9/2(土)に東京会場とzoomのハイブリッド形式で
「1級キャリアコンサルティング技能検定対策講座」
~面接準備編・面接お手本編~
を開催いたしました。
※面接お手本編の講座は、過去に弊社の技能検定対策講座に参加されたことのある方限定の講座です。
こんにちは。働く楽しさ研究所・八阪です。
この日は一日かけて1級CC技能検定対策講座を開催しましたが、
同じ1級向けのダブルヘッダー講座は本当に久しぶりで、
しかも直接対面するライブ講座も数年ぶりでしたので、すごく力を入れて臨んだ一日でした。
設営面や運営面では、どうしてもうまくいかないシーンやお待たせするシーンもありましたが、
そんな時でも、東京会場もオンラインも、受講者のみなさんから助けてくださる方が出てきてくださって、
みんなで良い講座・良い学びの場を創るということが自然に行われていたのが、
すごく心に沁みるというか、じんわりあったかくなる瞬間でした。
講座の内容としては、午前中は1級チャレンジャーなら絶対外せない視点・考え方の部分を
2時間半かけてみっちりと、すごく濃密にお話をしたかと思います。
みなさんすごく熱心に聴いてくださいましたね、ありがとうございます。
そして、午後はそれを踏まえて「じゃあ、実際の面接試験ではどうすればいいの?」
という疑問にお答えするべく、手前味噌ながらわたしがロールプレイ&解説をして、
学んだことをさらに深めて、納得感を高めていただく時間をお届けしました。
この秋から準備をすることで、2月の面接試験本番に備えて
「今日は良いスタートを切れたな!」と感じられる、
そんな1日になってくれたなら、それが一番のわたしの望みです。いかがだったでしょうか?
それでは、ここからは講座の要点をわたしと一緒に振り返っていきましょう。
当日ご参加いただいた方は復習に、参加できなかった方は新たな気付きのために、
指導レベル(1級)への到達・合格に向けた成長に
繋げていただければ嬉しいです。
「1級 面接準備編」の振り返り
良い指導者は、”賢い人・詳しい人”ではなく、”お手本になれる人”です。
毎回、この面接準備編の講座を開催するときに繰り返しお伝えしているのが、
あなた自身は、本当にCCの良きお手本になれているでしょうか?ということです。
そして、試験に受かろうという自己の欲求が強く出れば出るほど、
このCCとしてのお手本の姿からは遠ざかっていきます。
受かりたいから試験を受けているはずなのに、ずいぶん矛盾した話ですよね。
これまで1級の対策講座も長くやらせてもらっていて、
実際にたくさんの方の指導ロールプレイも見せてもらいました。
どこかで学んできた技法、仕入れてきた情報を実践しようとして、
受講者の方から
なんだかぎこちないし、納得いかないけど、こう習ったから…
合格の近道だと聴いたから、型に沿ってやってるんだけど…
なんてお話/相談をされることもよくあります。
実際、今回の受講者アンケートの回答の中にも、そんなお気持ちを吐露されている方がいましたね。
そんな風に何をすればいいか・何を頼ればいいかわからない方のために
この「面接準備編」の講座があるのですが、冒頭に挙げたように、
自分が受かりたいからという動機で指導しようとしている時点で、
その姿は指導者・お手本としてふさわしいとは言えないのです。
講座の中でもお話しましたが、なぜか急にトレーニングやレッスンをしたがる人、
○○理論は知ってますか?と知識を問うて講釈を始める人、
○○フレームに基づいて面談を1つずつ点検しましょう、と勝手にチェック作業を始める人…。
本当にいろんな”パターン”や”やり方”が溢れていますが、
わたしから言えば、それらは結局すべて自分のやりたいようにやっているに過ぎないです。
念のため補足しておくと、提案や展開をしてはいけない、という意味ではないですよ。
本当にそれができるのであれば、やってもいいのです。
では、本当にできるかどうか、そしてやりたいかどうかは、誰が感じるものでしょうか?
自分がやりたいことをやる、という考え方で要る限り、
それは「相手の考えよりも自分の考えを優先していい」と教えてるのと同じなのです。
提案をしたいな、何かトレーニングのようなことをしたいなと思った時に、
本当にそれが目の前のCCが納得しているのか、効果を感じているのか、
そして何より、”あなたと一緒にやりたい”と感じられるだけの信頼関係は創れているのか。
ここをクリアしていない限り、どんな内容・どんなテーマであっても、
それらはすべてSV側・受検者側の都合で進めたに過ぎないのです。
よくわたしがロールプレイの指導をしていて、フィードバックの際に書ける言葉があります。
あなたは指導ロールプレイのいつ・どこで、
CCが「理論を解説されたい・レッスンをして欲しい」と分かったの?
CCがその状態になったと言える証拠はどこにあるのか、きちんと説明できる?
実は、これらの問いに答えられる人はほとんどいないです。
おそらく、1級の合格率とほぼ同じ程度の割合しかいないでしょう。
CCは決してあなたが合格するための道具ではないですし、
知識や技術をひけらかすための実験台でもありません。
(役とはいえ)目の前のCCは、今実際に困っていたり・悩んでいたり、時に不満だったり、
いろんな想いを抱えながら事例指導を受けに来ているのです。
目の前に困っている人がいるのに、自分が合格するための技法やテクニックを
いかに相手にやらせるか・飲ませるかばかり考えている、
その構図自体にまず疑問を持てるようになって欲しいです。
そこが、1級チャレンジのスタートラインです。
今、自分がやろうとしている行為・言おうとしている言葉は、
いったいどういう意味を持って伝わるのか?
という問いかけを、毎回の指導面談で、あるいは指導以外の業務で、
さらに言えば日常のコミュニケーションの場面でも、常に意識してください。
それが一番良い訓練になるからです。
CCというお仕事は対人支援職です。
そして、1級CC技能士はその中でも”指導レベル”として、
より良い支援ができるようになるために、良いCCを育てるという責務を負います。
そんな1級を目指そうとしている人が、自己中心的な考え方でいることが
果たして本当に良いことだと言えるでしょうか?
・・・もちろん、そんなはずはないですよね。
たくさんの知識や技法を身に着けて、それを解説できる人よりも、
内面が誠実で、相手第一をお題目でなくきちんと実践できる人が良い指導者です。
知識を付けてはいけない、技法やフレームを学んではいけないということはありません。
ただ、目の前の困っているCCは、決して自分の頭の中で描いたものや、
誰かが書いた本の世界から出てきたわけではないのです。
目の前の困っている人と、自分がどこかで読んだ本に書いていること、どちらが優先でしょうか?
自分が指導面談をうまく進められるかどうか、という我欲にまみれている時点で、
それは良い指導者の姿からは程遠いですよね。
自分の発言・行動・思考・態度、そのすべてが目の前の人のお手本となっているか。
1級を本当に目指すなら、毎日、これを自問自答してみてください。
良い指導が、良いCCを育てる。
良いCCが支援すると、CLに良い時間を過ごしていただける。
そして、CLが職場や学校で生き生きできることで、ほんの少しずつでも、”良い社会”になっていく。
指導者を目指すなら、そこまでのサイクルを考え、その一端を担うつもりでいて欲しいです。
「1級 面接お手本編」の振り返り
事例の中身を聴けば聴くほど、CCの心をえぐる行為だということはわかっていますか?
これは、この日の講座で特にみなさんの表情が変わったシーンでしたので、
今回の振り返り記事でもピックアップしてみました。
まずは「これは当たり前にやることだろう」と思っていること自体を疑ってみること。
1級にチャレンジするなら、それくらいの疑問の持ち方・思考の多角化はできるようになりましょう。
カッコいい言葉で言えば「クリティカルシンキング」の要素の一つになりますが、
いつも話しているように単語を覚えて賢くなることが1級の目指す姿ではないので、
大事なことは言葉そのものではなく中身です。
当たり前だと思ってたこと、当然のようにやっていたことにも疑問(興味)を持ち、
本当にこれでいいのか、もっと良い考え方・方法が無いのか、と考えること。
これは”探求をする力”と言えるものでもあります。
ただ、その発揮方法がCC第一・目の前の人第一になっておらず、
おかしな方向に探求しようとしている人がいるので、
そこはもうちょっと気を付けて、よく考えて欲しいな、というメッセージです。
今回のお手本ロールプレイでも、それ以外の過去の事例でもそうですが、
わたしの指導ロールプレイを見てみると、CCがCLに対して行った面談の中身を
確認するような問いかけを全然していないことはわかるかと思います。
たとえば、面談内容の説明をされているときに、
その時何を言ったのか?
その言葉を受けてCLはどんな反応をしたのか?
その反応に対してあなたはどう対応したのか?
のように、そこで何が起きたのかを明らかにしたり、思い起こさせようとして、
次々に質問をしていく方がいます。
そして、そのような関わり方をした理由を尋ねると、
ケース内容を自分がより詳しく理解するためだったり、
ケース内容をCCに思い出してもらうため、といった声が返ってくることがしばしばあります。
それに対して私が返しているのが、
で、CCはそれをされて嬉しいの?
ということです。
見ている視点が全然違うのがわかりますか?
起きたことを明らかにしようとする視点と、今CCがそれをされて嬉しいかどうかという視点。
どちらがCC2年生にとって安心できる・信頼できる考え方でしょうか。
この話題でわたし問題にしているのは、事例の内容がどんなものかではなく、
その前段階、CCが持ってきた事例は”仕事上の失敗”であるという事実です。
もう少し言えば、指導は自分の失敗を知らない人に説明するという構図になっている、ということです。
このときに、CCがどんな気持ちで事例を持ってきているでしょうか。
よほど性格が素直で清廉に生きている方であれば、
自分が今から受けようとしている指導に必要であれば、過去の失敗に触れられても、
改善のために頑張ろう!と思って答えてくれるでしょう。
では、みんながみんな、指導を受ける段階でそこまで腹をくくれているのか、というと…?
そんなことはないですよね。
それこそ、講座を受けに来ているみなさんだって、
過去に試験で失敗したり、仕事でつまずいたときに、
すぐに自分の失敗を振り返ることができるか?と言われればそうではないはずです。
失敗した側・上手くいかなかった側の心情を理解しようともしないで
その事例について次々質問されることが、相手にとってどれほど息苦しいかわかりますか?
上手くいかなかったケースを、勇気を持って開示しているのに、
それに対して根掘り葉掘り聞かれたのでは、相手からすればたまったものではありません。
できていない・失敗したという事実に対して、その傷をえぐる行為にもなるのです。
そこまでのことをやってもCCは受け止められる、という確証がどこにあって、
その「何やったの?攻撃」をしているのでしょうか?
指導に”来てくださった”相手への配慮はきちんとできていると言えますか?
ケースの中身を知りたいのはあなたであって、
CCはあなたにケースの説明をしたくて来ているのではありません。
わたしのロールプレイを見ていただいた方は気づいているかと思いますが、
話したいこと・話せることだけ話せばいいですからね。
それは本当に聴いても大丈夫なの?
など、話す側(CC側)のお気持ちへの配慮をすごくきめ細かくしていましたよね。
あれも、単にテクニックとしてそういうフレーズを覚えているのではなくて、
指導を受けに来るって、どれだけ勇気が要るんだろう?
自分の失敗を人前に晒すのって、怖いんじゃないかな?
など、あくまでも・どこまでも相手のお気持ちを考えた結果、自然と出てきているものです。
また、今回のロールプレイだと、CCが自分の問題点に自ら気づいたシーンがありましたよね。
あれもすぐに飛びついてはいけない、と注意したポイントでしたね。
注意が入る理由はいくつかありますが、そのうちの1つはここまで述べたことと共通です。
やっと自分の至らぬところを見れるようになった、気づいて口にすることができた、
その瞬間を大事にして、ゆっくり時間をかけて咀嚼していくことと、
問題点に気づいた瞬間にSVがぐいぐい引っ張っていくこと、
どちらがCCのためになっているのか?ということなんです。
だからわたしはあのシーンで、なかなか前に行かない、
むしろブレーキをかけるような関わり方も混ぜていましたよね。
午前中の準備編でもお話しましたが、
自分の関わりがどう映るのか、どんな効果になるのか。
1級を目指すなら、それをきめ細かく配慮できるようになりましょう。
では、ここからは、今回の講座にご参加いただいた方のアンケート内容をご紹介します。
今回はものすごくたくさんの方からの感想をいただいておりまして、
さらにその1つ1つがとても熱くて重厚なものでしたので、本当は全部ご紹介したいのですが…。
またどこかの機会で、あらためてご紹介したいと思いますので、ぜひ楽しみにしていてください。
1級 面接準備編・面接お手本編 参加者の声
初めての受講でしたが、先生の説明とテキスト(特にイラストや図)がとてもわかりやすかったです。
「相談者へのより良き支援と事例相談者のCCとしての成長を目的に」、「事例相談者に対する受容的・共感的な態度及び誠実な態度を維持しつつ」は、理解はしていたのですが、あらためて【お手本となるように、自己中心的、目の前の相談者を第一に】の講義にて、より理解が深まり自分の弱点が見えてきたような気がします。
「相手を修正することが指導であると勘違いしてはいないか、対立構造、3階建構造等」今まで捉えたことがなかった視点は、目からウロコでした。私自身多くの気づきを得た講習でしたので、今後も日程を調整し、受講したいと思います。今回は多くのご指導、誠にありがとうございました。
1級試験についての情報が少なく某会が出している対策本を購入して勉強し受験しました。
そこではシステマチックアプローチとコーヒーカップ理論がたびたび出てくるのでしたが、私にはあまり馴染みがなく、違和感をいただきつつ、試験においては無理無理にそこに持っていこう(つまり自己中心的)としておりました。
不合格は私の勉強不足でありますので、それを言い訳にはしませんが、今回八阪先生の講義を受講し、何かスッキリしました。変に枠に当てはめようとするのではなく、事例相談者にしっかりと寄り添いながら、お手本となることが、問題は握力、具体的展開力につながるのではないかと思いました。この2つの点数が悪いのも納得できました。
お手本、品質管理、付加価値等の気づきも得ることができましたので、これらを意識しながら受験するときには自然体で臨みたいと思います。ありがとうございました。
メモ魔の私は、サポーターの木上さんのメモと同程度の速さで記入している。これは2級の人の指導を始めたときからの癖というか、指導するとき困らないように始めたことである。
昨日も最初のロープレで、話していたことをかける範囲で書く。説明をされるときに書き漏れを足していく。例えば”CCのためになるようにやりたかったことあるんでしょ”という言葉を花丸で囲んで、”自分の思った通りにならなかった”と線で結んでみたり。”おかしいと思ったタイミング”で”自分が振り返る状態になっている”と線で結んでみたり。講師の振り返り(説明)が終わるとノートがいっぱいになる。
もちろん電球ピカのマークの箇所もメモ。経過時間もメモ。ああここが山場かと…。振り返りのメモがおくられてきたらまたそれに書き込んでいく。データで聞き返すときにも利用しながら聞いている。他者へのアドバイスもこれが役に立つ。
毎回違う対応に頭が下がるが、よく考えると同じ相談はないのが当たり前。こう考える私は、自分の思った通りに相談していることでがあるということに気づきながら、目の前の事例相談者にいかに集中していないかでもある。
本日はありがとうございました。八阪先生のロープレを見学してあらためて関係構築の大切さを思い知らされました。
どうしても事例相談者が自分のクセや足らなかった点に気づいた時点で「こういう練習をしましょう」「こうしましょう」など一方的な指導をしてしまっていました。それができないと具体的展開にならないと勘違いをしていました。
最後まで本人に寄り添うということはそうではなく、あくまで本人がなりたい姿に近づけ、さらに本人が想定する上をいってもらうように相談を進めることが求められているのだと感じました。
「相談者にプレゼントするのは「時間」だけ」という言葉が残りました。
これからの数か月、相談者に向き合うということを真剣に見つめなおしていこうと思います。
当日の講座の様子
アンケートにご協力をいただいたみなさま、ありがとうございます。
まだの方も、よろしければぜひご感想をお聞かせください。
初めてのハイブリッド開催を、ホームグラウンドではない東京で開催して、
本当にいろんなことが手探りの中ではありましたが、
受講されたみなさんの意欲と熱意、そして東京会場ではライブ講座ならではの
受講生同士の交流や意見交換もあって、汗をかいて準備をしたかいがあったなと思っています。
時折、笑いが入るようにしながらお話もしていたので、
楽しみにながら、大事なところはしっかり引き締める、そんな講座だったんだと
記事を読んでいる方にも伝わってくれれば嬉しいです。
また、ライブ講座・ハイブリッド講座もやろうと思っていますので、
ぜひみなさん楽しみにしていてください!
それでは、今回はこのあたりで。
また次の講座でお会いしましょう!
弊社の1級CC対策講座 特集ページのご案内
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