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必死の引き留めと個人・組織のミッション
2023.08.04

必死の引き留めと個人・組織のミッション

執筆者 | 八阪 義浩

このコラムは、弊社が発行しているメールニュース・LABO Letterに
載せているコラムから1本を抜粋してお届けしています。

毎回この『ひとりごと』の原稿を書くたびに
あとがきに書いている小話と雰囲気が似通ってくることに悩むのですが…。
あんまり堅苦しく考えたり厳密に運用すると、続けることがどんどんしんどくなるので、
ちょっとゆるめに、気づいたこと・思ったことをここでつぶやいていきたいと思います。

その方が、継続がしやすいですからね。
この記事を読んでくださっているみなさんも、気楽な気持ちでいてくださると嬉しいです。

ということで、今回も日常生活の中で起きた出来事から、
ちょっとした学び・気付きに繋がるテーマを持ってきました。


「必死の引き留めと個人・組織のミッション」

先日、まったくのプライベートでのお話ですが、
携帯電話会社を乗り換える手続きをしてきました。

どちらのショップも徒歩圏内にあったのと、
電話機(スマホ)そのものは今のままで契約だけを変える形だったので、
「まあ1日あれば何とか手続きできるかな」
と考えて事前予約したショップに行った時のことでした。

当然ですが、もともと契約していたA社さんには乗り換えをする旨を伝えなければいけません。
その乗り換えの電話をした時の、A社さん側の引き留め具合がもう本当に凄かったです。

 いろんなキャンペーンがあることを訴えてみたり、
 ポイントサービスや巷のお店との連携の話をしてみたり、
 家族まるごと自社側に乗り換える提案をしてみたり、
 長い説明をして乗り換え手続きに進まないようにしたり(・・・かな?)

何とかして心変わりしてくれないか?どうすれば翻意してくれるだろうか?

と電話口で必死になっていることが痛いほど伝わってくる、そんな様子でした。

そういう時は、わたしにいくら時間や手間を割いても成果にならないですから、
早々に他を当たった方があなたのためですよ、という意味も込めて、
相手が一息ついたタイミングで

ごめんなさい、一所懸命説明してくださってますけど、
心変わりすることはないので、手続きをしてもらえますか?

とお伝えしています。

ただ、そのお断りのメッセージをお伝えするときの相手方のお気持ちについては、
CCという職業柄、いろいろ考えてしまう
のです。

電話口の携帯電話会社の社員さんから見れば、電話の先にいる客(=わたし)は、
今まさに逃げ出そうとしている客ですから、もちろん必死で引き留めますよね。

マーケティング・収益的な観点から見ても、
新規客を1人GETするだけで膨大な広告費と人件費、それに時間もかかります。
新規客を+1するよりも、既存客の-1を防ぐ方向に力を入れる気持ちは、わたしもよくよくわかります。

電話口のいち担当者レベルで考えても、「顧客の流出を1件防いだ」というのは
その人にとっての大事な手柄ですし、それがその人の仕事なのですから、
与えられた仕事・役割を果たそうと一所懸命にやればやるほど、その必死さが伝わってきます。

でも…。

その必死さが全然実を結ばないことってやっぱりあるんですよね。
それをわかっていて相手のお話を聴くのって
ちょっと心が痛いというか…。

わたしも仮にもCCとして、人の”キャリア”や”働きがい”を支援することが仕事ですから、

こんなに一所懸命に自分の仕事をしている人に、
一番望まない結末を言わないといけないなんて…。

と思うと、どうにもモヤモヤしてくるのです。

相談の現場では、CLさんのお話を聴いて励ましたり、支えたり、
あるいはCLさんのお気持ちを一緒に味わったり、そうしたことを本職としてやっているのに、
支援をしている時とはまったく異なる、相手がガッカリするような応答をしている自分…。

本当に、このCCという仕事って難しいですよね。
わたしは時に、罪深さのようなものさえ感じます。

それでも、一所懸命に頑張って自分の仕事をしておられる
その方への敬意だけは忘れないようにしたいですね。

その人のミッションとは違った結末であっても、
せめて気持ちよく仕事をしてもらえるように普段から気を付けたいな
、と
そんなことを思ったワンシーンでした。

さて、今回の記事はいかがだったでしょうか?
いつも読んでくださってる方、今回初めて読んでくださった方、
どちらもここまでお付き合いくださって、感謝しています。ありがとうございます。

今後も、弊社発行のメールニュース・LABO Letter(ラボレタ―)のバックナンバーとして、
そして、弊社やわたし自身の考え・視点をお伝えする場として、
ぼちぼちペースで発信していきたいと思っています。

今回のひとりごとも、何か少しでもみなさまの良い気づきになれば幸いです。
よろしければ次回も、わたしのひとりごとお付き合いくださいませ。

それでは、また。