7月23日(日)に、ZOOMを用いたweb形式にて、
「国家資格キャリアコンサルタント更新講習」
~相談者の思考転換につながる質問力アップトレーニング~
~洞察力を高めて相談者の本音に気づける環境理解のしかた~
を開催いたしました。
こんにちは。働く楽しさ研究所の八阪です。
子どもたちはいよいよ夏休みに入って、プールに行ったりキャンプに行ったり、
ニュースを見ていても楽しそうにしているシーンをたくさん見かける、
そんな時期になってきましたね。
そんな遊びたくなる・お出かけしたくなる欲求が強くなるこの時期に、
資格の勉強のためにわざわざ時間を割いて来てくださるみなさんの熱心さには、
いつもわたしもいい刺激をいただいています。
今回は特に、午前はほぼ全員が、午後も約半数の方が
初めて弊社の更新講習に参加された方たちでしたので、
新しい出会いを楽しみにしつつ、そしてお出かけしたい気持ちも辛抱しつつ、
みなさんの熱意にお応えできるように、大事な学び・気付きの機会を創っていこう。
そんな風に考えながらお話をさせていただきました。
それでは、ここからは講座の内容から特に大事な点をピックアップして
あらためて記事にしていますので、参加された方は復習に、
まだ参加されていない方は今後の検討材料に、ぜひご活用いただければ幸いです。
「質問力アップ」の講習の振り返り
自分の欲求をベースに質問した時点で、もうCL第一の面談ではありません。
これは最初のワークの時から、講習の最後の振り返りの時まで
ずっと一貫してお伝えさせてもらっていた、この講習の一番の肝となるメッセージです。
参加された方にとっては、結構印象深いフレーズだったのではないでしょうか。
アンケートでも、「ハッとした」なんてお声がいくつもありました。
最初の個人ワークのところで、自分が思いついた質問フレーズを
3種類に分類していただきましたが、実は質問の分類が何であるかではなくて、
その分類の背景にあるCC側の意図の方がずっとずっと大事だ、
ということに気付いていただくためのワークでした。
また、質問力の向上は質問フレーズを覚えることではない、ということもお話しましたね。
綺麗な言葉や耳障りの良いフレーズだけを覚えたところで、
それをCCが自分の都合で使っている限り、CL第一という支援の根本すら守れないのです。
もし自分がCLからこう尋ねられた時のことを想像してください。
その質問って、何のためにしているんですか?
このときに自分が知りたいから、自分がわからないからという動機で質問していると、
どんどん自分中心の質問になっていく、ともお伝えしましたね。
CLは、CCの”わからない”を”わかる”に変えるために来たのではありません。
CL第一の姿勢とは、質問1つ1つに対しても反映されていないといけないのです。
講座の中でチャレンジしてもらった練習ワークでは、あえて架空の物語の登場人物を使って、
どんな言葉をかければよいかを考えてみてください、とお伝えした場面もありました。
そのワークの時に、どれだけ相手のために・相手のことを想って質問を考えていたか、
ここもCL第一の姿勢が持てているか・徹底できているかが現れるシーンです。
聴いてみないと分からないから…
すぐにそう口走ってしまう人がたくさんいるのです。
そのときCLからこう返されたら答えられるでしょうか?
わからないという結論に至るまでに、
わたしのことをわかろうとするために、何分時間を割いて考えましたか?
・・・シビアな目線ですよね。
でも、本当にCL第一を徹底できているなら、こう問われてもきちんと誠実にお答えできます。
一方で、すぐにわからないという言葉を口走ってしまう癖がついていると、
この問いには答えられなくなってしまいます。
ここで誠実に答えることができないままに面談しているのは、
本当にCL第一の姿勢であると言えるのかというと・・・やっぱり違いますよね。
他人のことは、究極的にはわからない。
でも、わかって欲しくて来ている方のことを、わかろうとする努力や工夫は必要です。
ちょっと矛盾するような、あるいは得られるものが無いようなメッセージにも見えますが、
これがわたしたちCCが、CL1人1人と向き合う時の基本姿勢です。
そして、わかろうとする、の内容は出来事や事実ではなくて、
CLがわかって欲しいと訴えているそのお気持ちや、相談するに至った背景、置かれた立場など
言葉にしているとは限らないところまで含めたメッセージです。
このあたりは、次の段落「洞察力と環境」のまとめでも少し触れています。
ぜひそちらも参考にしていただきたながら、
「誰のために質問するのか」「面談は誰のためにあるのか」という原点をもう一度見つめ直し、
原点から逸れた、自分の興味や欲求のままに質問していなかったかを振り返ってみてください。
「洞察力と環境」の講習の振り返り
CLは自分の相談テーマや心の内を全部クリアに・隠さずに話してくれるわけではありません。
ちょうど講座の中盤あたりでお話した部分だったでしょうか。
ちょっとした事例も交えながら、相談者が周囲との関係性をどのように築いているか、
そしてその関係性をどう捉えているか、CLから見た視点で見ることの必要性、という部分で
このお話をさせていただいたかと思います。
ここでいう”見る”は、資格を用いて見るのではなくて、
どのように見えているのかを想像する・イメージすることだ、というのもお話しましたね。
この時に、よくある間違い・勘違いの事例として、
CCが勝手にCLのことを想像してはいけない
CCが想像したことをCLに伝えるのは決めつけになっちゃう
という考えに陥ってしまっているCCさんをたくさん見てきました。
今回の講座に参加された方の中にも、そう教わったんだけど…?と
ちょっと戸惑っている方もいらっしゃいましたね。
そんな時にわたしがお伝えしているのが冒頭の言葉なんです。
そもそも、CLから見ればわたしたちCCは「知らないおじさん・おばさん」に過ぎません。
どんなにキャリア支援のプロだと名乗ろうが、実績を誇示しようが、
初対面の人に対して、そう簡単に警戒心は解けないです。
その「人としての当たり前の反応」をきちんと頭に入れて関わっていれば、
今さっき会ったばかりの知らない人に、何でもあけっぴろげにものを言うなんてまずあり得ない
と気づくこともできますし、そこに気づけたら、
CLはまだ言ってないこと、言いたくないことを抱えているはずだ
という視点も持てるようになります。
もちろん、そこに気づいたからといって、
まだ隠していることがあるはずだから教えてください
なんて言ったところで、CLは絶対に話してはくれませんし、かえって不審がられるだけです。
何でもかんでもCLに教えてくださいと言っていると、CLは信用してくれなくなる、なんて話もしましたね。
CLは、自分がこの人(CC)に話してもいい、と思う範囲のことしか言ってくれません。
CLは何かまだ言えないこと・言わないでいることを抱えている。
だからこそ、全部は話していないはずだけど、
何か気づいてほしいこと・分かって欲しいことは抱えているだろう。
それはどんなことなのか、CLの見方・CLの世界観を少し覗かせていただこう。
そんな気持ちで、CL視点を想像しながら、
CLの見ている世界に身を置いたときにどう感じるか、それを自分でも感じながら聴くこと。
そして、もし同じような気持ちを抱くのであれば、それを十分に味わい、
自分は違う捉え方をするなと思うなら、CLはなぜ自分と違う捉え方をするのかを考えること。
そこまで頭と心を使ってCLの日常やCLの世界観を捉えることができて、
ようやく相談者理解ができるようになった、と言えるのです。
CLの発言したことだけを拾っても、それはただ発言内容を把握したに過ぎない、
ごくごく表面的なことを知ったに過ぎないのです。
目の前のCCは、自分が考えていること・悩んでいることを出しても大丈夫な人なのか?と
CCのことを見極めようとして、少しずつお話を出してこられます。
相談場面では、CCがCLの問題点を見極めるのではありません。
CLがCCのことを信頼に値する人なのか、わたしたちが見極められているのです。
目の前の言葉・今の事象だけで見て、「あなたの悩みはよくわかりました」なんて言ったところで、
CLからすれば「そんな簡単にわかるような相談をした覚えはない」と思われてしまうのがオチです。
そもそも、言葉だけを拾って簡単にわかる程度の悩みなら、
わざわざ時間と手間を割いて、身近な友人や家族、職場の仲間ではなく
赤の他人のCCのところに来る必要もないですよね。
CLのことをどれだけ本気で、どれだけ深く理解しようとしているか、
それをCLから試されているくらいの気持ちで、わかったつもりではなく、
本当にわかろうとする努力、言わんとしていることを汲み取る力を
今回の講習を参考にして磨いていってください。
では、ここからは参加されたみなさまの感想・お声をご紹介します。
今回もたくさんのメッセージをいただきましたので、
一部だけになりますが、ぜひご覧ください。
参加された方の声
では、ここからは今回の講座にご参加いただいた方のアンケート内容をご紹介します。
今回もたくさんのお声・感想をいただいていますので、ぜひ楽しんで読んでください。
普段の自分の質問を振り返るワーク、意図をもって質問を考えるワーク、実践形式の講義に加えて八阪先生の例も提供いただき、とても充実の講義でした。
これまで意図をもって質問している「つもり」になっていただけで、講義内の3つの区分に分けて自分の質問を整理してみると自分自身の質問の課題がみえてきました。➀自分が思っている意図に沿っているとは言えない声がけになっていることがある(意図を十分に意識して言葉選びができていない)➁そもそも意図があいまいなまま質問している➂意図がわかっていても独りよがりな質問になっていることがある。
また、ワークで質問姿勢や質問の言葉選びについて数10分かけて熟慮しても、まだこれでよいのか疑念がのこるほど、質問は思考を振り絞って行うものだということがわかりました。面談の時間で熟慮した質問を実践できるようになるためには、八阪先生がおっしゃってたとおり、日常からの鍛錬あるのみだなと感じます。
まずは相談者の方に気づいていただく言葉がけをする場面で、質問を複数したくなる自分がいると気づいたので、➀「自分が聞きたい室問になっていないか」「相談者の方がほんとうに聞いてほしい質問か」一歩踏みとどまること、直接的な複数の質問を繰り返し聞く楽な質問に逃げず、包括的で相談者の方が自分で考えていただける質問は何かを日々考える、を実践します。
今回も充実の講義をありがとうございました。
自分自身、過去に一つの質問を受け、その場では答えられなかったものの、家に帰ってから自分の心と向き合ってじっくり考えてみた時に、いろいろな意味に自ら気づけたという経験があります。私もそのような質問ができるようになりたいと常々思っています。
相談に来られる方の中には、繊細で、言葉の微妙なニュアンスに敏感な方が多くいらっしゃいます。相談者の方を傷つけてはいけないと、発言にはかなり気をつかっています。ですが、今回の講座を受講して、質問の意図を明確にし、相談者を主体とし、相談者が聞いて欲しいことを聞き、質問に答えることで相談者のメリットになるような質問を考えるように心がけていれば、この質問をしてもいいのかどうかとあれこれ悩むこともないのではないかと思いました。悩むことは今後も必要ですが、軸がブレないのではないかと思います。
また、「情報収集はしなくても、相談者の方が自ら語る。教えていただけるような関係構築をしないといけない」という八阪先生の言葉に潔さを感じました。グループワークでは、更新講習ならではのあたたかさがあり、うれしく思いました。
本日は、ありがとうございました。
家族や上司や友人とは違う意見や関わりを求めてやってきた相談者に対して「○○に相談してみましたか」というCCの問いかけは、相談者側からしたら期待していたのにがっかりという感想が生まれると思います。勇気を振り絞って話してくださっているということを受け止めつつ、相談者の言わんとしていることを汲み取っていくことに注力していると、CC本位な「○○に相談してみましたか」という質問をしているよりも、相談者が求める言葉を一緒に紡ぐことができると思いました。そのためにも、相談者を取り巻く「いま」と「未来」の環境や状況を推察しながら、どこまでも相談者のことをわかった気にならないでおきます。
自身の実力不足と努力不足を痛感しました。いままで面談をしたことは数えるほどしかありませんが、クライエントと話をするとき、本当に意味のある質問をできているかというと、キャリコンである私の興味で質問をしていると思いました。環境理解に努めるということに自分自身の意識がむくように、普段から相手の環境を考える習慣をもち自分のものになるようにしたいです。
まさに今までの「相談者理解」がいかに上っ面だったのかを痛感しました。養成講習では教えてもらえてなかった視点が得られたと感じています。また、テキスト(文字の羅列)よりも図解であることで、今後の実践時にイメージしやすいのが何より良かったです(視覚優位なので)。より相談者様の理解(100%は無理だけど)に近づけていきます!
相手の気持ちを決めつけてはいけないということを逃げにして、相手を理解しようとする努力を怠っていたと痛感しました。また、普段の部下との面談の話になりますが、相手が他責思考であっても思考転換を促す質問をしてしまっていたことについても、相手主体ではなかったと非常に反省しました。八阪先生に教えていただいたように、日常生活の中で相手に対して誠実に向き合っていきます。
相談者の発言のみで相談者を理解しようとせず、その発言や態度から相談者の置かれた環境や心情を汲み取ることがいかに大切か学びました。それと同時に、相談者との対話をしながら、常に考え続けることの難しさも痛感しました。
相談者にとって話すメリットがある質問かどうか、と問われハッとしました。今まで、自分(CC)主体で相談を進めていたことに気づかされました。
当日の講座の様子
アンケートにご協力をいただいたみなさま、ありがとうございます。
まだの方も、よろしければぜひご感想をお聞かせください。
今回は午前も午後も大賑わいでしたので、グループディスカッションの時に
巡回していてもたくさんの意見・多様な視点が出ていて、
わたしもすごく刺激的な時間を過ごさせていただきました。
オンライン上ではありますが、なるべくグループ感が持てるように
講座の運営にもいろんな工夫を織り交ぜていましたが、
それがうまく機能していたなら幸いです。
ビシッと厳しい言葉で言うときと、思わず笑ってしまうような緩むシーンと、
硬軟織り交ぜてお届けしましたので、初めてさんが多い中でも
弊社の雰囲気・方針も含めて味わっていただけたかなと思っています。
ご参加いただいたみなさん、ありがとうございます。
ぜひ、また次の講習でお会いしましょう!
弊社の国家資格CC更新講習 特集ページのご案内
弊社が企画・運営する国家資格キャリアコンサルタント更新講習について、
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※7/11に一部講座の日程変更を発表しています。
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