。

当日ご参加いただいた方は復習に、参加できなかった方は新たな気付きのために、
指導レベル(1級)、熟練レベル(2級)への到達・合格に向けた成長に
繋げていただければ嬉しいです。

「1級 面接お手本編」の振り返り

講師曰く『最初の事例の説明と、その説明にあたってのCCの考え方について
さらっと触れてもらった時点で、おおよその問題点は見えてるよ、という状態で聴いてます。』

1級の面接試験では、最初に事例相談者(CC)が対応した事例について説明があり、
その後にCCの所感をお話しされます。この所感には、

  • 思い違い・勘違い:傾聴や関係構築の不足。『早とちり』してない?
  • ~であるべき:その『べき論』にCLは納得してる?
  • 上下関係の誤解:相談者(CL)とフラットな関係性を築けてる?
  • 良かれと思って:良かれと思っているのは誰?(講師がよく使う表現ですね)

といったCCの問題点が含まれていることが往々にしてあります。
もちろん、事例相談の開始直後に問題点の全貌が分かるというわけではなく
問題点の”氷山の一角”が見えてくる、というイメージでしょう。

事例相談に訪れる新米のCCは、その他にも諸々の課題を抱えていますが、
冒頭の事例説明の部分で、おおよその問題点は見えているということでした。

そして、講師はこう続けています。

もちろん序盤の段階でCCの問題を断定したりはしませんが、
序盤で感じた違和感をきちんと覚えておくと、後々のCCの話でまた出てきたときに
「言うと思った…」と、慌てず落ち着いて捉えられます
よね。
問題点について、より核心を持てるようになります。

CCの話を聴かせてもらいながら、指導者(SV)はCCの傾向を見ているんですね。

  • どうして、その問題が起こったんだろう?
  • CCがその見立てや方策の提案に至った経緯は何だろう?
  • 今回の問題は、他のケースでも起こっているのかな?
  • CLは、このCCにどんな関わり方を求めていたのだろう?
  • CCは、この事例相談を通して何と言われたいのだろう?(←コレ重要です)

そこでヒントとなるのが、事例相談の序盤にある『違和感を覚えておくこと』です。
今回の講座のロールプレイでは、CCが序盤に…

(来なくなったCLに)何度も電話をしたのですが、出てもらえませんでした。

と、話されていました。
この「何度も電話した」ことに違和感は覚えませんでしたか?

他にも…

1社でずっと働き続けてきた人が、いきなり「社労士として独立したい」と言われたので、
危ないなと思ったんです。

危ないと思うまではCCの自由ではあるのですが、この言葉もちょっと気になりませんか?

これら2つの共通項は、
「CCが思った・CCがやりたかった」という”CC主体の考え方”になっていることでした。
そして、八阪講師はこの共通項探しが非常に上手でしたよね。

その後の指導内容を見ていただければわかったように、
CCのお話を聴けば聴くほど、『CCが良かれと思って行なった言動』が顕著な傾向として現れて、
最終的には、CCがCLを主導していた・CC主体の考え方になっていたという
CC固有の問題点が明確になっていきました。

このように、冒頭の序盤から違和感のアンテナを立てておき、
指導の中でその違和感の元となる傾向を注意深く観察し、頭を働かせる。
そして、冒頭に問題点が見えたからといって断定するのではなく、
あくまでもその時点で違和感として保存しておいて、面談の中で検証する。
そんなイメージでしょうか。

八阪講師の「ほらね、言うと思った」という解説のときの一言が
わたしはすごく印象に残っています。
早い段階から違和感のアンテナを立てているからこそ、言える言葉ですよね。

今回のロールプレイでは、八阪講師ならではの
『焦らず落ち着いて、CCの問題を明確化する関わり方』を見て学ぶことができました。
少しでも参考にしていきたいですね。
わたしも、みなさんと同じ1級チャレンジャーですから、一緒に頑張りましょう!

「2級 面接お手本編」の振り返り

講師曰く『CL(相談者)の発言をただそのまま受け取って進めていくと、
どんどん面談の展開はずれていってしまいます。』

CLから発せられた言葉の表面的な意味に捉われないためには
その言葉が出てきた経緯を考えることだ、と八阪講師は解説していました。

経緯とは、CLが目の前にいる『今、ここ(Now&Here)』の出来事だけではなく
相談に訪れるまでの時間、日々の生活、普段CLが働いている場面などの
『その時、そこで(Then&There)』起きていた(であろう)ことや、
CLが感じていた(であろう)ことを指します。

Then&Thereに目を向けることが、CLの意図を『汲み取る』ことに繋がります。

続けて講師から、Then&Thereにどのように目を向けたのか
具体的な解説がありましたね。ちょっとピックアップしてみましょう。

中盤でCLが話した「わたしはこれからどうしたらいいのか」の部分。
この言葉だけを拾うと、「転職するか・残留するかの選択をする段階」になりますが、
実際にはそんな行動・決断ができるような状態にはなっていません。
その発言に至る前に、何か月も在宅勤務を辛抱してきたこと、望んだ仕事ができるはずと
思っていた期待感など、消化されていない想いがまだまだあります。
言葉尻だけを拾って面談を進めることの無いようにしましょう。

というコメントをしていました。
みなさんは覚えておられますか?

私はこれからどうしたらいいんでしょう?

在宅、在宅、…ずっと在宅。

と、CLは溜め息交じりに呟かれていましたよね?
相当ウンザリされていた様子も見られました。
ニュアンスとしては『もう、お手上げ』といった感じが近いでしょうか?

このときのCLの、思うように身動きが取れず・営業活動ができずに、
不満は増すばかりの日々を送られていたであろうことは、わかりますね。

その、送られていたであろう』の部分。ここに注目してください、という解説でした。

CLの悩みや不安・不満などは、面談に来ている今湧いているというより、
これまでの経緯の中でずっと蓄積されていて、それらが面談場面で一気に表出しています。
そんな状態での「私はこれからどうしたらいいんでしょう?」という言葉なのです。
それがどれほど重たいものか、みなさんは本当に理解できていたでしょうか?

この段階で、言葉をただ言葉どおりに受け取って何かを提案しても、CLは動けないでしょう。
CCに対して『イマイチ分かってない人だ』と感じるかもしれません。

だからこそ、CLの言葉を丁寧に拾いながらも、
その発言の経緯にこそ目を向けることで、相談者理解を深めていく必要があります。

言ったことを忠実に拾うのは、標準レベルや国家レベル(3級)まで。
熟練レベル(2級)を目指すなら、言わんとしていることまで理解する努力を怠らないこと。

これは、八阪講師が常々発言していることです。

CLにとっての『分かってくれる人』になることを最優先するということです。
目標設定や方策を検討してもらう前に、まず信頼関係の構築、
そして、そのための広く深いレベルでのCL理解です。

今回のロールプレイで講師が実践して見せたのは、決してCLの前に立って引っ張るのではなく、
CL自身が落ち着いて自分の今後の事を考えられるように、
CLがまで言葉にしきれない意図を汲み取ることに力を注ぐ関わり方でした。

もちろん八阪講師は、応答する中でCLの問題点もしっかりとキャッチしていましたので
これが現実の面談だったら、この後に…

もしかしてCLさんは…在宅勤務が嫌だというより
自分を活かせない事が嫌なのではないですか?

こんな問いかけがきっとされるんでしょうね。恐るべし『汲み取り力』です(笑)。

みなさんも、CLが言ったことだけ拾うのでなく、CLの気持ち・内面まで汲み取れる
本当の熟練レベルを目指していきましょうね!

では、ここからは、今回の講座にご参加いただいた方のアンケート内容をご紹介します。

今回はものすごくたくさんの方からの感想をいただいておりまして、
さらにその1つ1つがとても熱くて重厚なものでしたので、本当は全部ご紹介したいのですが…。
またどこかの機会で、あらためてご紹介したいと思いますので、ぜひ楽しみにしていてください。

1級 面接指導編 参加者の声

日頃、八阪先生がご指導されている「相談者第一」という基本姿勢とは、このように体現するんですよ、というまさに「お手本」をお示し頂けました。
 「どこから話をお聴きしましょうか」
 「どこを相談されたいか教えてくださいますか」
 「今日の指導はこのことでよろしいですか?他のところはないですか?」
 「まだ言い残していることはないですか?」

これらの言葉の奥には一貫して、「ここはあなたが主役の場ですよ、あなたがこの場に価値を感じて頂くために、私は務めさせて頂くんですよ」、更には「私はあなたに指摘をするのではなく、私がお手本を示すことで、あなたに感じて頂きたいんです」といった八阪先生の事例相談者に対する温かみのあるメッセージを感じました。

もちろん「お手本」となるには、問題を把握するスキルも必要なのですが、把握するだけではなく、それを事例相談者と共有してゆくためには、そのベースとして、CCとしての基本的態度や関係構築力をSV自身が持っていないとだめだと改めて感じました。
そしてそれは、この面接試験における合格点に達しているかという次元ではなく、私がCCを続けてゆく限りは、どこまでも追求してゆく必要のあるテーマであることも感じました。
貴重な機会を頂きまして、ありがとうございました。

私は今年が初受験になります。今回の講座に参加するにあたって、自分でロープレをやったうえで学びたいと思い、知人を相手に1度だけですが練習をして(から、この講座に)臨みました。
今回、先生のロープレを見て「なるほど」と思ったのは、事例相談者にしっかり焦点を当てて指導面談を進めていることです。

自分のロープレと比べてみると、自分は相談内容の深堀りにかなりの時間をかけていましたが、それはどちらかというと「粗探し」であったり、自分が正に主導して面談をしていることになっていたなと気づきました。
国家資格更新講習にいくつか参加して学んだことを(実際に)どう実践しているのかを見せていただけて、とてもいい機会になりました。

「CLの言ったこと」で面談を進める。
1級の試験をパスするのと同じくらいこれができるようになりたいと思いました。
“わかる”と”できる”はやっぱり違いますね。日々精進していきます。

今回の構成は先生の生モデリングをみさせていただき、口頭試問で先生の進め方の根拠や心の内が少し理解が深まり、その後再度録画をみながら止めてながらの解説で、さらに何故そのような対応をされたのかが深まりました。
そのうえで、再度口頭試問の録画も見れたことがとても私には効果的でした。個別指導にもとても効果的で、ちょっと迷いを感じていたことが理解できた点がありました。
(だからと言ってなかなかすぐにはできませんが)。
例えば、相談者の自信を持っている事や出来ている点を根拠をもって承認していく点。事例相談者が話している事を、先生の言葉で言いかえらる点、私が一番苦手な具体的展開など・・・多々あります。後日、動画で更に再度学ばせてていただける点もありがたく、私にはとても効果的でありがたい講座だと感じました。

八阪先生の面接お手本編の講座を受けさせて頂き、本当にありがとうございます。
今回のロールプレイを拝見させて頂いて、事例相談者に対して、事例検討に入るまでに、しっかりと関係構築を築いて、その後に事例についてご相談されていらっしゃいました。解説をお聴きして、やっと理解できました。
自分の場合は、事例検討の中で関係構築を意識しながら相談者とのお話を進めておりましたので、今までのロールプレイと違う、凄い斬新な感覚で捉えていました。今さらですが、関係構築の重要性を再確認致しました。

2級 面接お手本編 参加者の声

本日の講座に申し込みしたのは、先生の「CLの話題をそらさずに問題把握をしていく」というスタイルが実際にどういったものなのかを学びたかったからです。
結論から申し上げますと「本当にこの機会を逃さなくてよかった」が率直な感想です。
どうしても今までの自分のやり方から離れられず悩んでいましたが、そもそも自分の”面談スタイル”と考えていることが間違っていました。面談はCLさんの為にするもの。当日CLさんが語る中からCCがCLさんのその気持ちや奥に隠れている問題をくみ取り面談を進めていく事が「熟練」として求められている事なのだと思いました。
今後は今までの形を取っ払い、CLさんの話をよく聞き、そのまま受け止めるのではなくどうしてそんな発言になるのかを考えていきたいと思います。本日も学びをありがとうございました。

ロープレの中で「自分との大きな違い」として感じたのは、相談者の発する言葉に対するポイントの当て方です。いかに自分が“言葉のみを拾っているか”が解りました。反応すべきポイントがずれ、質問がずれ、相手の心からも離れる相談を今までしていたと、過去の自分を振り返っています。言葉だけしか拾えていないからですね。
先生が出す“ひらめいたマーク(電球)”で、相談の発言のどこに注目してフラグを立てているのかが分かりやすかったです。更に解説で、そこから相談者が言わんとする事を(どのように)理解し、その後の「完全に狙って言っている発言」になっていくかが見てとれました。

イメージですが…私は相談者を近くで見ていて、今言っている言葉だけを聞き質問している感じ。
先生は相談者全体とその取り巻く環境や過去の事も含めて大きく捉えて見えている感じ。
遠い視点で相談者全体を捉え、発した言葉にポイントを当てていく事。合格する為というよりは、実践で出来るようになりたいと思いました。
まずは、(相談者のお話を)聴かせていただく謙虚な気持ちで、丁寧に目の前の相談者に向き合いたいと思います。

解説の途中でおっしゃっていたお話が印象的でした。
 「普通に生活している中でも、スキルを磨くための機会はたくさんある」
  (お店のテーブルに設定してるようなアンケートとか)
 「そういった機会を自分のスキルアップのために活用する姿勢が大切」

全くおっしゃる通りで、目から鱗が落ちるとはこういうことを言うのではないかと感じました。これを機に、気持ちを切り替えて、なんとなく見過ごしていた物事の中から自分のためになる機会を1つでもたくさん見つけて活用したいと思います。どうもありがとうございました。

面談展開が早く、かつ無理のない流れに驚きました。特に八阪先生が、CL自身でまだ言い表していない思いを伝えるタイミングが自分の想像していたよりずっと早かったのが印象的です。これがCL理解という事かと合点がいきました。
自分が実践できるまでにはまだ道のりが遠そうですが、表面的な会話にとどまりがちな自分との差を考える大変よい勉強機会になりました。ありがとうございました。

当日の講座の様子

アンケートにご協力をいただいたみなさま、ありがとうございます。
まだの方も、よろしければぜひご感想をお聞かせください。

今回は1級・2級のどちらの講座にも、本当に多くの方にご参加いただきました。
ロールプレイの相手役をご担当いただいたお二方も、本当にお疲れ様でした。
お二人にはあらためて御礼申し上げます。

また、講座の中でもお伝えしましたが
今回のロールプレイの様子を動画として閲覧できるよう準備を進めています。

弊社の技能検定対策講座に参加されたことのある方であれば、
当日受講されていなくても、有料でご覧いただけるようにする予定です。

1級・2級それぞれを『ロールプレイ編』と『解説編』に分けて配信しますので、
技能検定試験の対策にご活用いただければと思います。
ただいま準備中ですので、詳細はあらためて告知させていただきます。

最後になりますが、今回も弊社の講座にご参加いただきまして、ありがとうございました。
初開催の講座が無事に完了できたのは、みなさまのおかげだと思っております。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

弊社の1級・2級CC対策講座 特集ページのご案内

弊社が企画・運営する1級・2級キャリアコンサルティング技能検定対策講座について、
弊社ならではの特長やメリット、お客様の声、よくある質問(Q&A)などを
わかりやすくまとめたページをご用意いたしました。

この記事をご覧になって、「参加してみたいな」と思った方はもちろん、
まだ迷っている方や、他社と比較したい方も、ぜひ一度このページをご覧くださいませ。

詳しくは、1級・2級それぞれの「CC技能検定対策講座のご案内ページはこちら」の
ボタンをクリックしてご覧ください。

みなさまのお越しを心からお待ちしております。