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10月10日(月祝)1級・2級キャリアコンサルティング技能検定対策講座(論述事例読み解き編)の様子

10月10日(月祝)1級・2級キャリアコンサルティング技能検定対策講座(論述事例読み解き編)の様子

執筆者 | 八阪 義浩

10/10(月・祝)に
「1級・2級キャリアコンサルティング技能検定対策講座 論述事例読み解き編」
を開催いたしました。

みなさん、こんにちは。働く楽しさ研究所の八阪です。

先週に開催した論述読み解き編に続いて、今回もたくさんの方にご参加いただきました。
参加者の中には「そろそろ2か月前だし、焦ってきています…」という方もおられましたね。
焦る気持ちはわかりますが、大切なのは今回のように
「改善しよう、レベルアップしよう」思って講座に来てくださったことを、
前向きに捉えて、自己肯定にして欲しいなと思います。

それでは、ここからは講座の要点を振り返っていきます。
当日ご参加いただいた方は復習に、参加できなかった方は新たな気付きのために、
指導レベル(1級)や熟練レベル(2級)への到達、そして合格に向けて、
この振り返りの内容を活かしていただければ嬉しいです。

「1級 論述事例読み解き編」の振り返り

確からしさ(蓋然性)を考えながら事例を読み解くこと。

今回の講座で目を引いた単語のひとつではないでしょうか。
実際に参加者アンケートでも「この言葉で理解が進んだ」というお話を
多くの方からいただきましたので、ここで少し振り返りをしてみますね。

確からしさ(蓋然性)とは、推測・洞察などを交えて
物事を判断するときによく利用される考え方ですが、
この推測や洞察がどれくらい上手に活用できるか、
あるいは思い付きやヤマ勘とどれくらい区別できているかが
事例を深く理解するうえで大事になってきます。

今回のケースで言えば、CLは高校生の時からモデルケースとなる人物を見つけ、
それを自分の得意分野に応用しつつ「自分のキャリアを築く」ことを
実践してきたという事例でしたね。

そこから「わざわざ尋ねなくても、ほぼ100%事実だと言えること」って
いくつ見つけられるでしょうか?

例えば、

  • 自分の将来像やキャリア形成を、15歳~18歳の時点で考えていた
    (考えることができる人だった)
  • 夢や希望をただ思い描くだけにせず、本当に実現するだけの努力をしてきた
    (だから希望の学部・職場に入れた)
  • 現在も希望する仕事で活躍していて、自分の歩んできた人生が順調であると思っていた
    (肯定的な話が続く+1つの壁にぶつかっただけで相談に来た)

パッと思いつくだけでも、いくつも出てきますよね。

これらはすべて、CLは一言もお話していないことですが、
CLが語るお話の内容を、きちんと・注意深く聴いていれば、
CL本人は言っていなくても、確からしさ(蓋然性)の非常に高い事柄だとわかります。

1級・指導者を目指すなら、”わかります”というよりも、“わからないといけないレベル”の事柄です。

そして、これら確からしさ(蓋然性)の高い事象を、
事例相談者は見通すことができていない状態で指導を受けに来ています。

1級の試験に出てくる事例相談者は、CC歴2~3年程度の”ほぼ若葉マークさん”ですから、
ある意味仕方ない部分もあるのかもしれません。
「試験問題」ですから、問題点があるような内容にしないといけない、という点もありますね。

ただ、今回の事例に限らず過去問題を見てみても、
論述試験に登場するほとんど全てのCCが「表面的に話題を把握しただけ」になっています。
しかも、その状態の面談をしているにもかかわらず、

CLの話を受容した

CLの気持ちに共感して聴けた

と所感で述べていたりしますよね。
そんな所感を読むと、わたしはいつも心の中で
「いったい何を言っているんだろう…?」とツッコんでいます(笑)

事例指導をするうえで、指導者は事例相談者のお手本にならないといけない。

これは、今回の論述事例読み解き編に限らず、
わたしがどの技能検定対策講座でも強調していることです。

確からしさ(蓋然性)を踏まえた相談者理解は、
まさにその指導レベル・お手本レベルに近づくことができる有力な視点です。
どこかで得てきた自分の知識をCCにひけらかしたり、
思い付き・ヤマ勘レベルで確からしさ(蓋然性)の無いまま
自分の考えを述べるのは、決してお手本ではないのです。

「相談者理解」というCC歴2~3年の方であっても「大事だ」とわかる事柄を扱うこと。
その中で、より広く・深く相談者理解をするためのモノの見方・考え方を
事例相談者に対して丁寧に共有していくこと(面接試験で言う問題把握・共有ですね)
ここができるようになると、指導に説得力が生まれてきます。

ぜひみなさんも、チャレンジしてみてくださいね。

「2級 論述事例読み解き編」の振り返り

肯定的な話が出てきても、それをただ「肯定的な話だ」で済ませないこと。

2級の講座でも、大事なところはいくつもお伝えさせてもらったのですが、
今回の振り返りではここを取り上げてみようと思います。

CLの語るお話(論述の場合は書いてある内容)は、
基本的に「悩み事」なのでネガティブな部分が散りばめられていますし、
そこに目線を向けて問題把握を進めること自体は悪いことではないです。

ただ、2級・熟練レベルを目指すのであれば、
書いてあることを書いてある通りにしか受け取れないのでは、
なかなか合格までおぼつかないのが現実
です。
面接試験でCLの言ったことを言った通りにしか受け取れないと、
 相談者のことを本当に理解することはできない、と言うのと同じことです

例えば、今回の講座で取り上げた事例では、
CLは入社以来ずっと同じ仕事をしてきました、と語っていますね。

そんなに長い期間、1つの仕事をしてきたということを読み解いてみると、
会社視点では「長く任せていた/任せることができていた」ということですし、
CLの視点では「1つの仕事を長く全うしてきた/実績と経験を積んだ」ということです。

もちろん、会社がどの程度CLを評価していたのか、
CL自身がどのくらい納得できているかまではわかりませんが、
少なくとも、おおむね肯定的な話だということはわかるはずです。

長く勤めてこられたことや、仕事を頑張ってきた(であろう)こと、
あるいは職場から必要とされていることなどは、
承認してみたり、褒めてみたりして、CLとの関係構築を図ることもできるポイントですが、
この時に”ただ肯定的に取るだけ”にならないでください、ということです。

「なんでわざわざこの話をしているんだ?」という注意・関心の向け方が必要。

なぜなら、その肯定的であろうお話がひっくり返るほど、
CLが抱えている悩みはCLにとって大きな出来事だからです。

もちろん、CLのお話の中には「過剰に受け止めすぎ」「思考が偏りすぎ」など
数々の問題点があるのは間違いないのですが、
大切なのは、表面上の共感→問題の把握・指摘、という形にしないこと。

CL理解を深めるプロセスとして、

悩みの相談に来たはずなのに、肯定的な話をしている…。
それってなんでだろう?

肯定的な話が大きければ大きいほど、
それに比例するようにCLにとってのこの悩みは大きなものなの?

という視点でお話を聴くようにしてみてください。

今回の講座で扱った事例で見てみると、
会社の業務が効率化・自動化されることを極端に否定的に取っているケースでしたね。

このときに、CLの話を「受け取り方が極端だ、それが問題だ」と理解するだけで終わっていては、
標準レベル・国家資格CCレベル(事実上の3級)と同じであり、2級・熟練レベルとは言えません。

なぜこんなに極端な理解の仕方になってしまうのか、
相談者の悩み具合を理解するヒントが、CLの話、時に肯定的な話の中から出てきます。

表面的理解から、より深い理解へと一段レベルアップするために、
ぜひこの視点・見方を身に付けて欲しいと思っています。
それが合格に向けた前進につながりますから、頑張っていきましょうね!

では、ここからは、今回の講座にご参加いただいた方のアンケート内容をご紹介します。

1級 論述事例読み解き編 参加者の声

講座を受けるまでは、実技論述の必須問題と選択問題のそれぞれ3つの問いで何が問われているのか、それぞれの問いの違いが何んであるかを全く理解しておりませんでした。しかし、八阪先生の図を使った説明により、その構造の違いを概ね理解することができました。この理解したことを過去問を解くことによってその理解を深めるとともに実践できるようにしていき、指導者として必要とされる技能等を習得していきたいと思います。
また、事例2で八阪先生がいかにきめ細かに読み解いているかを目の当たりにして、1級技能士に要求される技能レベルを実感いたしました。と同時にそのレベルに近づきたいという思いも沸き起こって参りました。本日教えて頂いたポイント「「文脈」「背景」まで汲み取る」「関連付けて読み解く」「語られていない内面を汲み取る」「その応答、効果ある?」「アウトプットの質」などを意識しながら取り組んでいきたいと思います。

先生の言葉の選択や伝え方も勉強になりました。CLの本質を正確に捉える為に、天秤の例えや振り返りメールの「蓋然性」が心に残りました。

論述試験でも面接でも、事例相談者に目を向けがちになりますが、本来のクライエントの言動にも目を向け、クライエントが何を伝えたいのかをくみ取る作業が重要だ、という先生のお話がとても心に響きました。実際に先生の書き込みを見ながらの「読み解き」も大変参考になりました。

八阪先生のご説明は理解しやすく、かつ、温かさを感じています。受講して良かったと毎回思います。この度もお世話になりました。ありがとうございました。

事例が書かれている文章のどの箇所でどのようなことを八阪先生が考えておられるのかについて、冒頭から終わりまでを通して文章ごとに説明していただけたことが有意義でした。それは、あたかも実際の面談場面に立ち会い、ベテランキャリアコンサルタント八阪さんの頭の中を覗かせていただいているような機会であり、クライエントの応答から何を受け取り、どのように介入するかを考えることについて追体験できる貴重な機会でした。ありがとうございました。

2級 論述事例読み解き編 参加者の声

当たり前のことなのに、それを忘れて「自分がどうすればうまく書けるか」ばかりを考えていることに気づかされました。論述対策というテーマでしたが、面接試験にも活用できますし、キャリアコンサルタントとしてのあり方自体を問われているような講習で、気を引き締めることができました。ありがとうございます。

「読み解く」とはどう言うことかをとても丁寧に教えていただきました。まだまだ自分の経験不足もあり、クライアントの状況や気持ちを推測することが難しく感じる事もありましたが、これまでやってきた「クライアントの気持ちに寄り添う」事を忘れずに、成長していければと思います。

とにかく1つ1つの言葉への見方が細かくて、深いなと感じました。わたし自身が表面的にしか相談者のことを理解できていないなと反省もしました。ショックを受けなかったと言えばうそになりますが、このタイミングで反省できたことはむしろ良かったと思っています。

試験合格を目的に勉強しそうになる気持ちをこれまで通り正してもらう内容でした。ありがとうございます。

当日の講座の様子

アンケートにご協力をいただいたみなさま、ありがとうございます。
まだの方も、よろしければぜひご感想をお聞かせください。

みなさん真剣な表情ですが、実際の講座の中では、
思わずクスッと笑うようなシーンもありましたね。
10/2の開催時にもお伝えしましたが、この講座は「正解が存在しない」という
CC業務自体の難しさ・もどかしさをあらためて感じられたのではないでしょうか。

実際、講座の中ではわたし個人の見立てをお伝えしましたが、
それを絶対的な正解とせず、取り入れられる視点は十分に取り入れて、
ご自身の改善・資質向上につなげて欲しいです。

それでは、また次の講座でお会いしましょう。
今回のご参加、ありがとうございました!

弊社の1級・2級CC対策講座 特集ページのご案内

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この記事をご覧になって、「参加してみたいな」と思った方はもちろん、
まだ迷っている方や、他社と比較したい方も、ぜひ一度このページをご覧くださいませ。

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みなさまのお越しを心からお待ちしております。