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6月1日(木)2級キャリアコンサルティング技能検定対策講座(論述事例読み解き編)の様子

6月1日(木)2級キャリアコンサルティング技能検定対策講座(論述事例読み解き編)の様子

執筆者 | 八阪 義浩

6/1(木)に
「2級キャリアコンサルティング技能検定対策講座 論述事例読み解き編」
を開催いたしました。

こんにちは。働く楽しさ研究所・八阪です。

6月最初の講座は、1日から平日夜間開講とあって、
新しい月を迎えてフレッシュな気持ちでまた1か月頑張ろう、と思っていた
わたしにとっては、「いきなり本番」という状況でちょっとドキドキもしていました。

この時期は”初めまして”の方はそんなにお会いすることはないのですが、
今回はこの日が初めて弊社の講座への参加になった方もいたので、
できるだけ丁寧に、「なぜそう考えるのか」の説明部分を増やしてお話させてもらいました。

外の天気は大荒れの夜でしたが、受講されたみなさんの頭の中は
スッキリ晴れて見通しが立つような、そんな気付き・学びがたくさんあったのではないでしょうか。

試験本番が近づいてきていますが、直前まで気を抜かず・手を抜かず、
「合格したい!」と思って学びに来てくださったみなさんの意欲が、
ぜひ結果に結びついてほしい、とわたしも願っています。

それでは、ここからはその講座の要点を振り返っていきましょう。
どの事例で、誰が回答者でも持っていて欲しい視点を中心にお届けしましたので、
この記事で初めて弊社のことを知る方もぜひ参考にして欲しいです。

当日参加された方は、講座のテキストと共にお届したコーヒーを味わいながら、
リラックスしてもう一度学び直していきましょう。

「2級 論述事例読み解き編」の振り返り

論述試験で言う問3(面接試験で言う具体的展開)について、
細かくステップを刻んで考えてみましょう。

いつもはどれくらいCLの話を洞察できるか、汲み取れるかというお話を
振り返りで書くことが多いので、今回はちょっと視点を変えた話で振り返りをしてみたいと思います。

今回の講座の中では、受講者の質問として

どうしても”A or B”で選択するしかない場合ってどう進めればいいですか?

というお話があったかと思います。
おそらく個別の質疑応答の中では一番時間を割いて説明した部分ではないでしょうか。

その時に私がお伝えしたことは

それはそもそも”A or B”の2択じゃない。
AもBも選べない・選びたくないと言って、”C:動かない”という3つ目の選択をしている。

ということでした。
講座に参加した方は、印象的な場面だったので
覚えていらっしゃる方も多いかと思います。

わたしがお伝えしたいのは、まず「AかBかを選ぶためにどうするか」の前に、
AであろうがBであろうがCLにとってはあまり好まない方向である、ということを
CCが本当にきちんと理解し、共感できているのか
、ということなんです。

AでもなくBでもなく、そこにただ留まっているということは、
CLは、望まない方向に進むことを受け止めるだけの準備ができていない、
勇気や意欲がまだないということです。

その勇気や意欲がまだない状態のCLに対して、CCがやらないといけないことは、
決して無理やり決断させることではないですね。

嫌な選択肢しかないのに、わたしはそこに向かうしかないのか…。

というCLがずっと抱えている葛藤、不満、やるせなさ。
これを一所懸命に受け止めることが第一優先のはずです。

「前に進めることが正しいんだ、前に進まなければいけないんだ」という前提で
その場に立ち止まる・立ちつくす状態を認めない支援って、窮屈だと思いませんか?


自転車の練習をする子供の話を例にしながらお話しましたね。

右に行けばこけるかも、左に行けば電柱にぶつかるかも。
どっちに行ってもいいことが起きなさそうだ、と思っている子供はどうしますか?
自転車にまたがることも、ペダルに足をかけることもなかなかしないですよね。
それなのに、教えている親は、右か左かを選べと迫ってる…。おかしいですよね。

仮に、必死で勇気を振り絞って自転車にまたがって、
ペダルに足をかけるところまではできたとしても、
そこから「漕ぎだす」のにも大変な勇気がいるはずです。

これではうまくいくはずないですし、
下手をしたら自転車に乗ること自体、やめてしまいます。

CCもそれと同じです。
「期限が迫っているかどうか」や「選択肢が見えているかどうか」と
その人が一歩踏み出せるかどうかは、全然別の話
です。

それなのに、一歩踏み出す勇気の部分を無視して、
結果や結末ばかり追いかけていなかったでしょうか?

“選択”や”行動”は、CCが外野から見ていほどに、簡単にできることではありません。
CL本人の葛藤や不安は、そんなに簡単に解消されないのです。

“丁寧にかかわる”の意味を、もう一度よく考えてみてください。
決して、言葉や態度が優しい、表情が柔和と言った簡単なものごとだけではないのです。

1つ1つの場面・プロセスを細かく見ることができるようになって、
初めて具体的で効果的な支援ができるんだ、ということを頭にしっかり入れておきましょうね。

では、ここからは、今回の講座にご参加いただいた方のアンケートと、
当日の受講の様子のお写真をご紹介します。

全部を紹介できないのが残念ですが…受講されたみなさま、ありがとうございます。
それでは、ぜひ参加されたみなさまの気付き・学びを読んでみてください。

2級 論述事例読み解き編 参加者の声

熟練レベルに求められることは、相当深いものであると認識しておりますが、あらためて痛感しています。逐語に出てくる単語に敏感になることは勿論、言外に含まれる思いも読み取ることがかなり必要であると思いました。今回のケースでは、「この際」という言葉は特に際立っています。話の展開で、「が」とか「も」「・・・」等、見逃してはならない文字には、細心の注意が必要とも思います。

また、文章を読んで、今回読み解いていく中で、八阪先生の赤く記されたコメントが、特に葛藤をあらわしていて、ここの部分を受け止めて受容していく事が、共感的理解につながることを学び、痛感しました。まだまだ、ここまで気持ちを受容できていなかった自分がいます。まさに、相談者の「心の叫び」「何かをわかってほしくて来ているか」を聴きながら受容し、共感し、対処していく事、本当の相談者の思いにはせることの難しさを感じます。その思いを共感し、わかろうとすることこそ、まずは求められていることなのかと。

それが、関係構築を築くことにつながると理解しました。そこの境地に達するには、事例一つ一つに、真摯に向き合うことが大事ですが、事例以外の普段の生活態度そのものが、こういうところにも生きてくるという、八阪先生のお言葉は、今後のキャリアコンサルタントをやっていく中で、私の心に刺さりました。普段から、何に対しても真摯に向き合うことを教えてくれたと思っています。いかに普段、自分がいい加減に生きていたか、反省ばかりが心に浮かんできますが、人の心の内をわかろうとする姿勢は、大事にしていきたいと思う次第です。

ものの見方や考え方が、変わろうとしている自分に気づき始めました。
本当にありがとうございました。

CLが来談時に訴える問題点(=CLが見ている世界)を、CCが関わりながら視野を広げてみたり多角的に見てみたりして、再度、あらためて問題点を考えてみた時に、来談時よりも少しだけ世界がポジティブに見えてくる(かもしれない)。という、面談のプロセスをそのまま論述でも実践したら良いのだとわかりました。

AかBかをどうしても選択しなければならないように見えるケースであっても、選択すること自体を目標にはせず、選択する以前で立ち止まっている現在のCLを受容してお話をお聞きするよう心がけたいと思いました。八阪先生が例えて下さった、自転車に乗る練習を始めた頃の気持ち(左に行くのも右に行くのも怖い、ペダルを漕ぎ出すことも震える状態)がとてもわかりやすかったです。

また、自己理解不足、仕事理解不足という頻出ワードについても、CLに直接言えるワードかどうかを意識すると、とても失礼であって使えないワードである。そもそも「〜が足りない」「〜が不足している」という視点ばかりに捉われてしまうと、CLが本当に困っていることへのアンテナが薄れてしまうという点についても、本当にそうだなと思いました。

私は、論述試験は第28回の2級試験の時にギリギリの点数で合格(面接が不合格)だったのですが、型にはめた回答しか出来ておらず、あまり面接との共通点を感じていませんでした。今回の講座を受講して深く読み解くことで、やっと気づく事ができました。

余談になりますが、私は試験の逐語記録で登場するCCを疑ったことがありませんでした。八阪先生が、このCCはここで誤った対応してる!と仰っていたので、ロープレも同時進行しているように感じました。そして、逐語記録のCCですら誤るということに何故だか励まされました。

一般的な支援ではなく、この相談者にとってどのような支援が必要なのかを改めて考える良い講座でした。
自分は表面的な所にしか目が向けられていませんでした。
「安い給料で今の部下に使われるようなことになるくらいなら」のくだりも、今まで部長をやってきたのだから、後輩に指図されるのは嫌だろうなという表面的な受け止め方しか出来ていませんでした。「まだまだ支えになりたい、仕事に対して情熱を持っている」とは、到底感じ取る事が出来ませんでした。
それは、相談者の発した言葉の意味を深く考えずに読んでいたからだと気づきました。
でも、本番で出来るのか難しいです。焦らずに取り組んでいけるように心がけます。

前回受験した時は全く余裕がなく、何をどう書いたか覚えておらず、反省のしようも無いと感じていたが、今回の講座を受けてみて、覚えていないなりに、如何に浅い見方をしていたかを思い知らされた。
表現としては〜不足というのは、CLに伝えられないのであまり表現としては使用していなかったが、考え方としてはまさに仕事理解不足のカテゴリーだな、などと考えていた自分が恥ずかしくなった。
文章の読み解きは朗読では無い、本人が選んで話した言葉の背景、ここに至るまでに如何に感じてきたのかを、今どう感じているのか、ほんとに言葉にしたい気持ちはなにか、そしてそれを受容できるか、とわかりやすく説明頂き、CL中心とは何であるかを改めて考え、ここに至るために、試験でなくてもいつもそのような受けとめをしていかなくては、と思った。

まず、「高卒後すぐに就職して41年」の部分が、CLを理解するのに、大きなキーワードだったのだということを強く感じました。

初めて会うCCに対してすべてを語ってくれるはずがない。それはそうですよね。当然ですよね。そうだな、私も話さないな。言うわけないな。と思いました。さらに、この年代のこの立場の方ならではの思いも心の奥にあるかもしれない。だからこそ、CLの言葉を丁寧に受け止めて、その意味を考えなければならないのだなと感じました。

今回のCLにとっての40年間、高卒から部長の立場になるまで会社に貢献してきた、頑張り続けてきた思いと、年下の部下にいいように使われる、もしかしたら扱いづらく思われてお互いにやりづらさを感じるかもしれないという未来を想像してしまったCLがどれほどがっかりしたかという思いを「居心地が悪そうな先輩の様子」「自分もそうなってしまうかもしれない、やるせない」というこの言葉から理解するところに、まったく到達しなかったですが、実際の面談で似たような事例があり、「その先輩のしんどそうな様子を見て、自分もそうなるかも・・と、これから先の自分のつらい姿を見てしまった気がしたんですね。」と伝え返したら、CLの表情が和らいでその後の話してくださる言葉の量も多くなりました。信頼関係が進んだ感覚になりました。面談終了後「八阪先生、すごい!」と思いました。

普段の面談でCLのことを知りたいと事実確認ばかりを質問していたことや、CL理解を”〇〇不足”と変換すればよいと思っていたことがおおきな勘違いであり、CLに対して失礼なことだということも、今回の講座に参加して気づくことが出来てよかったです。
私がCLだったら、全部言わなくても気持ちを汲み取り受け止めてくれるCCに話を聴いてほしいと思いますし、そういうCCになりたいです。どちらが信頼できるCCで目指すのはどちらか?と問われたら、それはこちらでその通りだと思えるのですが、やるとなると難しいことばかりです。

今回の講座に参加し、CL目線でCLの世界観で見られるCCになりたいと感じました。先はまだまだ遠いですが、あきらめずに進みたいと思います。
 

当日の講座の様子

アンケートにご協力をいただいたみなさま、ありがとうございます。
まだの方も、よろしければぜひご感想をお聞かせください。

今回はちょっとお写真が少なめですが、それでもたくさんの方が来てくださって
論述試験直前の積み上げをしようという意欲のある方たちの様子は
伝わるのではないかなと思っています。

初めてご参加された方も、準備編講座からステップアップして来た方も、
どちらもすごく熱心にメモをして、聞き漏らすまいとしている様子が印象的でした。
講座の中でも言いましたが「正解」をお伝えしているのではなく、
広く深い「見方・捉え方」をお伝えしている講座ですので、
まるっとそのまま真似するのではなくて、
ご自身の中で咀嚼して取り入れるようにしてもらえると嬉しいです。

それでは、みなさんご参加ありがとうございました。
また次の講座でお会いしましょう!

2023年度の2級CC技能検定対策講座のご案内

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