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1月5日(木)7日(土)8日(日)2級キャリアコンサルティング技能検定対策講座(面接指導編)の様子

1月5日(木)7日(土)8日(日)2級キャリアコンサルティング技能検定対策講座(面接指導編)の様子

執筆者 | 八阪 義浩

1月5日(木)7日(土)8日(日)に
「2級キャリアコンサルティング技能検定対策講座 面接指導編」
を開催いたしました。

みなさん、こんにちは。働く楽しさ研究所・八阪です。

新年あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
弊社の仕事始めのまさにその日から、早速の講座開催となりました。

この日に講座を設定した時は、
まだ正月も明けたばかりで、ゆっくりしたい時期かな?と思っていましたが
「実はもう週末には試験本番なんです」という方もおられて、
休んでいる余裕もなかなか無かったかもしれないですね。

それでも、最後まで「少しでも良い面談ができるように」という想いで
CCとしての成長を目指して来てくださったはずですから、
それが本番に活かせることを祈っております。

Bestを尽くして、後悔を残さないようにしたいですね!

それでは、ここからは講座の要点を振り返っていきます。
当日ご参加いただいた方は復習に、参加できなかった方は新たな気付きのために、
熟練レベル(2級)への到達・合格に向けた成長に繋げていただければ嬉しいです。

「2級 面接指導編」の振り返り

主訴と来談経緯は違います。ここを取り違えていると、問題把握もうまくできないですし、
問題把握がズレていると、具体的展開もさらにズレていきます。

技能検定試験の対策講座を実施していると、
参加される方の動機に「問題把握と具体的展開のスコアが足りない」と
いうことを挙げられる方がたくさんおられます。

その要因について、毎年数十回の講座をする中でわたしなりに見つけた点が
この「主訴と来談経緯をごっちゃにして、取り違えている」という点です。
そして、それが一番よく分かるのが口頭試問をしたときです。

相談者が訴えていた問題は何ですか?

という問いをしたとき、つまりCL視点の問題点を回答する時ですね。

ここで、相談が始まって一番最初にCLが述べた説明内容が
CLが訴える内容であり、それを回答すればいいんだ、と思っている人が結構います。

敢えてはっきり言いますが、それは全然違います。
その理由も、今回はきちんと説明していきますね。根拠は2つあります。

まず単純な話として、もし本当に最初にCLが述べた内容が相談者の訴えたい問題なら、
この試験を受ける人なら誰でも容易に回答できますよね。

でも、よく考えてみてください。
2級キャリアコンサルティング技能士は、「熟練レベル」に位置付けられています。
面談に厚みと広がりをもって支援できることが求められています。
そして、2級の技能検定試験は、それができるかどうかをチェックしているのです。

厚みや広がりを持った支援、という言葉と、
誰でも回答できることを答える、というのは、ずいぶんと乖離がありますね。

つまり、誰でも回答できるようなイージーな内容を問われる試験だと
思っていること自体がおかしい、という話なんです。
熟練レベルどころか、標準レベルや国家資格CCレベルでもないですよね。
それでは合格ラインに届かないのは当たり前なんです。

そしてもう一つ。わたしはこちらの方がより大きな要因だと思っています。
CLが最初に話したことが相談者が訴えたいことだと考えるなら、
その後の18~19分程度、CLがあなたに向かって一所懸命話した時間は一体なんだったんですか?

最初に話したことが「CLの訴えたいことだ」と判断するということは、
残りの話はすべて蛇足だと言っているのと変わりありません。
でも、現実には目の前のCLは、あなたに自分の気持ちを吐露したり、
いろんな悩みを訴えたり、時には答えたくないことまで触られたりしながら、
それでも何とかあなたにわかってもらおうと、一所懸命に話してくださっているのです。

それらをすべて無視する行為は、キャリアコンサルティングがどうこうの前に、
そもそも人として大変失礼なことですよね。
最初に話したことが訴えたいことだと決めてしまうことは、それくらい大きな失態なのです。

CLからすれば、自分の前に座っているCCは初対面の知らない人であり、
いったい何者なのか、本当に信頼できる人物なのか、
それすらもわからない段階で、自分の身に起きたことや悩みを話すのです。

せっかく勇気を出して話してくださったCLのお気持ちを、
CCが勝手な解釈で、わかったつもりになって全部台無しにしている

CLが最初に話したことをCLが訴えたい問題だと解釈するというのは、そういう意味を持つのです。
あらためて文にしてみると、すごく恐い話ですよね。

本当に訴えたいことは、面談時間の最初から最後まで、
全部お伺いしたうえで改めて考え直さないとわからないことです。
もう少し補足すると、多くのケースは20分では到底話が終わらないですから、
20分の試験中にCLが言えなかったことも含めて汲み取る必要があります。

相談者の訴えたいことを理解するのは決して簡単なことではないのです。
そして、主訴は、CLが本当に・一番わかって欲しかったことです。
決して相談に来た理由やきっかけではないのです。
そこをきちんと切り分けて考えるようにしましょうね。

そして、今回は3日程・5コマ分をまとめた記事なので、
もう1つ、講座の中でお伝えした重要ポイントを挙げておきますね。

CLが立ち止まることを許容できないCCさんが目立ちます。
なぜ「前に進める」ことを善として、「立ち止まる」ことを悪としてしまうのでしょうか?

今度は具体的な内容について触れていきます。
面談のロールプレイを見ていると、展開が前に進まないときに
すごく焦ってあれこれやろうとしてしまう人がいますね。

支援する側の気持ちに立つと、せっかく関わっているんだから
少しでも前に進んで欲しいと感じてしまうこともわからなくはないですが…。
口頭試問でも、終わった後の質疑応答でもそうですが、
「前に進んでいることが善であり、止まっているのが悪である」
という前提になっている
様子がよく見られます。

それって、本当にそうだと言えるでしょうか。
今回の3日程・5コマの講座では、そんな話をした場面もありましたね。

もう一度2級・熟練レベルに求められる要件を見てみてください。
安定的な支援ができること、という一節がありますね。
それを踏まえて振り返ってみると、CLがなかなか前に進もうとしないときに
あたふたしたり、無理やり動かそうとする行為って、
本当に安定的な支援と言えるでしょうか…?

安定的という言葉について、これはあくまでもわたし個人の解釈ですが、

CLがどんな状態・属性・問題を持っていたとしても、それに左右されることなく、
一定の品質(クオリティ)を保った面談ができること

だと考えています。

若者ならできる、同性のCLならできる、企業領域ならできる…のように
ある特定の条件下の時だけ面談がちゃんとできるというのは、
あくまで標準レベル・国家資格レベル(事実上の3級)止まりです。
自分ができる領域以外の場合は面談の質が下がるわけですから、安定的とは言えないですよね。

条件付きではなく、どのような状態のCLであっても一定の質を保つのが2級であるならば、
「動き出そうとしないCL」についても、「動けるCL」の時と変わらずに
落ち着いてきちんと面談を組み立てないといけない、ということです。

面談をするときに大切な要素の1つとして、無条件の肯定的配慮という言葉がありますね。
テキストによっては、無条件の肯定的受容や、単に受容という言葉を使うこともあります。
その言葉がいずれであるにせよ、「動かないCLは受け入れない」というのは
CLのための支援をしているとは言えないし、熟練レベルとも言えない
のです。

面談の時間をどのように使おうが、何をしようが、そのすべてがCLの自由なのです。
立ち止まるのも、動くのも、引き返すのも、グルグル回るのも、
それらはすべてCLの権利
であって、CCが「その反応はいけない」と決めることではないのです。

どんな面談の展開にしたいのかも全て、勇気を持ってCLにお任せしましょう。
わたしたちCCは、CLが選んだ展開・方向に沿いながら歩いていくだけです。
「好きにしなはれ」の精神でCLと向き合ってみてくださいね。

では、ここからは、今回の講座にご参加いただいた方のアンケート内容をご紹介します。

2級 面接指導編 参加者の声

今回参加させていただいて、ケース内容が分かっていても相談者を理解するのは難しいと改めて感じました。お互いに理解したい、理解してもらいたいと思いながらも、ズレがあることに、やりきれない、くやしい思いを感じました。
そんな中でも、チャレンジする勇気を見せていただき感謝しています。わかるからできるようになるまでの苦しい、険しい道のりを感じながらも、壁を乗り越えるために努力し続けている姿に自分を重ねてしまいました。
また、その姿を見守り、指導する八阪先生の言葉にも、熱意が感じられました。もうすぐ本番を迎える一人一人の頑張りを認め、良い点を必ず言葉にし、全員が自分の力が発揮できるように、丁寧にゆっくりと時間をかけて、質問に応える姿勢を目のあたりにして、私自身も、あと少し頑張ろうという気持ちになりました。

今回実技指導を受け、さらに先生がまとめてくださった逐語訳で自分のロープレを客観的に振り返ることにより、自分の癖を具体的に把握することができて大変勉強になりました。
CLの話に集中しようと思って今回臨みましたが、やはりインタビューになってしまい、自分の先入観から抜け出せていないことに気付きました。なぜ抜け出せていないのか。
どうすればいいのか。相手が何を訴えたいのか、その感情にフォーカスし丁寧に拾っていくことなのだと実感しました。わかっているつもりでできていませんでした。体調不良が続いてなかなか参加できなかったのですが、今回の講座を受講できて、本当によかったと思います。試験本番ではどこまでできるかはわかりませんが、その意識で臨みます。ご指導本当にありがとうございます。

CCが話題の選択をするのは犬の散歩で飼い主がぐいぐい引っ張ってる状態というお話をされていましたが、色々悩みを抱えてきたでしょうけれど、犬の行きたい道(まずどっちの話に行きたいか)が決まるまで待ってからそれについていくのが寄り添うことなのかなと思いながら見学していました。また、人は選択する際にその人の価値観が出るというお話も大変参考になりました。そこにその人なりに大切にしているものがあるでしょうし、選択した自分を客観視できたときに気づきにつながるのかなと感じました。

講座を受ける前は、私が理想としていた面談は、まず相談者の状況や気持ちを話して頂きながら、最終的に「~していきましょう」というようなイメージを持っていました。ただ本日の講座より、面談の時間は、相談者の20分であること、相談者が自由に使って頂く時間であること(キャリアコンサルタントが主導権を握って話していく時間でないこと)を学び、今までの自分の考えが恥ずかしくなりました。
相談者が悩んでいることに、気持ちを汲み取りながらしっかり聞き、最終的に相談者が自力で進めるようになるための支援だと意識を持ちながら、少しでも良い面談ができるよう取り組みたいです。(実際のロープレでは、私自身が最終的に行き詰ってしまいました。それは色々理由があるかと思いますが、相談者の言葉を受け止め理解しながら進めていくのではなく、私が思った方向に話を進めようとしたことが原因であると思いました。)今後少しでも改善できるよう頑張りたいです。
口頭試問についても、できること・できないことについて、相談者のためにキャリコンが試みたことをしっかりと伝える事や、関係構築も、(前提として関係構築をするという意図をもって話し)なぜその話をしたのか、そしたらこうなっていきました、というように話せることが大切だと学びました。
本日は午後も参加させて頂きありがとうございました。八阪先生にご教授いただいたことや皆様のロープレを見学させていただき、多くの気づきや学びがありました。少しでも自分の力にできるよう振り返りを行い、成長できればと思っております。本日はありがとうございました。

今回の講座でも沢山の事を学習しましたが、八阪先生からの「CLには悩み立ち止まる権利がある」という言葉が胸に刺さり、自分は大きな誤解をしていたんだという事がわかりました。悩んでいるままではいけない、問題解決の手助けをしなければと何かCLの後押しをしようとしていたし、それが出来ないCCは無能なのではと思っていたのです。
悩み続けて動けなくなっても、それは悪ではないという考え方。そこに留まるのも一歩踏み出すのもCLの権利。自分の事に置き換えたら「そうだよなぁ」と深く納得しました。CLの前に出ないように寄り添うってそういう事なのだと今になって理解出来ました。今後はそこを意識してCLに向き合おうと思います。ありがとうございました。

本日は貴重な勉強の機会をありがとうございました。
●RP中にチャットでセリフと解説の入る速さに驚きました。このスピード感に慣れるだけでも、相談中の思考速度アップにつながりそうだと感じ今後も参加していきたいと思いました。
●最も大きな気づきは「相手に集中する」ことがどのようなことなのかに気づけたことです。私は自分の話や情報提供(今回なら人材育成や妊娠中管理職経験、育休制度など)を早い段階でしがちですが、そのような対応をする方はいらっしゃらず、いかに私が聞けていない態度か気づきました。「相手に集中する」を徹底することから始めます。
●石像CLに対し「動かないことを受容する」を学びました。実務の中ではどうしたらCLが動けるか、情報や方法やかかわりに気を取られたり、自分の力不足(その場合も多々あります)と思ったりして、受容できるまでに時間を要していました。その間CLに負担をかけていたと反省しました。誰でも動ける(動きたい)わけではないことを認められました。
●RPでは焦りや緊張から表面的な言葉を追いかけてしまい、「〇〇したい」と言いながらもその対極を語る方の矛盾や違和感に気づきにくいです。客観的に聞きながら解説を読むと、CLが本音を言語化できない、自身で把握できない問題点の箇所がどのように表出するのかがやや見えました。やはり「今」CLが発している言葉に集中することだと実感しました。
●「言い返し」「要約」はそのまま返すものなのか、要約は何のためにするのかモヤモヤしていましたが、先生が明確に言い切って教えてくださりすっきりしました。
●最後の質問での「CCの存在意義」のお話が衝撃でした。CLが本当に言いたいことを言えるようCCが知恵を絞り語彙力を上げて返すことで、CLの言語化の手伝いや本当の想いなどに気づいてもらう。それこそ相談業務の要でCCの役目と気づきました。まだま未熟で難しい点ですが、これからCCを継続していくうえで大きな課題・目標となりました。ありがとうございました。
●口頭試問でCLに訊かれていると思って~のアドバイスも目から鱗でした。見栄や変なアピールをせず、誠実に回答します。
●先生の講座進行、受講者へのかかわり方や声掛けや配慮等から「安心して参加できる場」作りを、講師として受講側になり大いに学ばせていただきました。

当日の講座の様子

アンケートにご協力をいただいたみなさま、ありがとうございます。
まだの方も、よろしければぜひご感想をお聞かせください。

今回もたくさんの方がロールプレイにチャレンジしてくださいました。
うまくいったなという方も、正直失敗かも…と思った方も、
どちらも貴重な経験を次に生かしていってほしいです。

傍から見ていて感じたのは、「自分の関わりの根拠をきちんと説明できる」
という状態に成長した方が増えたな、ということ。
指導者として、みなさんの成長が見て取れたのがすごく嬉しかったです。

それでも、最後まで妥協することなく、気を引き締めて、
本番に向けてもう一段の成長を目指して欲しいです。
そして、合格したら「合格者座談会」にぜひ登壇して欲しいです(笑)

それでは、今回も、弊社の講座で学んでくださって、ありがとうございます。
週末に試験を受けられた方に幸運が訪れますように・・・。

弊社の2級CC対策講座 特集ページのご案内

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この記事をご覧になって、「参加してみたいな」と思った方はもちろん、
まだ迷っている方や、他社と比較したい方も、ぜひ一度このページをご覧くださいませ。

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みなさまのお越しを心からお待ちしております。