7/28(木)と30日(土)に、ZOOMを用いたweb形式にて、
「国家資格キャリアコンサルタント更新講習」
~学生・若者支援に関わるキャリアコンサルタントに本当に必要な面談技術と心がけ
~相談者の思考転換につながる質問力アップトレーニング~
を開催いたしました。
こんにちは。働く楽しさ研究所・八阪です。
今回は久々にわたしが更新講習の報告記事を書くことになりました。
以前書いてから1か月以上経っていますが、今日も少しでも記事を読んでくださっている
みなさんのCCとしての気付き・成長に役立つことが伝えられればいいなと
そんな風に思いながら、この文章を書いています。
今回お届けした2つの講習は、いずれも弊社のラインナップの中でも人気のある内容で、
いつもたくさんの方にお申込みをいただいております。
講習当日も、ワイワイと賑やかに、そしてグループの仲間みんなで、
考えながら・悩みながら過ごしておられた姿が印象的でした。
当日の講習にご参加いたいだいたみなさま、お疲れさまでした。
それでは、ここからは各講習のポイントを振り返ってみましょう。
大事なことは講習の中で盛りだくさんでお伝えしましたので、
その中からいくつかをピックアップしています。
当日ご参加いただいた方は復習に、参加をご検討中の方はお申込みへのきっかけに、
この記事を活用してくださると嬉しいです。
「学生・若者支援」の講習の振り返り
自分はCLの目にどう映っているのか・どう捉えられているのか。
そこに常にアンテナを張っておくこと。
これは講習の最初の方で重点的にお話したことでしたね。
学生のCLさんの場合、一般の方以上に「教えてください」と言いながら
相談に来られるケースが多々あります。
このときに「”教えて欲しい”と言ったのだから」と、
それをそのまま真に受けてCCがあれやこれやと説明したり、
ああすればいい・こうすればいいとアドバイスをしてしまうと、
これが上下関係を生む元になってしまう、という話でしたね。
上下関係を作ってしまえば、CLさんに同意してもらうのは簡単です。
CLからすれば、上からモノを言われているわけですから、逆らえないんですよね。
それがCCとCLの間の健全な関係性と言えるでしょうか?
・・・もちろん、違いますね。
教えるー教わるの関係性を創ると、そもそもフラットな信頼関係にならないです。
そのことをCCがわからないまま・気づかないままに面談しているケースが、
この学生・若者支援の領域ではまだまだたくさんあります。
CCの言うことを吟味も推敲もせず、言われたとおりにやった。
仮にそれで、目の前の選考を突破したとして、それが本当に支援になるでしょうか?
自分の意見を出すよりも、より賢い・詳しい人の話に従っていればいい…。
そうすればうまくいくから、自分から動く必要はない…。
そんな誤った学習を引き起こしてしまいます。
そして、言われるがまま・指示されるがままの人間になってしまう。
これでは、主体性もなにもあったものではないですね。
教えるー教わるの関係性になってしまいがちな、
学生・若者特有のリスクに、CCは常に細心の注意を払う必要があります。
そして、その上下関係を解消するための関わりを考えること。これが最優先です。
それからもう一つ。
CCの過去の経験や価値観は陳腐化している。
大事なのは、CCの過去よりCLの未来です。
これは最後のディスカッションテーマでもありましたね。
参加されたみなさんも非常に悩んでおられた箇所だと思います。
ただ一方で、ディスカッションの最中から
確かにそうだ、これを考えることが学生や若い人の支援には必要だ
というお声も耳にしました。いい気づきをされていますね。
2040年代にはAIが人間を超えてしまう。
その未来が到来することは避けられないけど、
今10代・20代の若者はそのAIが人間を超える時代を生きていくことになります。
それは、わたしたち大人がこれまで生きてきた世界とは、全く異なるのです。
そんな激動の未来を生きていく彼らにとって、
少しでも役に立つ・拠り所になる物の見方・考え方は何なのか?
それを一緒に考えることこそが、本当の若者支援の価値ですよね。
決してCCが自分自身の昔話や自慢話、自分の価値観を述べることではないですし、
ましてCCの考えに沿う人間にすることでもありません。
ただ残念ながら、このことをきちんと理解し、自分の中に落とし込んだうえで
毎日の面談・支援に向き合っているCCはまだまだ少ないのが現状です。
「CCがすでに(過去の)社会を経験している」という事実を
「CCである自分は、CLにとって役立つ答えを持っている or 出さなければいけない」と
ただただ勘違いしているにすぎない、そんなCCも残念ながらまだたくさんいます。
今日の講座に来てくださった方は、そんな姿にはならないで欲しいです。
もう一度、CLがこれから生き抜いていく未来を考えてみましょう。
わたしたちCCも、相談に来てくださったCLさんも、
まだ誰も見たことも経験したこともない社会。そこにCLさんは飛び込んでいくのです。
CLは、過去のCCの経験の中に生きるのではありません。
だからこそ、答えはないし、CCは答えを持っていない(持っているはずがない)。
でも、答えが無いからこそCCはCLとフラットな関係性で一緒に考えられる。
この講習に来てくださったみなさんには、
そんなふうに謙虚に捉えられるCCになって欲しいなと思っています。
「質問力アップ」の講習の振り返り
自分の質問の意図を1つ1つ見つめ直してください。主語は誰になっていますか?
これは講習の最初のワークの補足説明としてお伝えした部分です。
転職面接に関する相談に来られたCLさんに対して、
どんな質問をするのか、そのフレーズを考えるワークでの一コマでした。
CLに対してどんな質問をするか、選択肢は無限大に存在しますよね。
でも実際には、CCは支援のプロとしてのあるべき姿が決まっていますから、
本当に何でも言っていい/聴いていいわけではなく、
きちんと基準をもっておく必要があります。
その基準として、一番シンプルでわかりやすいのが、
この「主語は誰になっているのか?」という点です。
CCが「わたしが聞きたい・わたしが知りたい」という動機で質問している限り、
CL第一というCCとしての一番の肝から外れてしまいます。
厳しいようですが「自分が知りたいから聞く」のであれば、素人でもできます。
わたしたちCCは、支援のプロとして、
常にCL第一を”実践”することが求められます。
自分の質問ひとつとっても、そしてその背景にある
「なんでその質問をしようと思ったのか」という意図ひとつとっても、
それがCL第一に本当になっているのか、真摯に振り返ること。
自分中心の動機が混じっていないのか、目を背けずに向き合うこと。
そこまでCL第一を本気で徹底できていたかどうか、
もう一度この機会に考えてみてください。
言いたいことを言うのではなく、言われたいことを言う。
シンプルですけど、イージーではないはず。
その壁に、ぜひ挑んでみて欲しいです。
そして、もう一つ挙げるとするならば、やはりここでしょうか。
聴かなければわからない、はCCの言い訳に過ぎません。
過去も現在も未来も、聴かずともわかることを”汲み取る”力が必要です。
これは後半の質問を創るためのグループワークでお話したことですね。
今回ご参加されたみなさんは、みなさんなりに悩みながら・考えながら
一所懸命に取り組んでおられたので、
上記のような投げやりな姿勢の人はいなかったと信じています。
ただ、大事なことなので、ここでもう一度お伝えさせてください。
そして、今回参加されたみなさんは、講習でのワークを思い出しましょう。
ちょうど童話のエピソードをお話したときでしょうか。
「最初に与えられた情報以外からも、ちゃんと考えればわかることがまだまだある」とお話しましたね。
そして、最後の転職者への質問を考えるワークでも同様でした。
わたしが出した質問フレーズを例に挙げてみましょう。
「最初に就職した時の面接ではどうしていたの?」
というものです。
この質問フレーズそのものを覚えることが質問力ではなく、
注目して欲しいのは、質問を創る際の”目の付け所”です。
ワークで取り上げたCLは、自分からは最初の就職の話は出していない状態でしたよね。
でも、CLが「転職」と言っているからには、過去もしくは現在に働いた経験があることは
CLが一言も説明していなくてもわかることです。
そして、過去もしくは現在に働いたことがあるならば、
CLはその職を得るために必ず採用のプロセスを経ているのですから、
(よほど特殊な、例外中の例外の職場でない限り、採用プロセスにおいて面接試験はあります)
CLは過去に面接を突破した経験があるし、就職までこぎつけた経験もある、
ということは容易に想像できることです。
だからこそ、先の質問が出てくるんですね。
ここでCC側の意図として含まれる内容は、
「最低でも過去に一度はうまくいった経験を持っているはずですよ」
ということです。
このように、わざわざCLに話してもらわなくても、頭を使って考えればわかる
「確定している事項」を汲み取ることからチャレンジしてみてください。
これを繰り返すことで、質問の幅がグッと広がるからです。
そして、それは同時にCLのことを分かろうとする努力でもあります。
CLが一から十まで全部説明しない限り、いつまで経っても伝え返しばかりするだけ…
それでは自動音声と何ら変わらないです。
全部話すまでまでわからない/わかろうともしない人を、いったい誰が信頼するのでしょう?
CL理解は、CLのことを理解するためのCCの努力から始まります。
それは、聴かなくてもわかることを気づくこと、
そして、CLが見ている目線・見てきた世界を、
さも自分も追体験するかのように鮮明に描き出す力です。
ものすごく頭をフル回転させる作業ですが、それを避けずにコツコツと毎日取り組むこと。
質問力は、そうした真面目に取り組む姿勢があってこそ、その礎が築かれるものだと思ってください。
参加された方の声
では、ここからは今回の講座にご参加いただいた方のアンケート内容をご紹介します。
今回は、グループディスカッションがとても活発にでき有意義な時間でした。テーマはどんどん深いものになっていきましたが、それぞれの発言者の話を聞いて、違う視点の気づきがあったり、自分が最初に焦点を当てるところはいつも似ているんだな、と気づいたりすることができました。安心した話し合いのできる場作りがなされていたからだと思います。ありがとうございました。
今回の講座のタイトルが、学生若者支援に関わる……であったが、私が支援している生活保護者と重なるところが多かった。私のCLは働いた経験が少ない、信頼関係ではなく上下関係ができている、相談者が自己決定する機会を奪っているなど、反省もたくさんする内容で、最初から悩みながら学びました。
(これまでの自分の支援の)失敗の根拠がわかりましたが、明日から直せるか「う~ん、難しい」と言う悩みもあります。(お題で出された)白紙の履歴書の件を思い出しながら、最初の第一声に気を付けながら、残りの人生をいかに自分らしく生きていけるか考えていただけるように私にできることを考えていきたいと思います。自分の失敗談そのものでしたので役に立ちますが、きつかったです。
今回の講習を受けて、わたし自身のこれまでの若者との関わり方は支援とは言えない関わり方をしていたことに気づきました。何気なく上からとなって履歴書の添削など率先して行ってました。頼られていることは依存されていることでもあるということを考えることができました。ありがとうございました。
講習の進め方、目標、キーポイントなどが最初から丁寧に説明していただけたことで、非常に安心して臨めました。誠にありがとうございました。
「相談者が話したいことを話すような質問力」を高めるためには、まずは「言いたいことを言う」という姿勢そのものを改めていかなければいけないと痛感しました。そして、目の前の人がどんな言葉を望んでいるのか、何と言われたら喜ぶのか、雰囲気や言葉遣いなどから察していく実践を積み重ねたいと思いました。
わからないから動かない・聞かないのではなく、わからないからこそ汲み取っていくことが、相談者の言いたいことを話してもらえるような関係構築につながることを、八阪さんの講習の進め方や質問の応答から学ばせていただきました。重ねて、ありがとうございました。
今回得られた一番大きな学びは、思い込みで認識がずれていた部分があったことに気づいたことでした。私も「クライエントのために」と思っていますが、そうでなく「私が知りたいから」聞いていたことが解り猛省しています。それを除いても十分面談はできるということは衝撃でした。このまま知らずに、クライエントにマイナスの影響を及ぼす面談をし続けずに止められてよかったと思います。
八阪先生の、受講者に合わせた運営にも学ばせていただく点はたくさんありました。オンラインなのに、初めて参加でも迷わないような進め方案内や参加しやすい雰囲気作りは言わずもがなですが、zoomの操作説明までしてくださる講習は初めてでした。
3時間があっという間でしたが、これまでの講習に比べても学びが多かったと思います。セミナー後のレポートも、ここまで丁寧に見てくださる講師は初めてで、もっと学びたいと思いました。
最初の個人ワークでは、自分の質問が感情の受容が少なく、思考の転換が多く、早くなんとか解決できないものかと、普段から焦っている自分を客観的に見ることができて良かったです。ハッとしました、気付きが持てました。
すぐに実行していきたいことは、日頃から相手が言ってほしいことはなんだろうかと、考えながら一人でも多くの人に伝えていきたいと思います。早速、バイトに行っている娘が帰宅したら、伝えたいと思います。
本日は大変勉強になりました。ありがとうございました。また、別の回の講習に参加させて頂きたいと思っております。
本日はありがとうございました。キャリコンを仕事にはしていませんが、仕事で面接や面談で質問をする際、なかなか満足することがなく、また枠に囚われている意識があり参加させていただきました。
リラックスできる雰囲気づくりと題材の親しみやすさ、キャリコンとしての心構えも教えていただきました。質問力にミラクルや魔法の言葉ではなく、日々の積み重ねと教えていただき、努力の足りなさも感じました。レポートを通じて個別に指導もしていただけるとのこと、とてもありがたいです。
私がキャリコンを取得したのは2006年に他団体で(標準レベルCCを)取得しましたが、仕事にすることの難しさ等もあり、しばらく離れていました。国家資格CCになり自分にも再度チャンスがあることを知り申請をしました。このブランクをどこで埋めようか、どう勉強すればいいのかと産業カウンセラーを取得し、現在に至ります。
9月に退職をしますが、今後は人事労務の業務委託で仕事をしようと思っていましたが、キャリコンとして自分も何かお役に立てるかもしれないと言う気持ちになりました(とはいえ、自分の未熟さも痛感しています)。
講座の進行についても、受講生が安心する声掛けが細かく言葉として書き起こされていて、こういってもらえたら安心、こういう声掛けをすれば安全な空間だという事もされていたと感じました。
質問を考える難しさはありましたが、とても勉強になりました。ありがとうございました。
当日の講座の様子
アンケートにご協力をいただいたみなさま、ありがとうございます。
まだの方も、よろしければぜひご感想をお聞かせください。
毎回の講座でまず振り返るのが、この受講の様子のお写真なのですが、
今回はいつも以上に、参加されたみなさんが真剣にディスカッションに取り組んでおられました。
お写真からも伝わってくるでしょうか?
少しでもこの記事をご覧の方が弊社の講習の「楽しく・真剣に」という部分を
感じ取ってくだされば嬉しく思います。
それでは、また次の講座でお会いしましょう。
このたびはご参加ありがとうございました。
弊社の国家資格キャリアコンサルタント更新講習のご案内
弊社が企画・運営する国家資格キャリアコンサルタント更新講習について、
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まだ迷っている方や、他社と比較したい方も、ぜひ一度このページをご覧くださいませ。
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みなさまのお越しを心よりお待ちしております。