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11月6日(日)国家資格キャリアコンサルタント更新講習(洞察力と環境・事例検討と倫理)の様子

11月6日(日)国家資格キャリアコンサルタント更新講習(洞察力と環境・事例検討と倫理)の様子

執筆者 | 木上 和裕

11/6日(日)に、ZOOMを用いたweb形式にて、
「国家資格キャリアコンサルタント更新講習」

~洞察力を高めて相談者の本音に気づける環境理解のしかた~
~事例検討の効果的な進め方と倫理綱領の上手な活用法を学ぶ~
を開催いたしました。

こんにちは。働く楽しさ研究所サポーターの木上(きがみ)です。
この度も弊社の講習を受講いただきありがとうございます。

明日11月7日は立冬ですね。地域によってはもう雪が降っているでしょうか。
この時期になると、我が家は『コタツを出すべきか?』論争が毎年起こります。
家内がコタツ好きで、出して欲しいと毎年言ってくるのですが…
出すと必ずコタツで寝てしまって風邪をひくので却下し続けて、かれこれ15年になります。
わたしも本当は、温かいコタツに入りながら仕事したいな、と思うこともあるんですけどね。

さて、今回実施したのは2講習(洞察力と環境理解、事例検討と倫理)ですが
午前・午後ともに年齢の幅がとても大きな回となりました。
私と八阪講師を含め、CC業界は年齢層が高めになりがちなのですが
これからの世代のCCさんにも、どんどん学んで成長していただきたいですね。
もちろん、ベテランのCCさんにもしっかりと響くように尽力しています!

それでは、ここからは各講習のポイントを振り返ってみましょう。
当日ご参加いただいた方は復習に、参加をご検討中の方はお申込みへのきっかけに、
この記事を活用してくださると嬉しいです。

「洞察力と環境理解」の講習の振り返り

講師曰く『CLを取り巻く環境がたった1つ変わっただけで、
CLのわかって欲しいことが”化けます”。』

後半のグループワークでは、上司との関係が『悪い』から『良好』へと
変わった途端に、CLが迷っている理由が化けましたよね?
CLの周囲にいる登場人物との関係性が1つ変化しただけで、
CLが発している言葉としては同じなのに、
実際には全く別の悩みに変貌したことを体感していただくワークでした。
CLを取り巻く環境が、どれだけCLの訴えに影響しているかを
学んでいただけたかと思います。

では、CCはCLの環境について
『逐一把握して、1つ1つ確認をしておかなければならない』のでしょうか?

答えは…Noです。
CCが知りたいからと言って、あれもこれも質問していては
CLは全然CCのことを信頼してくれません。

特に、CLのプライベートに土足で踏み込む行為は絶対にNGです。
講習の中で、講師が強く注意していましたね。覚えていますか?

では、どうすれば周囲の環境に目を向けることができるのでしょうか?
そのヒントとして、今回の講習で学んでいただいた
「CLの話を聴きながら人物相関図を描くこと」を試してみてください。

CLを取り巻く環境をイメージすること・推し量ることも
『CLを理解し、寄り添う』行為の一つです。
焦らず、CLの話に耳を傾け、CLのために想像力を働かせましょう。

そうすることで、CLの言わんとすることも汲み取れますし関係構築も進みます。
最初の例であったように「発言した内容と異なる本当の悩み」に
近づくこともできますから、ぜひ頭を使って考える相談に積極的に取り組んでください。

続けて講師は
『CLの言葉を表面的に拾っただけで「わかったつもり」になっていませんか?』

このようにもコメントしていましたよね?
表面的な言葉に捉われると早とちりしてしまい、CL理解が遠のくということです。

仕事を辞めるべきか、続けるべきか迷っています。

このような言葉で相談を持ち掛けるCLはたくさんおられます。
でもこれは、あくまでCLが悩みを表面的に言葉にしたものでしかありません。

同じ言葉の表現でもCLの環境が異なると、全く別の相談内容になることは
今回の講習で学びましたよね?

でも、CCが働く現場で起こりがちなのは、
その相談内容を一括りにして「わかったつもり」になってことです。

CCが活動する領域は学生、シニア、女性活躍など多種多様ですが、
領域ごとに似た悩み・似たパターンがあるため、
どうしてもCLの属性や相談内容も近いものになりがちです。

その時に、訪れるCLの言葉を表面的にしか聞いていないと
CL一人ひとりの悩みを、同じようなものだと解釈してしまう危険性があります。

あぁ、また〇〇〇についての相談内容か。なら大丈夫!


これは、たくさんの相談ケースを経験している人が陥りがちな傾向です。
相談をパターンとして捉える事で、応答を効率化してしまう感じですね。

例えば、わたしが長く関わっていたニート・フリーター層の領域のCLでは

働きたくてもブランクがあって不安です

のように、たくさんのCLから一言一句、
同じ言葉で悩みを吐露される場面がよくあります。

ここでCCが『ブランク対策』を懇々と伝えてもCLには響きません。
繰り返しになりますが、そのCL達のおかれた環境はそれぞれですから
どんな悩み方をしているかも異なるためです。

CL一人ひとりの環境に目を向けて、誰の影響を受けているのか?
もしくは、誰の助けなら得られそうか?を考える必要があります。

そしてもう一つ大事なことがあります。
悩みを上手く言葉にできるCLは、あまり多くないということです。
悩みが深刻であればあるほど、言葉にするのは難しいですよね。

ザックリと、本当にザックリとした言葉で話されることが多々あります。
表面的な言葉に捉われず、一括りにせず、耳を傾け推し量る。

平たく言うなら『事情は人それぞれ、決めつけないで』ということでした。

事例検討と倫理」の講習の振り返り

講師曰く『事例検討は、主観で「おかしい」と思ったことを
ぶつけても喧嘩になるだけです。』

講習前半の個人ワークで受講者のみなさまには
『CLから信頼されるために大切にしていること』について
発表していただきましたが、回答がそれぞれ異なっていましたよね?

それが『主観』であり、その人なりのものの見方となります。
時に、人生観や職業観など、生きていくうえでの道標になる観点です。

でも、この『主観』は支援をするうえでも、事例検討の場でも、
厄介なものになってしまうことがしばしばあります。
主観は各個人が持つ考え方ですので、それぞれが思ったまま口に出すと
意見がバラバラになったり、衝突する可能性があるからです。

特に、今回のテーマの1つであった事例検討の場では、それが起こりがちという話でした。
声の大きな人の意見が優先される風潮だと…もう大変です。
その職場では、『相談現場のガラパゴス化』が進んでしまうかもしれません。

ちょっとでも変則的なケースが出てくると、
すなわち声の大きな人が対処できない事例が出てくると、
誰も対応できる人がいなくなる恐れがあります。

声の大きなCCの主観で方策が決まる会議。考えると怖くないですか?

このCCが絶対的に正しいのであれば問題はないでしょうけど
今のところ、そんなCCは見たことがありません。
1級CC技能士の八阪講師であっても、苦手な領域や盲点はありますし
自分が正しいとは決して言葉にしませんし、思ってもいません。

だからこそ、誰かの主観に頼るのではなく『客観的なルール』に
基づいて、みんなが参加できる事例検討が必要だということですね。

そのルールとなるのが倫理綱領です。

また、講師は常日頃から「全ての関りには根拠が必要です」と
解説していますが、この倫理綱領に記載されている条文が根拠となります。

一定のルールであり、根拠となる『倫理綱領』に基づいた事例検討なら
声の大きさ、経験年数や立場に左右されない話し合いができます。

実際に、講習後半の事例検討のグループワークでは
経験豊富なCCから資格を取りたての新人CCさん、
あるいは活動領域も様々な受講者のみなさまが集まっていましたよね。

それだけバックボーンがバラバラでも、倫理綱領をベースにすることで
しっかりと参加できる事例検討が展開されていました。

そして、意見のひとつひとつに根拠を添えた発言もなされていました。

今回の講習で、主観に捉われず客観による事例検討を行うために
倫理綱領が活用できるということを実感していただけたかと思います。
みなさまの職場でも、ぜひ取り入れてみてください。

参加された方の声

では、ここからは今回の講座にご参加いただいた方のアンケート内容をご紹介します。

グループディスカッションでは、職業も年齢もキャリコンとしてのキャリアも異なる初対面のメンバーであるにも関わらず、集まる意見は多視点ながらそのクオリティは見事に均一化されていました。これは倫理綱領を共通の拠り所としたからこその結果であることに気づいた時、一部かもしれないけれど、この講座の言わんとするところが見えたような気がしました。
すなわち、これぞアマチュアとの差別化を図る上でプロフェッショナルに求められる「品質管理」であり、倫理綱領が品質管理の「お助けツール」であり、「迷った時の拠り所」であること。これらがすべて、すとんと腑に落ちました。今回も貴重な学びをありがとうございました。

普段の就労支援業務では様々な年齢層の方に関わらせていただいていますが、年齢に関わらず、相談者がその周囲の方々の影響を受けつつ、選択決定している場面に接してきました。今回の講習に参加して、相談者の環境に目を向けて支援に活かすことで、より相談者自身や課題について理解を深めていけるように意識して取り入れていきたいと考えました。

倫理綱領は常時身につけているのですが、ここ数年は開いてもおらず、ぼろぼろに擦り切れていました。こうして事例と照らし合わせて内容検討していくと、理解も深まり、決して堅苦しいものでもなく、むしろ自分自身の指針となり、基本に立ち返らせてくれる存在であると気づきました。

9月に相談記録の書き方講座を受講し、とても学びになったので他の講座についても受講したいと思い参加いたしました。 今回も、日頃の自分自身の業務についてじっくりと向き合う良い機会となりました。ありがとうございました。
今回の講座では、いかにこれまでの面談を自分の主観や感覚で進めていたかということに気付きました。
「多分関係構築できている」「相談者がこう言っていたからこうなんだろう」と根拠もなく「多分これで大丈夫」と思いながら進めている自分に気づきました。今思い返すととても恐ろしいです。
また、倫理綱領自体がなぜ存在しているのかということも考えたことがありませんでした。これから支援に迷った時の「お助けツール」として活用していくためにも、今一度きちんと読み込みたいと思います。

当日の講座の様子

アンケートにご協力をいただいたみなさま、ありがとうございます。
まだの方も、よろしければぜひご感想をお聞かせください。

午前に実施した『洞察力と環境理解』ですが
後半の仮想CLを使ったグループワークが私は好きなんです。
場合によっては”超困難事例”が出現することもありますので
毎回、どんなCLの環境が出来上がるのかワクワクできます。

あのワークだけを繰り返しても、1つの訓練になるかもしれませんね。
弊社Webコミュニティの1コーナーとして使えないかな?
今度、八阪講師に確認してみようと思います。

それでは、また次の講座でお会いしましょう。
このたびはご参加ありがとうございました。

弊社の国家資格キャリアコンサルタント更新講習のご案内

この記事をご覧になって、「参加してみたいな」と思った方はもちろん、
まだ迷っている方や、他社と比較したい方も、ぜひ一度このページをご覧くださいませ。
2022年度下期・秋冬の更新講習のチラシも新たに出来上がっております。
詳しくは、このすぐ下のボタン「国家資格CC更新講習のご紹介ページはこちら」をクリックしてください。

みなさまのお越しを心よりお待ちしております。