7/1(土)に
2級キャリアコンサルティング技能検定対策講座 ~面接実践編~
を開催いたしました。
みなさん、こんにちは。働く楽しさ研究所・八阪です。
2023年度上半期の2級CC技能検定対策講座も、この日で最後となりました。
4月からずっと、準備編・読み解き編・お手本編と講座の開催を重ねてきて、
みなさんがロールプレイをされるこの実践編もここで一区切りとなりますが、
わたしの中には嬉しさも寂しさもなく、ただただ「みなさん受かってほしいな」と思うばかりです。
そんな自分の気持ちを見つめ直してみると、
指導している側も思った以上に、自分の欲求って強くなるんだなと感じます。
そして、その欲求のせいで指導内容にブレが出てはいけないから、
自分の指導に甘さが出ないか、いつも以上に注意しようと、
そんなことを考えながらこの日の指導をさせていただきました。
試験直前だからこそ、厳しいことを言った方もいますが、
合格に向けた最後の一伸びだと思って、受けとめてもらえると嬉しいです。
さて、それではここからはこの記事の中で、
講座の要点をわたしと一緒に振り返っていきましょう。
当日ご参加いただいた方は復習のために、
今回参加できなかった方はご自身の新たな気付きのために、
ぜひこの記事を通して学びを深めていってほしいです。
「2級 面接実践編」の振り返り
具体的展開が本当に”具体的”であるかどうかを見直してみましょう。
試験が間近ということもあり、今回は一番困る人が多い
具体的展開に対してお話した部分から振り返りのネタを拾ってみようと思います。
講座に参加される方で、特に過去に受検経験がある方のお話を聴いていると、
圧倒的に多いのが「具体的展開のスコアが足りない」という方です。
具体的展開自体が、どうしても面談の前半では出せない(出しようがない)ものですし、
その前の問題把握で必死になっていたり、関係構築で苦労していたりすると、
この具体的展開への対策は疎かになりがちですよね。
それに、CLの状態によっては、20分の面談時間では何かを検討したり選択したりする段階に
到底進まないほど悩みが複雑だったりするので、余計に練習不足に陥ってしまいます。
そのせいでしょうか、口頭試問で「今後の支援をどうするか?」と尋ねてみると
ものすごくふわっとした回答になってしまっている方がたくさんいます。
20分の中でうまく展開できなかったから、何か残さなきゃ!
という意識が働いているのでしょうか、言っていることは綺麗なお話なんだけど、
結局何をすればいいのかCLに伝えてもわかってもらえないことだったり、
それをやったとして、問題把握で挙げた点の何が・どんなふうに・どの程度改善されるのか
よくわからないままの施策になっていることがあります。
そんな方にわたしから投げかけている言葉が、
何かしらを展開すること・何かしら先に進めることばかりに気を取られていて、
“抽象的展開”になっていませんか?
ということなんです。
例えばロールプレイ中に提案した内容でも、口頭試問で回答した内容でもいいのですが、
- 具体的展開で挙げたことを本当に実践することに、CLは意味や価値を感じてくださっているのか
- 何をどうすることなのか、CL本人がきちんと理解して、主体的に実践できるのか
- 第三者が聴いても必要性や効果があるとわかってもらえる内容になっているか
- それでいて、CCが勝手にやりたいことを押し付けたり、無理やり動かそうとしていないか
など、考えなければいけないこと、よくよく練らなければいけないことはたくさんありますね。
このあたりの視点が抜け落ちてしまっていると、
それ本当にCLがやりたいと思ってくれる?
それはCCが勝手に押し付けてるだけでしょ?
それをやったところで何の効果があるの?
つまり何をすることなの?綺麗なことを言ってるだけで何をするのかわからない…
など、傍から見ていても心配になるような状態に陥ってしまいます。
そう、具体的展開は、ただ出せばいいというものではないんです。
せっかく20分間もCLがお話してくださって、時には言いにくいことを言ってくれたり、
まだ受け入れられない葛藤や不満を見せてくださったり、
わたしたちCCにたくさんのヒントをくださっているのです。
そのCLさんに対して、自分勝手な展開を押し付けたり、
何をしたらいいのかわからないことを言ってしまうと、ただただガッカリされるだけですよね。
具体的展開は、思いついたToDoを並べることではありません。
CCに対する安心感を持ち、CLが主体的に”やってみよう”と思えることを提示することです。
実際の面談の中で聴いた・お伝えしたやり取りをきちんと使いながら、
この後どんなことを一緒にするのか、それはなぜ・何のためにするのか、
どの問題に対してどんな効果があるのか、
1つ目の取組がうまく言ったら次は何をするのか、それはなぜか…。
このように、1つ1つの取組に対してきちんと説明できるようになってください。
さらに、それが次のステップへとつながっていること、
そのつながりをたどっていくと、最終的に大きな改善へとたどり着けること。
考えることはたくさんありますし、目先の取組も大きな目標も見ないといけないので、
正直に言うとすごく難しくて大変なことです。
でも、大変だなと思った時こそ、思い出してみてください。
その大変な道のりを実際に歩むのはCLさんです。
CLさんこそが一番大変なのですから、それを支援するわたしたちCCがいるのです。
大変であったとしても、逃げたりごまかしたりしていてはいけないですよね。
最後まで寄り添うとはどういうことか、もう一度思い出したうえで、
この具体的展開の難しさに誠実に向き合っていきましょう。
では、ここからは、今回の講座にご参加いただいた方のアンケートと、
当日の受講の様子のお写真をご紹介します。
今回もまた、みなさまの意欲の高さ・気付きの大きさが伝わる
回答をたくさんいただくことができました。ありがとうございます。
毎回、みなさんの熱量に驚かされつつ、そして嬉しくも思っています。
合格率15%の試験ですから、そこに入ろうと思ったら、これくらいの熱量は必要ですよね。
この記事を読んでくださっている方にも、当日参加された方の熱意や意欲が伝われば嬉しいです。
2級 面接実践編 参加者の声
第30回の最後の面接実践講座に参加させていただき大変勉強になりました。
ロープレ中は目の前のCLに集中するのだとよく言われます。集中って書けば二文字ですがこれが本当にできないでいました。今回初めてそれが出来て、職場にいるような気持ちになっていました。ロープレ中にこのCLは本当になんで悩んでんの?どうすればこの人の気持ちが軽くなるのか、少しでも元気になるのかと考えていました。私の力がまだ不足していて、的確な〇〇しましょうかという提示が出来ずはがゆいですが、私なりにまずは目の前のCLに集中出来たことが一歩前進したなと思います。
また、見学させていただき本当に傾聴することの難しさを痛感しました。長い沈黙はその人にとって必要な沈黙で、それにも意味があるとロープレで教わりました。私だったらもう絶対に耐え切れずに何かリアクションを取ってしまいそうです。傾聴には同じ空気を感じることは大事な事なのですね。
まだ、具体的展開力には問題はありますがもう少しで本番です。ここまで来たら当日のCLとどこまで信頼関係が築けるかだけに集中して臨みたいと思います。CLさんがおかれてきた環境の中でどう感じておられるか、何を話したいのか集中して聴くことを念頭に置き頑張ります。
身を削って教えてくださる先生を尊敬します。私はもう駄目かもと思っていましたがもう少し頑張ってみます。ありがとうございました。
午前に参加しいくつか初めて気づいたこと、改めて気を付けないといけないことがわかりました。メールにもあります「具体的展開」の反対「抽象的展開」という言葉です。
午前では最初のケースでそのことが出てきており、具体的に展開するにはきちんとそれまでのCLの話を受け止めて、正しい焦点を当てて後半にいかないとアバウトになりがちだというのは自身の練習や他者の見学しているときよくわかります。さらにその展開をやって「効果あるの?」という視点が大切だと分かりました。いまこれを書くのは簡単で、明日試験なので忘れはしないですが、試験時本番でできるか?不安ですが肝に銘じます。
次に同じくメールにある午前ケース2で、学生が内々定先に満足しているのにまた就活を再開しようとしている、そこに矛盾がありそうでそこは突いてよい、という点です。これもCCの質問やCLにたくさん語ってもらうことで見えてくる、そしてそのような「だとしたら、おかしいよね」ということはCLの気づき、変容になるので見逃さずに投げかけたいです。シナリオがあるので、この学生のケースはこんな展開も結構想像できるので対応できそうですが、他の社会人シナリオも詰め込みすぎず適度に頭に入れ、目の前のCLの話、気持ちを受け止めます。
最後、口頭試問についてです。自分は今回実技2回目ですが、前回は面接マックス集中で口頭試問では面接を冷静に振り返る余裕はなかったと記憶しており、よく言われているようにCCの発言を根拠とした振り返りなどができるようにしないといけないと改めて思いました。どんなシナリオでも安定した面接をすることの難しさもわかりました。これはキャリコンとして技法を使い試験に合格することも必要ですが、合格後クライアントに接していく対人援助職で安定した面接を続けていくためにも、最近スポーツなどで言われる「再現性」、どんなクライアントにも満足してもらえるようなキャリコンになるには、ということも考えさせられました。明日試験で最低この3つの出来事に当たったときは、引き出しも増えたので合格点に達するように全力を尽くします。有難うございました。
① まず見学の際のポイント「口頭試問の際、CCを引き継いで説明をできるか」という視点は本当に役立つと感じました。他者のロープレを感じている自分を更に俯瞰する感覚は普段では意識しませんが、それができる場だったと思います。
② 朝から体調不良のなか少し無理しての参加だったのですが、CC側の体調には関係なくCLは存在するわけで、それであっても集中してお話を聴かせていただくことに努めるという大切な経験をさせていただきました。
③ お三方のロープレは、視点もアプローチも様々で、そこにどういった意図があるのか、自分ならどう関わるかイメージしながらの有意義な3時間。この後別件入っているため、午後の部に参加できないのは残念でした。
④ 「本音を押し殺すのはできない」…「自分はこうありたい」「組織人とはこうあるべき」との矛盾、自分ごとになっていないCL視点をどう自分ごとにして頂くにはどうしていけばよいか…ありがちなご相談でもあるかなと感じました。頑ななご自身の在り方は、ご自身の壮大なテーマにも繋がっているのであろうなぁ…と思いを馳せることでした。単に試験対策としてだけではなく、日常の業務と重ね観る経験も出来たと思います。
⑤ 八阪講師のFBも的確で、分かりやすかったです。木上さんのタイピングスピードや後半のファシリテートも合理的で爽やかで3時間の(少しの)疲れがとれた感覚がありました。重ね重ねお礼申し上げます。ありがとうございました。
今回も参加させていただき、ありがとうございました。見学者として3名のCCのロープレを拝見し、そのCCとそのCLだから起こること・効果があること、というのを学ばせていただきました。それは、ロープレに挑んだCCの皆さまが目の前のCLの状態を適切に見極め、対応されていたこそ起きたことなのだということにも気付かされました。一見すると面談の自然な流れの中にも、CC側がCLの状態を見極め、意図を明確に持ち面談を行うからこそ徐々にCLから出る言葉が変わっていくのが伝わってきました。
八阪先生からの振り返りメールにもあったように、話の内容だけに囚われるのでなく、「CLがこの話題を続けるのはどうしてだろう?」等、相手を理解するために頭をフル回転させ、状況を俯瞰的に見ることができるように精進して参ります。今週末の実技試験まで今回の講座から学んだことを復習しながら、本番に臨んでまいります。
どのケースもよくある相談であり、相談者の口にしている言葉と、実際に抱えている複雑な思い(他者と比較してしまう自分、やりたいこととやらねばならないことの大きなギャップ、前に進みたいのに服のすそを踏まれて、前に進めない歯痒さ、エンジニアとしてもっとやりたいやれるという思いと、企業からの年齢を理由にした評価)をしっかり自分事として理解しつつ、相談者がどうしたら納得できる選択ができるか、そこに焦点を当てた面談が自分にできるだろうかと考えながら見学をさせていただきました。
ケースの読み(問題把握)が浅い自分を改めて自覚しました。八阪講師のチャット記録をもとに「八阪講師だったら、こう考える」を何度も読み直し、八阪講師と自分の捉え方の差に焦点を当てて、問題把握力を向上させていきたいと思います。相談者の役に立てるキャリコン目指して、頑張ります。
午前の講座に見学参加させていただきました。1ケース目と3ケース目で共通して感じたのは、今のCLがどう言う状態や過程にいるかを捉えることの重要さです。
よく先生が指導される事→「その支援をする事でどんな効果があるか?」を考えるためにも、今の状態を確認した上で、何をするべきか(CLがどうしたいか、何をして欲しいか)をCLと共有すること。それによって、同じ方向を向いた状態で面談をしていくことがCLにとっての前進(試験で言う展開)なのだと思いました。
CC側が表面的な解決方法が思い浮かんだとしても、今のCLがそれを考えられたり行動に移せる状態でなければ、効果はないか薄いものになってしまう…。見学の立場だからこそ頭の中で整理しながら考えられたのですが、実際にCLと向き合って面談する中で実践するのは簡単な事ではないので、日頃の現場でもこの点を意識しながら、常にCLファーストで向き合えるCCを目指したいと思います。
当日の講座の様子
アンケートにご協力をいただいたみなさま、ありがとうございます。
まだの方も、よろしければぜひご感想をお聞かせください。
試験直前の面接対策講座でしたので、最後の確認・総仕上げというつもりで
お越しになっていた方もたくさんいたかと思いますが、
みなさん本当に真剣に学んでくださって、ありがとうございます。
わたしたちの至らないところでご不便をおかけしたり
ご辛抱をされることもあったかと思いますが、
この日までこうして講座を運営でき、みなさんに支えられて学びの場を
創ることができたことにあらためて感謝しています。
みなさん自身が、「まだまだ学ばないと」と思うのと同じように、
わたしもみなさんから「まだまだ指導者として至らないよ」と
教えていただいていることがたくさんあると思って、
もう一度気を引き締めないといけないな、とそんな気持ちにもさせてもらえた1日でした。
最後に、講座に来てくださったみなさん全員の合格を期待しております。
9月にはぜひ、笑って報告してくださいね。
それでは、今回はこのあたりで失礼いたします。
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まだ迷っている方や、他社と比較したい方も、ぜひ一度このページをご覧くださいませ。
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みなさまのお越しを心からお待ちしております。