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11月26日(土)1級・2級キャリアコンサルティング技能検定対策講座(面接お手本編)の様子

11月26日(土)1級・2級キャリアコンサルティング技能検定対策講座(面接お手本編)の様子

執筆者 | 木上 和裕

11/26(土)に
「1級・2級キャリアコンサルティング技能検定対策講座 面接お手本編」
を開催いたしました。

※本講座は、過去に弊社の技能検定対策講座に参加されたことのある方限定の講座です。

こんにちは!働く楽しさ研究所・サポーターの木上(きがみ)です。

今回の「面接お手本編」講座も参加者限定の開催でしたが、
多くの方にご参加いただきました。いつもありがとうございます!

今回のお手本ロールプレイでは、1級・2級共にとても興味深い共通点がありました。
それは、どちらも『提案ゼロ、相手のペースで面談が成立している』ことです。
詳しくはこの後の本文でお伝えしますが、面談がまるで自動的に
問題解決へとスムーズに進んでような流れでした。不思議なものです。

面談の最初から最後まで相手(1級講座ではCC、2級講座ではCL)に
主導権を持ってもらうことに徹するスタイルは、まるで合気道ですね。
もちろん相手を倒すわけではありませんけど(笑)

これは、全ての面談相手に通じるとは言い切れませんが
相手をグイグイ引っ張るように面談をしなくても、ちゃんと面談の展開はできるし、
問題も解決に向かうという、そんなお手本を見ることができました。

それでは、ここからは講座の要点をわたしと一緒に振り返っていきましょう。

当日ご参加いただいた方は復習に、参加できなかった方は新たな気付きのために、
指導レベル(1級)、熟練レベル(2級)への到達・合格に向けた成長に
繋げていただければ嬉しいです。

「1級 面接お手本編」の振り返り

講師曰く『CCが話している最中に「あっ、この部分を使おう」と決めていることや、
 「さっき○○って言いましたよね」と振り返っている箇所がたくさんあったと思います。
  電球マークがピコンと出たところです。』

講師が指す『この部分』は『エッジ(鋭さ)のある言葉』とも表現していましたが
CCが話される沢山の言葉の中に、重要な要素となるものがありました。

CLのお役に立ちたいけど、今の私が足りているのか不安で…

その時のCLの表情がすごく苦しそうだったので…

他にもたくさんの『エッジのある言葉』が散りばめられていましたが
講師は、CCにたくさん話してもらいながらも、注意深く耳を傾けて
重要な要素を拾い集めていたということです。

そして、一通りCCが話し終わった時に、

CCさんは、さっき〇〇って言いましたよね

と問いかける場面が見られました。
この『〇〇』とは、さきほど拾い集めていた『エッジのある言葉』です。

お手本となる指導面談は終始このような流れで、
SV(講師)から問いかける言葉の多くは、
CCが話していた言葉が引用されていましたよね?

そして面談中はCCが自問自答する姿を見守り、電球マークを集めて
それを繰り返しながらまるで自然と答えが浮き出てくるように
要所で「さっき〇〇って言いましたよね」と返答しています

その後の展開で、

(CLは)次の一歩を踏み出せる状態じゃなかったのかなぁ…?

と、自問自答するなかで言葉にする場面が出てきました。

もちろん、CC自身にきちんと内省する力と意欲がある前提ですが、
今回の例のように、CC自身が答えを持っていて、
きちんと関わればそれを出してくれる、ということはよくあることです。

こうしてみると、CCは改善案が全く考えつかないのではなく
自問自答するなかで答えを見つけることはできているのが分かります。

ただ、今回のCCには1つ惜しいところがありました。
それは、改善点に気付きながらも…通り過ぎてしまっていたことです。
気づいていても、それが重要だとは思っていないパターンですね。

CCが「ああでもない、こうでもない」と自問自答しながら
ウロウロと答えを通り過ぎてしまいそうな時に講師が

CCさんは、さっき〇〇って言いましたよね

と一声をかける。
つまりCC自らが見つけた改善点に『そこですよ!』と気づくように
まるで落とし物を拾うようにそっと投げかける。

そんな問いかけが行われていました。

自問自答で全て解決するなら事例指導は必要ありませんが
でも『分かっているけど本当にそれでいいのかな?』と
疑問を持っていてもつい通り過ぎてしまうことは、CCにはよくあることです。

だから、SVはCCの自問自答を見守って『そこですよ!』と声をかける。
そんな一例を見ることができました。

しかし…このスタンスは簡単にマネできない面があります。
それはSV側に「そこまでの記憶力があるのか?」という問題です。

講師は「一語一句覚えるのではなく、要点だけ覚えている」と解説しましたが
どれだけの量を、どれだけ長く記憶しておけるかというと…。
こればかりは個人差があるので、すぐできる人も、できない人もいるでしょう。

そこで、わたしなりの考えではありますが、
常套手段ですが「メモを取る」のも方法の一つだと思います。

集めた電球マークがポケットからポロポロとこぼれては意味がありませんし
CCの役に立つ、事例相談の効果を高めるという明確な目的があるのなら
メモを取ることも方法の一つ
だと思います。
ただ、メモを取ることが目的にならないように気をつける必要はありますけどね。

そして、ココだ!というタイミングで

CCさんは、もう答えを出せていますよね?

これを言ってみたい!そう思いませんか?(笑)

ということで、今回の1級CC面接お手本編では
『CCの自問自答を見守ることで、CC自らが気づくことができた』
という例を見ることができました。

簡単にはマネできませんが、CCを全く主導しないというスタンスは
大変参考になります。一歩一歩、着実に力をつけていきましょう!

「2級 面接お手本編」の振り返り

講師曰く『CLに寄り添う、伴走するとはどういう状態を指すのか。これもお手本で示しています。
 実際に面談を受けられたCL役の方も、感想で述べておられましたね。』

ロールプレイが終わった後に、CL役の方が仰られていました。

CC(お手本をした講師)が、決して私の前に出ようとされないんですよ。

今回のお手本編では、CCである講師から方策の提案が全くされず、
面談でのスタンスは『トコトン聴く』というものでした。

CLが話好きなのか、とても上手く話されている面もありましたが
講師は、ただひたすらCLの話を全部受け止め続けていましたよね?

CLの状況や性格によりますが、トコトン聴くことが必要な場合もあります。
今回のCLの場合は、話しながら自らの考えを整理するタイプでしたし
他にも『まず私の話をちゃんと聴いてほしい』というCLも大勢おられます。
そんな時、CCは焦らず全部受け止めることが必要だということです。

CCが何かを意識的に提供しなければならないのではなく
CLが話したいように話すことに、しっかりと寄り添うことで
自力で問題を整理し、改善点に気づくことができる。
そんな関わり方が功を奏することは、意外とよくあることです。

例えば、プライベートでも家族や友人から相談を持ち掛けられて
話を聴いていると相手が自己完結するなんてこともよくありませんか?
否定せずに聴いてくれる人がいるから、自問自答しながら整理ができる。
それと同じことだと思います。

ただ、プライベートとの違いがあるとするなら、同じ聞き役だとしても
『プロとして意図的に』聞き役に徹していること
です。

また、CLの前に出ないのは『相談者第一』を徹底した結果でもあります。

前に出る、つまり「〇〇するのはいかがでしょう?」や
「〇〇について説明してください」といった、
ケースを前に進めよう・動かそうとする問いかけを講師は全くしていませんでしたよね?
それでも面談は順調に解決に向けて進んでいました。

面談をボートに例えるなら、ボートが前に進むための動力は
CLが持つオール、ただ1つだけです。

講師が補助になるわけでもなく、CLの漕ぐ力(推進力)だけで前進していきます。
そして舵取りも全てCLが行っているという状態ですね。
そのCLが進む方向に講師は寄り添って、ついていくという姿勢です。

CLが進みたい方向に自らの意思で進んでいるのなら
そこでCCが舵に手を添えてしまうと…思わぬ方向に進んでしまいます。
もし、ボートが進む先に座礁しそうな岩場があったら危険ですが
その場合でも、

あれ?この先に…岩が見えませんか?

と、問いかけることはするでしょう。
ただ、それでも進むか曲がるかはCLが決断することです。

つまり、進む(停まる)・曲がるを決めるための主導権はCLにあって
講師は徹底して主導権をCLに渡して面談を実施していた
ということです。

今回の2級面接お手本編で特徴的だったのは
CLが思いのままに話すたびに、自分自身で気づかれることが連続したことです。

これは前述した『1級 面接お手本編』でも同じことが起こっていました。
自問自答をする相談相手に、ただひたすら寄り添いながら
講師は、相手が気づいたことの意味付けを行っていた
という流れでした。

1級CCも、2級CCも、相談を受けるという立ち位置は同じです。
求められるレベルの違いはあるかもしれませんが
主導権を握る必要が無い、むしろ握るべきではないという例を
今回はお手本として講師は実践して見せた講習でした。

では、ここからは、今回の講座にご参加いただいた方のアンケート内容をご紹介します。

今回はものすごくたくさんの方からの感想をいただいておりまして、
さらにその1つ1つがとても熱くて重厚なものでしたので、本当は全部ご紹介したいのですが…。
またどこかの機会で、あらためてご紹介したいと思いますので、ぜひ楽しみにしていてください。

1級 面接指導編 参加者の声

今年初めての受験です。試験日が近くなってきてまずは学科と論述を優先的に勉強しながら、この講座で実技にも少し手を出しているという状況です。
今日の八阪先生のロールプレイを見ていると、論述の試験で問われていることとまさにリンクしていることがわかりました。紙に書かれ時間を止めて考えればわかることを、流れる時間の中で実践する、しかもそれを事例相談者の方がきちんと受け取ってもらえるようにどのようにお伝えしていくかまで考えるということなんですね。
そして、今日参加された受講生の皆さんの質問の目の付け所に「さすが1級チャレンジャーの皆さんだな」と感じました。正直、私の実力はまだまだだなと実感しましたが、しっかり勉強しようと自分に喝を入れた瞬間でもありました。
合格にてが届かなかったとしても合格目指してできることをやり切ることが次につながると思うので、へこたれずにがんばります。 今日はありがとうございました。

■講座の中で気づいた点
今回のケースを使用したロープレは、何回か拝見させてもらったが、講師の方がCCの発言の扱う部分によって、ストーリーや進み方また、CCのCLに対する対応の問題点が異なる、ということを再認識した。
どのような進め方になろうとも、SVがCCの状況を見ながら相談者第一を守りながら成長支援していく。
実際私自身できるか?と言われるとまだまだスキル不足と感じるが、頭の中ではイメージを持つことができた。

■八阪講師からの振り返りメールや受講者アンケートより
八阪講師は、講座受講後に振り返りメールを送ってくださるが、このメール内容が毎回素晴らしく要点がまとめられていて、私自身の頭が整理され、新たな気付きにもつながる。人によっては、印刷してファイリングしていると聞いたことがあるが、受講した分の情報が蓄積され毎回大変ありがたく感じる。
さらに、後日Webに掲載される受講者アンケートも自分と違った視点で気づきや感想を見ることができるので、知見を広げる一つになると思う。

さて、今回の振り返りメールで印象に残ったことは、「指導者は、どれくらいわかりやすくお伝えできるか。」「事例指導上で失敗したCCに対し、どれだけ自信・勇気を維持するか、向上できるかに気を配ること。ただ褒めるだけではない。CCとして意味づけ・価値づけもしっかりすること」など。
八阪講師が最も重要視している関係構築について、あらためて講座で見るだけではなく、言語化された内容も活用し振りかえることができた。 本日もありがとうございました。

・今はどのような意図を持った応答なのかについて事例指導者役の八阪先生が
 面談の中でその都度プラカードを出されるのが、大変参考になります。
 このアイデアは秀逸です!
・問題把握・共有の終盤は、私は事例相談者を追い詰めているような気持になり、
 心苦しいときがあるのですが、事例相談者を傷つけないよう追い詰めないよう
 八阪先生がどのように工夫をされているかについて知ることができ、大変参考になりました。

「あなたが答えを言っていますよ」「あなたが言ったことですよ」
なるほど…この言葉は(なかなか)出ないよな~と思いながら聞いていました。前回から気になっていたのですが、本日は回数が多かったように感じます。使えたらいいな~。本日は、慣れたせいか非常にわかりやすかったような気がします。できるできないは別ですが。参考の面接を聴くことの大切さを実感しました。

八阪先生の面接お手本編の講座を受けさせて頂き、本当にありがとうございます。
今回のロールプレイを拝見させて頂いて、事例相談者に対して、事例検討に入るまでに、しっかりと関係構築を築いて、その後に事例についてご相談されていらっしゃいました。解説をお聴きして、やっと理解できました。
自分の場合は、事例検討の中で関係構築を意識しながら相談者とのお話を進めておりましたので、今までのロールプレイと違う、凄い斬新な感覚で捉えていました。今さらですが、関係構築の重要性を再確認致しました。

2級 面接お手本編 参加者の声

今回の面接お手本編、ありがとうございます。そして先生、CC役お疲れ様でした。
具体的展開がもう一息というのは、どんな部分が足りないのか?何が足りないのか?
自身に足りないのは何なのか?そこが知りたく、受講させて頂きました。

①関係構築の徹底さ、お話頂いた事への謝意をきちんと言語化する→出来ていませんでした。

②CCがCLを引っ張ったり、質問するのではなく、
 『CCが発言されたことを整理したり、意味づけたりしながら、
  CCなりの理解の仕方や受け止めをCLに』伝える。
 『CLは、CCの言葉を受けて、自分の中にある意味や価値観を自分で探す。
  CCはこの自問自答のプロセスを影で支えるだけ』

…私は何か大きな勘違いをしてたんじゃないか!
この繰り返しが“鏡になる”だったり、“寄り添う、伴走する”ということ!なのだと、
今更ながら、とても腑に落ちました。
前に出ないだけでなく、自分なりの理解をCLに返せていないのでは…と思いました。

③CLが全てを正直に口にする訳ではなく、だから言葉の表面を拾うと滑ってしまう。
 本当の理解にはならない…というのも、とてもよくわかりました。
 全体を見て、何をCLは訴えているのか…『相談者を理解する』努力、汲み取る努力…、
 それぞれの積み重ねが点数として現われているのだということが、あらためてわかりました。

八阪先生、今回も有難うございました。私は仕事では高年齢者の担当なので、
今回の事例は現場でも参考になるなと思い嬉しい気持ちになりました。

冒頭で定年間際で将来に不安を感じている相談者に『節目』という言葉で表現されたのが流石だなと思いました。(誰もが通る道‥という意味で相談者さんにお伝えされたと私は捉えたのですが。。)

相談者さんがキーワードを語ってても話がどんどん進んで、その内私自身がそのキーワード何だったっけ?って忘れてしまうのは、もしかしたら相談者さんの話を全部聞かなければいけないと、そこに集中し過ぎているからなのかな?と思いました。

今までの講座の中でも八阪先生は『全部は聞かない』とお話されてましたが、そのスキルを身に付けるまでには何十年も掛かるなと思ってました。でも、今回の講座でそのお言葉が腑に落ちました。聞きながら考えるスペースを脳みそに残しておく事が大切なんだと。

わかることと、できることはまた別物。でも、わからないまま、進めては何の意味も持たないので、今回、とてもわかりやすく、お手本として日常から実践していきたいです。
しかし、周りはCLと違うことを話した。うなづきがよくされていたから聞いてもらっている感じとか、そのたびに本質と違うことが強化されてしまいがちです。今回、CCはあいづちやうなずきをやってますと、いうようなことなく、CLの話をそのまま受けとめていたことが印象的でした。
また、営業は好きと思い込んでいたという言葉も拾う、研ぎ澄まされた言葉への注意力が熟練なんだと実感しました。素晴らしい学びの機会をありがとうございます。

2回目の参加となります。 1回目はなんとなく、なんとなく相談中何を考え、言葉選びをしているのかがわかったような気がしました。2回目になってようやく、少しピンときた感じがします。
ただ、やはり使いこなすにはまだまだ時間が必要だなと感じました。今は論述試験の対策をしていますが論述試験が終わり次第何度も反復して確認し、少しずつ身につけて行きたいなと思っています。私自身言葉選びが苦手な面があるので、日常生活でも気をつけて、今回学んだことを吸収できたらいいなと感じました。

当日の講座の様子

アンケートにご協力をいただいたみなさま、ありがとうございます。
まだの方も、よろしければぜひご感想をお聞かせください。

当日の講座で扱う事例の件では、直前になってご心配をおかけいたしました。
申し訳ございませんでした。

それでも変わらず、1級・2級のどちらの講座にもたくさんの方にご参加いただきました。
ここであらためて、みなさまに御礼申し上げます。

この『お手本編』ですが、面接試験の実施期間中も開催する予定です。
(講座中でご案内した日程です)

次はどんなロールプレイが見られるでしょうか?
サポーターの私も、実は蓋を開けるまで中身を知らないんです。
そう言う意味では、私も楽しみにしています。

ということで、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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