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1月10日(火)12日(木)2級キャリアコンサルティング技能検定対策講座(面接指導編)の様子

1月10日(火)12日(木)2級キャリアコンサルティング技能検定対策講座(面接指導編)の様子

執筆者 | 八阪 義浩

1月10日()および1月12日(木)に
「2級キャリアコンサルティング技能検定対策講座 面接指導編」
を開催いたしました。

みなさん、こんにちは。働く楽しさ研究所・八阪です。

今週の2コマが、この秋冬シーズンの最後となる2級CC技能検定対策講座でしたが、
おかげさまで最後まで大盛況でした。いずれも平日夜間の日程にも関わらず、
試験直前の貴重な時間を割いてお越しいただいて、ありがとうございました。

最後の面接試験対策ということで、直前まで少しでも自分の技量を上げようと
徹底的に学ぼうとする姿勢の高い方ばかりで、わたしもみなさんに負けないよう、
最後までしっかりと力を入れてお伝えさせていただきました。

そして、最後だからこそ時には厳しいコメントをしたり、
2級よりもさらにレベルの高い視点・技術も紹介いたしましたが、
それらを全部真似する・言われたとおりにするのではなくて、
みなさん1人1人が、できる範囲で取り入れて本番に臨んで欲しいなと思っています。

それでは、ここからは講座の要点を振り返っていきましょう。
当日ご参加いただいた方は復習に、参加できなかった方は新たな気付きのために、
熟練レベル(2級)への到達・合格に向けた成長に繋げていただければ嬉しいです。

「2級 面接指導編」の振り返り

面談が進む、とは物事が前進することだけを指しているわけではないです。
「~をやってみませんか?」は、それだけでCLのタスク・負担を増やす行為です。

この2日間のどちらの講座でもお伝えしてきたことですが、
それはすなわち多くの方が迷っている、つまずいているところでもあるので
今回の振り返りにふさわしいと思って取り上げてみました。

特に、過去に受検した際に具体的展開のスコアが低かった人や
初めての受検者の方は、なんとかしてCLに解決・改善に向けて
前進してもらおうと躍起になっているケースが見られます。

ロールプレイが終わった後の振り返りや口頭試問の練習でも、
「ケースが進まなかった」ことを課題点として挙げる方が多いですね。
でも、ちょっと待ってください。

CLは本当に物事を前に進めたいと考えているのか?という点。
ここを見落としていないでしょうか。

例えば今回のロールプレイでは、AでもBでもないと悩んでいるCLさんがいましたね
よくある「メリットデメリットの整理」を仮にしたとしても、
AもBも、どちらにもメリットデメリットがあって選びようがない、という状態に
陥ってしまうような内容でした。

では、このAもBもどちらの選択肢も捨てきれずに悩んで来たCLが、
本当にAかBかを選択したくて、その判断材料が欲しくて来ているのか?
という視点を持てるようになってほしいのです。

「迷っていて動けない」と「どちらかを選ぼうと検討し始めている」は全然違う状態です。

講座の中では車の運転に例えてお話していましたが、
前者は完全に停止して地図やナビを見ている状態であり、
アクセルペダルからは足を離してています。
一方で後者は、アクセルペダルに足を置いて動き出そうとしている、
場合によっては少しずつ動き出している状態です。

完全に停止している運転手と、動こうとしている運転手が
助手席にいる人に何をして欲しいか、どこを助けて欲しいかは、
当然、違ってきますよね。

前者は悩みや迷いに付き合ったり、考えを整理するために時間が要りますし、
後者は実際にどう走ればうまくいくか、問題が無いかを横でサポートして欲しい。

このイメージで相談場面を想像してみると、どうでしょうか。
いくらアプローチしても、提案しても、なかなか動いてくれないCLは、
本当に動き出そうとしている人、アクセルペダルに足を置いている人のでしょうか?

特に今回のロールプレイでは、仕事の量も精神的な負担も非常に大きくて、
諦観に近いものを持っているようなCLさんが出てきましたね。
もう荷物いっぱい持っている人に対して、さらに何かを提案して動いてもらおうとする。

でも、それってただ「タスク(やるべきこと)」を追加しただけです。
CLにとっては、負担を増やされただけなのです。

面談が展開するとは、何も必ず前進しなければいけないわけではありません。
ましてや、前進だけが解決でもないですし、前進だけがCLの要望でもないのです。

今、目の前のCLが一番やって欲しいことは何なのか。
どこに、どんなふうに、どの程度理解を示して欲しいのか。
あくまでも、どこまでもCLのための面談だということを忘れないようにしましょうね。

では、この秋冬シーズンの2級CC技能検定対策講座が最後になりますので、
今回は特別にもう1つ、ポイントをお伝えします。

分かって欲しいことを”分かろうとする努力”こそが相談者理解です。
わからないことは、CLに聴けばいいと安易に考えないこと。それもCLへの負担なのです。

よく「答えはCLが持っている」という言葉を耳にすることはあると思います。
わたし自身もよく講座でのフィードバックや個別指導で使用しています。
でも、この言葉の意味や、それを受けてどう行動するか?という点では、
まだまだ勘違いをしてい方がたくさんいるのが現状です。

一番分かりやすいのは「答えはCLが持っているなら、CLに聴けばいい」と
安易になんでもCLに問いかけようとするケース。
具体的には、ロールプレイの時のCCの言葉が、
語尾が全部「~ですか?」などの疑問系になっているパターンです。

先ほどのポイントと似ていますが、CLはCCからの質問に対して、
答えを考えるだけでも1つの「負担」になります。
その「負担」を相手に求めるだけの理由はきちんと説明できるでしょうか?

CLは、決してCCの疑問を解消するために来ているのではありません。

そして、CCの興味やCCの知りたい欲求を満たすための存在でもありません。
もしCLに質問をするなら、その質問に答えることでCLが得られる価値や意味を
CCが説明できなければいけないのです。

CLを理解しようとするならば、一から十まで全部CLに教えてもらうのでは
いつまで経ってもCLに負担をかけ続けるだけです。
CLから見ればわかりきったこと・当たり前のことを、
「CCが知らないから」というだけの理由で説明させられるのですから…。

ましてや、それに重ねて「その時どんな気持ちでしたか?」などの
抽象的な質問をされたところで、何を答えれば良いのかも、
何故答えなければいけないのかも、すべて不明なままです。

大切なのは、「聴けばわかるから教えてもらおう」ではなく、
聴く前に考えられることをを目いっぱい考えて、
CLの気持ちや置かれた立場を理解しようと”努めること”です。

わからないことは質問すればいい、というのは相談者理解をサボっているだけです。

安易に聴く前に、真剣に・十分に考えること。
CLが見ている世界、経験している世界をしっかりとイメージして、
なぜそのような発言・判断に至ったのかを汲み取ること。

これはすごく大変ですし、難しいことです。
でも「わからなければ聴けばいい」という安易な姿勢は、
その難しいことをやらないで、CLに負担を求めることで楽をしているだけだ
ということを、しっかりと肝に銘じてCLと向き合うようにしてください。

では、ここからは、今回の講座にご参加いただいた方のアンケート内容をご紹介します。

2級 面接指導編 参加者の声

今回も聴講で参加しました。試験前で皆さんデリケートな時期のなか、前向きに取り組んでいるロールプレイ参加者の方にかなり刺激を受けました。特に練習しすぎで話せなくなった、聴けなくなったという質問を聞いたとき、私も同じ経験をしたことを思い出しました。年末年始に時間の限り頑張ってしまった結果なのですが、ロールプレイをすることがとても怖くなった時期がありました(少し抜け出せましたが・・)。
今回同じ状況の方がいるということ、それでも前向きに取り組んでいる皆さんを見て私も改めて気持ちを上げて取り組もうという気持ちになりました。そして先生のフィードバックがその場その場でチャットで、また面談後に解説いただける内容がそれぞれが学びに直結し、視野が広がりとても参考になりました。着眼ポイントとして多角的に見れる自分がいることを実感します。
他者から学ぶことで自分の不足を見つめ、時間がある限り練習に生かし、引き続きCLに向き合っていく準備をしていきたいと思います。

昨日はご対応ありがとうございました。自分は感情の言い換えが多く、他の方のロープレを見て先生のお話を聞いて、自分なりに理解することが出来ました。その反面、相談者が自問自答出来るような適切な問いかけが出来ずに、いつも行き詰まってしまいます。あと1週間くらいしか無いのにどうしようかと思ってしまいます。
垂直方向の考え方は、以前先生のお話にもありましたが、ロープレをしているとなかなか見えて来ない自分もいますが、相談者が立ち止まりたいと考えているなら止まり、口頭試問でしっかり伝えられるようにしたいと思います。

初めての参加にも関わらず、丁寧に受講ポイントを教えて下さりありがとうございました。
相談者第一のロールプレイの学びと、ロールプレイを通して、今、相談者の中で何が起こっているのか、前に進みたい方、まだ留まっていたい方、やることは決まっているけど、背中を押してほしい方、などの詳細な見方を教えていただきました。
自分の聴いているつもりにしかなっていない視野の広がりや深さの無さがよくわかります。わかりますが、できないのも事実です。できるようになりたいので、また参加させていただきたいです。ありがとうございました。

3回目の参加でしたが、また多くの学びがありました。色々なCLがいて、色々な悩みに対して、その人が今どの段階にいるのか見極めることはできませんでした。この人は今どの状態なのか、アクセルを踏もうとしているのか、アクセルに足を載せていない状態なのかと見極めることが重要とのことでした。CL役の方にお聞きしてみたら、その通りだということでした。
踏みとどまっているCLにはその気持ちに寄り添い、今の思いを十分に聴いてあげることがキャリコンの役割であることを再認識いたしました。踏みとどまっている状態であるかを見極めるのはどうしたらよいのでしょうか。テキストを参考にしながら復習を重ねていきます。本日もありがとうございました。

今回の講座で1番インパクトのあった言葉は、「効果のないものは、何もやっていないのと同じ」という先生のお言葉です。ロープレ中は、目の前の会話に必死で答えるため、なかなか「この伝え方で受け入れてくれるかな」「今、この言葉をどう捉えてもらえるかな」まで意識してできてないなと思いました。
チャットを見返してみると、できている時とできていない時の差があるのは、本能でその場その場を答えてしまっているからです。

実は私はコミュニケーションが苦手です。(誰に言っても信じてもらえないけど)それは、相手の会話の意図や行間、自分の回答がもたらす結果を考えるのが不得意だからです。いままで自分の不得意な部分がどこか分かっていなかったけれど、先生の講座で明確にすることが出来ました。

今年の冬の講座を経て、私は成長できた部分があると感じています。夏の講座では不明確だったり会得出来てなかったことが、ようやく浮き彫りになったり体現できるようになりました。また、次の夏もお世話になります!(すでに1つ申し込み済みです。)ありがとうございました!!!

ロープレ側で今回参加させて頂きました。以前、見学時に『具体的展開は、キャリコンが”そうなったらいいな”と思う事を話しても、クライアントがそれを望んでいるかは分からない』と言うアドバイスをしていて、大変心に残りました。
クライアントは先に進みたい人、今その場で立ち止まりたい人、様々だと思います。20分をキャリコン主導の進め方ではなく、20分はクライアントのもの。意識して来週の試験に臨みます。試験前に受講できて大変学びになりました。ありがとうございました。

当日の講座の様子

アンケートにご協力をいただいたみなさま、ありがとうございます。
まだの方も、よろしければぜひご感想をお聞かせください。

毎回そうなのですが、今回は特に「最後だからこそ、1つも聞き漏らすまい」とする
積極的な姿勢や心意気がすごく出ていた、みなさんの熱意に溢れた講座になりました。
写真からそれが少しでも伝わっていればいいのですが、いかがでしょうか?

常々お伝えしているとおり、資格の合格は目的ではなく、
あくまでも「より良い支援ができるようになる」ための道のりの半ばです。
それでも、これだけ時間と労力をかけて合格を目指したきたことも、また事実ですよね。
あとは、みなさまの合格を願って、わたしは遠くから応援させていただきます。
この春に1人でも多くの方の吉報に触れられるよう、祈っております。

みなさま、今シーズンも弊社の講座にご参加いただき、ありがとうございました。

弊社の2級CC対策講座 特集ページ・次年度の開催予定のご案内

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この記事をご覧になって、「参加してみたいな」と思った方はもちろん、
まだ迷っている方や、他社と比較したい方も、ぜひ一度このページをご覧くださいませ。

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みなさまのお越しを心からお待ちしております。

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