2/11(土)2/12(日)に
1級キャリアコンサルティング技能検定対策講座 ~面接指導編~
を開催いたしました。
みなさん、こんにちは。働く楽しさ研究所・八阪です。
この日はいよいよ、今シーズン最後の技能検定対策講座ということで、
開始前からサポーターの木上さんと「ついに来たね」なんて話をしていました。
ちょっとした寂しさと、試験直前のみなさんの仕上がり具合を見られる楽しさと、
2つの感情が混じる中で講座当日の朝を迎えたのを覚えています。
2日目はPCが落ちてしまって、指導が途切れたシーンもあり、
ご心配・ご迷惑をおかけしまして、申し訳ありませんでした。
それでも、参加されたみなさんのおかげで無事に講座が最後まで開催できて良かったです。
今週から来週にかけて、みなさん試験の本番を迎えられると思います。
面接準備編の時から何度も繰り返しお伝えしてきたように、
「自分が受かりたいから」ではなく目の前のCCが少しでも成長して、
そして安心してCLとの面談に臨めるようになるために、
わたしたち指導者にできることは何か?という視点を常に忘れないで欲しいです。
それでは、ここからは講座の中でお伝えした「学びのポイント」を振り返ってみましょう。
今回もたくさんの学び・気付きのポイントがあったかと思いますが、
このセミナー・講座開催報告の記事では、そのたくさんの学び・気付きのポイントから
毎回1つをピックアップしてお届けしています。
当日ご参加いただいた方は復習のために、
今回参加できなかった方はご自身の新たな気付きのために、
ぜひこの記事を通して学びを深めていってほしいです。
「1級 面接指導編」の振り返り
「対処」と「予防」。
事例指導は2つの視点から進めることができます。
今回の講座が最後なので、要点のピックアップも何にするのか迷ったのですが、
いつもお伝えしていることよりは、この土日だからこそ言った・言えたことを取り上げてみます。
この2日間でおそらく一番響いた(見学者も含めて一斉にメモした)シーンは、
冒頭で挙げた「対処と予防」という考え方の話だったかと思います。
今回のお話は、受検されるみなさんが一番つまずきやすい・勘違いしやすい具体的展開について、
解説や補足としてお伝えさせていただきました。
当日参加されたみなさんには、医療を例に挙げながら、
「対処療法と予防では考え方もやることも全然違うよね」
ということを、CCの世界・指導場面に応用して考えてもらいましたので、
今ここで、この記事を読んでくださっているみなさんは、
ぜひ記事を読みながら、講座に参加したつもりで考えてみて欲しいです。
1つ目の「対処」とは、
起きてしまった問題をどうすれば良いのか・良かったのか、という考え方です。
主に事例相談者(CC)が強く訴えてくるもので、指導を受けに来た動機にもなっています。
自分が実際に失敗してしまった事例や、不安を抱えている事例に対して、
どうすればいいのか/良かったのか、細かな応答のコツやテクニックなどを知りたがる、あれのことです。
この「対処」を指導内容として取り扱うと、基本的にCCは喜んでくれる、という話でしたね。
なんせ、自分が訴える問題をきちんと拾ってもらえたのですから、
これで自分の悩みは解決しそうだ、良かった!
というある種の安心感のようなものを覚える方もいるでしょう。
目の前のCCの話をきちんと取り扱う、という姿勢もプラスですよね。
CCとの話自体も比較的進みやすいので、
わたしの指導、うまく進んでるな
とSV側が手応えを感じやすいという側面もあります。
ただ、あくまでも「その問題点への対処」であって、
その1ケースでしか通用しない、その場面でしか通用しない、という弱点があります。
似たような問題に出会った時には、また「対処方法」を求めて右往左往してしまいますし、
問題が”起きたらどうするか”という話ですので、
問題自体はまた引き起こしてしまう、繰り返してしまう、というリスクもあります。
それに対して2つ目の「予防」とは、
そもそもそんな問題を起こさないために、普段から何に注意をすべきかという考え方です。
そして、わたしは1級を目指すみなさんには、この2つ目の「予防」の考え方を
もっともっと重視して欲しい、と思っています。
なぜかと言えば、予防策を考えるためには「そもそも論」で問題点を捉える視点が必要ですし、
問題が起きるに至った経緯や背景、問題の原因となるCC自身の考え方など、
より深い視点で事例指導をするうえで有効だからです。
例えば、自分勝手に・自己都合で面談をしようとした結果、
CLに嫌われてしまって悪い反応を引き起こしてしまい、再訪も無かった、という事例で考えてみます。
前者の「対処」の視点なら、その時どんなやりとりをしたか、どんな言葉を使ったか、
今ならどんな関わり方をするか、次来たらどうしたいか、などがおそらく指導内容になりますね。
後者の「予防」の場合はどうでしょうか。
CLの困り事よりも自分の都合が先立ってしまったのは何が原因なのか、
再訪して欲しいはずなのにCLを置き去りにする関わりをした理由は何なのか。
かなり「CC自身の持つ考え方・捉え方」の部分に焦点が当たっていることがわかるはずです。
そして、指導するSVが見つめる必要があるのも、この「考え方・捉え方」の部分です。
事例指導の目的、なんだったでしょうか?面接準備編ではお伝えしましたね。
学んだ方はぜひ思い出してみてください。
- 相談者へのより良い支援ができるようになること
- 事例相談者がCCとして(プロとして)成長できること
この2点でしたよね。
同じ過ちを何度も繰り返してしまうリスクが残ったままの状態。
それで本当に良い指導になった、と言えるのでしょうか?
もちろん、対処方法のすべてがムダということではないです。
今まさに出血してる時に、患者に向かって
「どうして出血したんだろう?原因を振り返ろうか」
なんて悠長なことを言っていては、ますます出血が起きて患者さんの容態も悪くなってしまいます。
「まず、今ここの血を止めるために、これをしようよ」
と、その場でできる対処・目の前のことへの対処をすることは、決して悪ではないです。
ただ、それで完了でも達成でもない、あくまでただ止血しただけなんですよ、ということ。
ここを忘れてはいけないですよね。
それが、医療の例だけでなくCCへの指導でも同じことなんです。
CCが訴える問題や、目先の困り事をあれやこれやと一緒に考えること、
その「対処」自体は決して悪ではないとしても、対処方法だけをいくら教えても、
なんでその問題が起きてしまうのか、という根本的な部分が改善されないと
「もぐらたたき」になってしまいますよね。
その「もぐらたたき」状態になって困るのは誰でしょうか…?
きっとCCも困るのでしょうが、一番困るのは、やはりCLです。
繰り返しますが、指導は何のため・誰のためにあるのでしょう?
SVがCCへ行なう指導は、「自分が合格したいからこうやるんだ」というような、
我欲に負けている状態では決して届かない領域にあります。
指導を受けに来たCCが、CLのためにより良い面談をできるようになること。
そのためには、「そもそも今回みたいな問題を起こさないために」という視点で、
ぜひ、予防的な観点からの指導ができるようになって欲しいです。
では、この後は今回の講座にご参加いただいた方の参加者の声をご紹介します。
今回もまた、みなさまの意欲の高さ・気付きの大きさが伝わる
アンケート回答をたくさんいただくことができました。ありがとうございます。
この記事を読んでくださっている方にも、その熱意が伝われば嬉しいです。
1級 面接指導編 参加者の声
2ケース見学しました、ありがとうございました。先ず試験に向けケースの読み込みを再度行います。読み込みすぎない方がいいかも?!と以前から言われ、気を付けていましたが見立てをすることで自分が提案したことは自分で解決策を持っていなければいけないと思いました。
また、指導者の多角的な視点での問いかけについて、今まであの手この手と自分の好きなところから問いかけをしていましたが、問いかけの意図や根拠についても「口頭試問を意識することの重要性」を先生から最初に教えていただいたことで、面接構造を考えながら聴くことができました。そして事例相談者を承認、承認と繰り返すことで関係構築がより深いものになり気持ちを拾い質問を繰り返えし事例相談者に語っていただくことで問題把握がよりスムーズに進み、問題が把握できるような関わりを学ぶことができました。
ただ具体的展開では、指導者のかかわり方により事例相談者のその反応や抵抗が怖くて進めない自分がいます。そうした時に無駄に説得に入ったり独演会になってしまう癖があるためアイメッセージで伝え、それを承認しつつのステップで進めるような面談ができるよう今後の試験に向け取り組みたいと思います。最後まで諦めないこと、常に寄り添う気持ちを維持したいと思いました。
今回の講座では、自分が普段相談者にどのようなキャラクターとして接しているのか、強みと弱みは何かを考える機会を頂きました。人との心理的距離の取り方や、非言語コミュニケーションに関して、違和感を覚えるようなかかわりをしてしまうと自分で自分の首を絞めるような気がします。口頭試問の「指導者としての自分の課題」を考えることが多かったのですが、同じぐらい「自分の良さ」にも目を向けておく必要にも気づきました。
また、ある事例では事例相談者の表情がほとんど動かないという状況が続き、「本番でこのような人が来たらどうしよう…」と画面越しに緊張してしまい、自分にとって苦手とするタイプの相談者も認識出来ました。落ち着いて考えれば、表情が動きづらいほど緊張しているのかもしれない、SVに対する警戒心があるのかもしれない、持ってきたケースへの気持ちの整理がついていないのだろう…と思い至ることが出来ます。本番で同じようなタイプの方がいらした際には冷静に相手を見ていきたいです。
そして、八阪講師がいつもおっしゃる「ボールを差し出し続ける」ことを粘り強く実践できるかどうか、これはどれだけ事例相談者へ愛をもって関われるかどうかということの現れだと捉えています。事例相談者の成長にとって機能する存在となれるよう、精一杯努めようと気持ちを改めて認識した講座でした。今回もありがとうございました。
今回の講座を受講しての気づきは、結構ありがちな「他の人に相談しましたか?」を安易に使わないということと、「ヒント」という言葉でした。
他の人ではなく、今この瞬間が大切ということを私も常々感じて面談を行なっています。確かに、CCのところに来る時には相当悩み、他の誰にも言えず、ずっと先が見えないトンネルの中を一人で歩いている状態から、ようやくなんとなく灯りが見える。それがCCなのだと思います。例えそのトンネルが短くても、真っ暗の中を一人で歩いたその辛さをしっかり受け止める。このことがとても大切なんだと思います。そして、それは事例相談者も同じ。ましてや指導を受けに来るとなると、それこそ飛び越えることが無理なくらい高いハードルなはず。そこをしっかりと事例指導者は理解して面談をしなければ、共感も受容もありませんね。本番ではその意識をしっかりと持って望みたいと思います。
そして、「ヒント」これはずっと私も考えていました。どうしても指導をするとなると、言いにくいことを言わざるを得ません。つい誤魔化すかのような言い方をしてしまいがちです。でもこのヒントという言葉は、一緒に感がえましょうというニュアンスもあるのかな?と感じています。この言葉はぜひ試験以外でも使っていきたいと思います。
感想は、トーンやニュアンスの部分の意識が大切ということを感じました。ちょっとしたことですが、それにとても大きな感情や気持ちの揺れがあるんだなと思いました。助詞一つにしてもそうですが、目の前の人に意識を集中させて、冷静にしっかり非言語の部分を観察することは、当たり前ですが改めてその大切さを感じました。
試験前の練習は昨日の研修で最後でした。残り僅かな時間ですが、学んだことをしっかり吸収して試験に望みたいと思います。
今回の気づきは指導の付加価値という部分です。今は特に口頭試問に難しさを感じており、面談後すぐに何ができたのか、なぜそう考えたのかを言葉にすることができません。まだまだ面談を俯瞰的に見れていないからだと思いますが、口頭試問では表面的なことを答えるのに精一杯です。
そんな中、八阪先生の「付加価値」の説明をいただき、どのような目線で面談を振り返り答えればよいのか、1級で求められる力がなんとなくわかってきました。残りの数日でチャット記録を使い、なんとなくではなくしっかりわかるところまで自分を引き上げて試験にのぞみます。
そして、驚いたのは面談全体を振り返ってのアドバイスで、私の面談スタイルについてコメントを頂いたことです。私はかなり相手に近いカジュアルな(といえばよいのかな?)スタイルであることは自覚していました。そして、大体はそれを受け入れてもらえるのですが、実はすごく私がやりづらいと感じるタイプの方がいらっしゃるのも事実です。研修中のロールプレイでは幸いそのような方に出会わなかったにも関わらず、それをスバリ言い当てられてまさに「!!」でした。そして、そのような人と出会ったときには自分のスタイルは変えなくて良いけど進む早さは違うとアドバイスいただけたのはありがたかったです。
今シーズン、たくさんの研修でたくさんの学びをいただき、そして少しずつですが自分の成長を感じています。本当に本当にありがとうございました。これからも色々な研修に参加させてください。よろしくおねがいします。
最後に、木上さん。お子さんの合格、おめでとうございます!なんだか関係のない私までうれしくなってしまいました。本命の学校も合格できますように!!
当日の講座の様子
アンケートにご協力をいただいたみなさま、ありがとうございます。
まだの方も、よろしければぜひご感想をお聞かせください。
今シーズン最後で、持てる力をしっかりと発揮されている面談がたくさん見られました。
にこやかに面談する方もいれば、すごく真剣に臨んでいる方もいて、
試験直前の様子が写真を通しても伝わってきますね。
そして、上手な方は共通して「穏やか」で「相手を尊重する」ことができていました。
対人支援職であるCCというお仕事においては、自分が思ったように進まないことや
想定と違うこともたくさんあるはずです。事例相談者もまさにそんな状態ですね。
だからこそ、それを指導する側になるみなさんも、そのことを全部受け止めて欲しいです。
うまくいかない覚悟はすべて自分のリスクとして引き受け、
そのうえで目の前の事例相談者・CCが安心してお話しできる場を創る。
それができて初めて、指導者としての資質を備えているということです。
指導者はその「もどかしさ」も乗り越えていかないといけないんだ、と覚えておいてくださいね。
それでは、春に1人でも多くの方の吉報をいただけるよう、
わたしもみなさんの合格を祈っております。
そして、合格者座談会に「登壇者側」として、ぜひ来てください!
それでは、またお会いしましょう。
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