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4月29日(土)1級・2級キャリアコンサルティング技能検定対策講座(面接事例読み解き編)の様子

4月29日(土)1級・2級キャリアコンサルティング技能検定対策講座(面接事例読み解き編)の様子

執筆者 | 八阪 義浩

4/29()に
「1級・2級キャリアコンサルティング技能検定対策講座 面接事例読み解き編」
を開催いたしました。

こんにちは。働く楽しさ研究所・八阪です。

GWが始まり、世間ではお出かけのニュースが飛び交っていますね。
新幹線や飛行機も大変な賑わいの中、いつも通りにテレワークでPCの前にいる自分が
なんだか不思議な感じがする、そんな週末でした。

でも、そんなお出かけ意欲の高まる時期に、しかもGWの初日にも関わらず、
弊社の講座に来ることを選んでくださった方がいて、
ありがたいことだなと改めて実感しております。
来ていただいたみなさん、ありがとうございました。

この日は、今シーズン初めての「面接読み解き編」でした。
最難関の面接試験に向けて、早い時期から準備したいという
ご要望を伺っていたので、ここで開催できて良かったなと思っています。

それでは、ここからはその講座の要点を振り返っていきましょう。
論述読み解き編と同様に、どの事例で、誰が回答者であったとしても
必ず持っていて欲しい視点・考え方を中心にお届けしましたので、
この記事で初めて弊社のことを知る方も、ぜひ参考にして欲しいです。

「1級 面接事例読み解き編」の振り返り

CCへの指導が何のためにあるのか。
具体的な指導に入る前に、”指導の目的”をもう一度思い出してください。

ここまで何シーズンか1級CC技能検定のチャレンジャーに向けて、
講座や個別指導という形で支援を続けてきましたが、
ここ最近特に気になっていた箇所を、今回の講座ではお話させていただきました。

それがこの「指導の目的」の部分です。
これは、実は1級の試験の概要にも明記されています。

  1. CLへのより良い支援(ができるようになること)
  2. CCの専門家としての成長(につながること)

この2つともできてないといけないのですが、
記事を読んでいるみなさんは30分のロールプレイ+口頭試問の中で、
この2つを意識できているでしょうか。

わたしが見る限りでは、1.だけしかできていない、
あるいは1.だけをやることにばかり気が向いている方がたくさんいるように思います。

例えば、今回の講座で取り上げた試験の事例でも、

自分はこのままではいけないから、何か間違っているところがあるかもしれないから、
指導を受けないといけないなと思って来たんです。

と来談の経緯を語ってくれる事例がありますね。
これがどれくらい、CCがキャリア支援の専門家として成長するために大事なことか、
その大事なことを見せてくれているシーンか、本当にわかって指導しようとしているでしょうか?

この発言をただ単に

あぁ、間違ってると思ってるところを探せばいいんだな

と問題点の把握だけのために受け取るのか、

自ら主体的に、自分の改善点を探して見つけようとする意欲や
CLのために向上したいと思う気持ちをすでに持っていることって、
CCとして大切なことですよね。

と、言葉にして目の前のCCにアウトプットできるのか。
それがいわゆるCCとしての基本的な態度として必要なものであり、誠実な姿勢の表れであり、
なおかつ健全な成長をするための礎になる、とまで深く受け止められるのか。

そこには、指導者としての質に大きな違いがあります。
自分が合格しようとばかり欲をかいていたり、テクニックばかり追いかけているうちは
絶対に届かない領域・視点なのです。

また、こうした肯定の言葉がなかなか浮かばない、うまく言えない人ほど
問題点探しに躍起になっている、つまりCCのマイナス面ばかりを見てしまっている、とも言えます。

指導だから、自分が上位だからと偉ぶったり、賢いふりをする必要はありません。
それよりも、目の前のCCが”この人から指導を受けたいな”と思えるような
温かくやわらかな関わりができるようになること。まずはそこを目指して欲しいです。
そうでないと、嫌な人からの指導って、聞いてみよう・やってみようと思えないでしょう?

最初に挙げた指導目的の1.ばかりにこだわっていると、

この場面では○○ではなく△△のように対応するの、ほらやってみて。

みたいに、”何かをさせる”という誘導的・強制的な関わりになってしまいます。
その関わり方だと、きっといつかは目的1.は達成できるでしょう。

では、目的2.はどうなりますか?
面談の対応が上手になる、という技法面は上達するかも知れませんね。
でも、一番肝心なところは抜け落ちたままです。

CCという仕事は、他者の人生に深くかかわる仕事です。
その責任の重さに応えうる姿勢・資質にまで指導が及んでこそ、良いCCが育つのです。

指導の目的が2つあること、その2つについて扱わなければいけないこと、
そして2つ目のCCの専門家としての成長には、
一番大事な「CCという仕事の意義・目的」などの原点まで含まれていること。

ぜひそれを忘れずに、そしてご自身もまた誠実な姿勢で
事例相談に来たCCと向き合うようにしてください。

「2級 面接事例読み解き編」の振り返り

誰が見てもすぐに気づくレベルの問題を拾って「問題把握」と考えるのは
表面的な受け止め方に過ぎず、それは「熟練レベル」とは呼べません。

今回の面接事例読み解き編で参加者の方が一番参考になったと言われているのが
グラフを使ってCLの過去の経験や出来事を可視化する、という方法でした。

実際にわたし自身が30分程度かけて描いたグラフ+コメントを
一緒に見ながらケースを読み解いていったのですが、
文字だけの情報をベースに考えるよりもはるかに鮮明に、はるかに深く、
CLの心のうちや考えていることが理解できるようになったのではないでしょうか。

上り調子の部分がどこで、下り調子の部分がどこなのか。
それだけでなく、その転換点ではどのくらいショックや衝撃を受けたのか、
下り調子だとわかっていて、そこを歩まざるを得ないCLにとって
自分の未来がどう見えているのか(それが本当の場合でも、勘違いしている場合でも)。

CLが見えている景色をCCが見えるようにならないと、
熟練レベルと呼べるほどの深いCL理解はできない
のです。

また、1語1語の”CLにとっての意味”を考えられるようになりましょう、という話もしましたね。

例えば、今回の講座で取り上げた木村さんのケースでは、”異動”という言葉が出てきます。
これを聞いて/読んで、この記事を読んでいるみなさんは何を思い浮かべますか?

どんな仕事内容になるのか、前の経験を生かせるかどうか、などの業務の視点でばかり見たり、
異動することをどう思うか、嬉しいのか悲しいのかなど表面的な感情ばかり見たり、
パッと見れば誰でも思いつくレベルのことにばかり囚われていませんか?

厳しいようですが、2級の合格率が15%程度からなかなか上昇しないのは、
このあたりの1つ1つの要素を見る視点について、
その深さが足りないことだとわたしは考えています。

異動先の仕事が何なのかや、異動が嬉しいかどうかを尋ねるなら、素人でもできます。
それならお友だちや職場の身近な仲間など、CLが気軽に話せる人と話をすればいいのです。
何のためにプロと呼ばれるCCが、それも熟練レベルと呼ばれる技能士が
このCLの”異動”という場面と向き合うのか、この4-5月のうちに、もう一度振り返ってみてください。

長年にわたり1つの職務に携わってきたこと、
それはつまり会社からある程度信頼され、その職務を「任されていた」、
あるいは、そこにいてもいいよと「肯定されていた」ということです。

その期間が長ければ長いほど、今まで肯定されていた・居場所を保たれていたところから
出るように促されることを、ポジティブには取れなくなりますよね。
(もしそれをポジティブな事象として捉えられるなら、相談には来ないです)

もちろん、慣れていない環境・業務に対しての不安が無いわけではないでしょう。
CLもそのことを実際に口にすることもよくあります。
では、そのCLの口にしたことだけを考えていて良いのでしょうか?

望まない転換点を迎えるときに、未来への不安を抱えているだけでなく
過去の自分が積み上げてきた経験・キャリアまでも傷つけられている。

そういう見方ができると、なぜこんなにも転換点に対して足を止めてしまうのか、
あれこれ言い訳したり、変化に対して拒否的な反応を示す理由も自ずと見えてきます。

これも、グラフにすればよくわかりましたよね。
肯定的な部分の面積(講座では青色で示したところ)が大きければ大きいほど、
CLにとってそれは大切なものであり、それを失うような、
あるいはそれの価値が低下するような転換点が一層受け入れがたくなるのです。

30年も頑張ってきたのに、外部委託するから業務変わってねと言われた(そうなると思いこんでる)
CLにとって、「わたしの30年って一体何だったの…?」と見えてしまうこと。
その時のやるせなさ、虚しさ、腹立たしさ…。想像できるでしょうか。
CLが感じているのと同じように、CCも共感的に感じることはできますか?

表面的な理解をしてCLの問題点がわかった!と喜んでいるうちは届かない、
CLから見た景色と、CLの心の奥底の気持ちを汲み取る力を、ぜひ鍛えて欲しいです。

では、ここからは、今回の講座にご参加いただいた方のアンケートと、
当日の受講の様子のお写真をご紹介します。

全部を紹介できないのが残念ですが…受講されたみなさま、ありがとうございます。
それでは、ぜひ参加されたみなさまの気付き・学びを読んでみてください。

1級 面接事例読み解き編 参加者の声

本日は大変お世話になりました。八阪先生のわかりやすい説明で、問題の読みときができることを理解できました。ノートに重要なポイントを書きとどめることもなかなかできませんでしたが、ギャップの三角形の箇所をもう一度詳しく知りたいです。
私は、やはり自己理解、仕事理解、中長期のライフプランなど定型の思考で進めてしまいます。つまり、事例相談者の為ではなく自分の為に相談している感じです。本日、大変よくわかりました。事例相談者の成長、育成視点の不足。また、CC2年目でも一生懸命相談に乗って、自分の相談を内省してきていることを十分に労っていない点など、事例相談者の伴走者になっていない点など反省点が多かったです。
気づきが沢山ありました。ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

CCのこともCLのことも、事象や言葉の表面をなぞるのではなくその人の立場になって考える。その立場だったらどのような環境でどう感じながら日々を過ごしているのかというところからしっかり考えることが基本であると、あらためて気づきました。
それは試験対策というより、実際のキャリアコンサルティングの時からすべきことであり、受検時には、それができるかどうかを見られているのだと理解しました(もちろん、見られているのはそれだけではないですが)。

2級 面接事例読み解き編 参加者の声

講座を受講させていただき、実技試験のロープレで合格点をとるために、20分間で、関係構築→問題把握→目標の共有→方策の実行までをそつなくこなすための技術を学びたいという考え方がいかに浅はかであるかを知らされましたが、では試験でどうすれば良いのかについての答えは見つけられませんでした。
今日の講座では、「面談を前に進めなければいけない」という考え方も誤りであることを学びました。試験では具体的展開力の点数をとることが難しいため、自己理解を深める、仕事理解を深める、コミュニケーションとる等の、CLを前に進めることを意図した定型の方策を上手に提案できるか否かが求められている、と勘違いしていたことにも気づかされました。

では、どうしたら良いのか。大切なのは「その人がどうして欲しいかに寄り添う」ことが全てで、CLが面談を終わってお帰りになるときに、面談前と比べて状態が良くなっていさえすればそれが立派な具体的展開だということを知り、目から鱗が落ちました。

先の講座で「面談を三次元で見る」ことが大切であることを習いましたが、事例を通して理解が深まりました。CLが面談前の状態から前に進むことが良いわけではなく、ちょっと後ろに下がってみることも必要かもしれませんし、下方向に深めても良く、左右に視野を広げることもありでしょう。その結果同じ地点に戻ってきたとしても、その人が前に比べて状態が良くなっていれば面談は成功だったと言えるのでしょう。

大山さんの事例では、「この場にくれば素の大山和夫になれる」という安心感を与えることができたとしたら、人材育成する能力はひとつも上がっていないけれど、明日からの仕事に少しでも前向きに臨めるとしたらこの方にとって望ましい変化であり、面談を通して深める方向に「進んだ」ということ。そういう効果を狙って面談をしたとなれば筋が通っている、という先生からの言葉で、自分なりの答えを見つけられた気がします。
となると、CLが口に出すことのない(言語化できていない)「どうして欲しいのか(=面談の目標)」を読み取る力がCCには求められているということに戻るのですね。

遠回りが近道ではないですが、試験に合格すること、試験官の前で巧い面談をすることを考えるのではなく、実際のキャリア面談のつもりで目の前のCLにどれだけ真摯に向き合うことができるかが問われているということなのでしょう。

試験内容は事前に送られてくるとのことですので、まずは今日学んだようにしっかりと内容を確認し自分なりのストーリーを作ってみたいと思いました。それは試験のためではあるものの、架空人物ではありますが相談者さんの気持ちや立場にたって考えるという今後のCCとしての基本姿勢の勉強にも役立つと思いますし、そのような時間を楽しく過ごせる自分のためでもあります。

今日一番印象に残ったのは、悩んでいたり怒っている相談者さんの気持ちを受け止め、それを吐き出す場所としてキャリコンが存在してもいいというお話です。どうしても解決するためにはどうしようと考えががちでしたので、はっとしました。確かに感情が整理されなければ、具体的な次の道は見つからないなと実感しました。

いつも新しい発見ができる場を提供いただきありがとうございます。まだまだスキルが不足していると感じますが、自分らしさを活かしつつ精進していきたいと思いました。

今回の講座で学んだことは、沢山あります。

まず、相談者が何で来たのか、そこには、表現した言葉の奥に隠れた本当の意味が隠されていることに気がつくこと、字面ではない深いところに焦点が当てられるどうか、そこまで読み解く見方を学びました。特に、先生の示されたグラフはとてもわかりやすく、相談者の心理状態が一目瞭然です。

また、「が」(という1文字)によって、前後のグラフの傾きが変わる、対比が生まれる大事な一字であることも、大きな気づきです。見方のバリエーションが増えて、今までスルーして読んでいたことに恥ずかしさを覚えると同時に、もっと注意深く真剣に人の話を聴かない といけないことにも気づかされた気がします。今後の面談で、相談者に対するかかわり方に活用できるかと思います。そこまで理解して、初めて相談者も心を開いて安心して何でも話せる環境ができることにも気づきがありました。

実際の面談では、瞬時に判断してやっていくのですから、確かにハードルは高いと思いますが、このような見方を知っているのといないのとでは、相談者へのかかわり方が全く違ったものになってしまうことは明らかです。

参加者の皆様の質問と先生のお答えがまた新たな気づきで、本日は気づきだらけ、目から鱗状態でした。再度学んだことを整理して、今後に活かしていきたいと思います。本当に感謝感激です。ありがとうごさいました。

当日の講座の様子

アンケートにご協力をいただいたみなさま、ありがとうございます。
まだの方も、よろしければぜひご感想をお聞かせください。

今回は論述読み解き編以上に熱心に・真剣に学んでいる様子が伝わってきました。
ニコニコ笑って聴いているシーンよりも、画面に食い入るように見ている方が多くて、
1つでも吸収しよう、細かいヒントも漏らさず拾い集めようという意志が伝わってきました。

また、ほぼ解説中心の講座でありながら、
画面越しでしっかり相槌を打っている方もおられて、
「相手からの見え方」「相手への伝わり方」をすごく意識しているんだなと
わかる場面もたくさんありました。

本番だけでなく普段からできている、というのがすごく頼もしいし、
素晴らしい心がけだなと感じています。小さなことでも疎かにしないって大事ですよね。
ぜひ、試験本番でも実践していきましょうね。

それでは、みなさんご参加ありがとうございました。
また次の講座でお会いしましょう!

2023年度の1級・2級CC技能検定対策講座のご案内

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まだ迷っている方や、他社と比較したい方も、ぜひ一度このページをご覧くださいませ。

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