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10月14日(土)・15日(日)1級キャリアコンサルティング技能検定対策講座(面接事例読み解き編・面接実践編)の様子

10月14日(土)・15日(日)1級キャリアコンサルティング技能検定対策講座(面接事例読み解き編・面接実践編)の様子

執筆者 | 八阪 義浩

10/14(土)・15日(日)にzoomを用いたオンライン形式で
「1級キャリアコンサルティング技能検定対策講座」

~面接事例読み解き編・面接実践編~
を開催いたしました。

こんにちは。働く楽しさ研究所・八阪です。

この日は1級・2級と合わせて合計4本の講座を開催する、まさに「勉強の秋」な週末になりました。
個人的には、CCとしての学びに対しては、あまり”勉強”という言い方は使わないのですが、
それでも、せっかくの休日に来てくださったみなさんのお気持ちに沿えるよう、
「来てよかった」と思っていただけるように考えながらお話をさせてもらいました。

特に面接試験は実践の中でも一番難しいですし、
“やってみないと/会ってみないとわからない”という不確定要素が出がちな試験です。
今回の講座も、決してわたしの説明が正解や絶対的な回答ということではなくて、
学びや気付きの”1つ”として、指導の技量を高める”要素”です。

ただ、指導をするうえで、CCとしての成長を助けるということが
何を意味しているのか、どう考えないといけないのかは
講座の中で何度も繰り返しお話ししていますので、そこはぜひ持ち帰って欲しいです。

それでは、ここからは講座の要点をわたしと一緒に振り返っていきましょう。

当日ご参加いただいた方は復習に、参加できなかった方は新たな気付きのために、
指導レベル(1級)への到達・合格に向けた成長に
繋げていただければ嬉しいです。

「1級 面接事例読み解き編」の振り返り

事例相談者の問題点がわかった直後に、どこを見ていますか?
すぐに”どう指導しようか、どう伝えようか”と前のめりになっていませんか?

これは面接実践編のようなロールプレイをやる講座で
重点的にお伝えする内容だったりするのですが、今回の読み解き編は少人数だったこともあり、
個別の質問も時間を割いてお話できる機会があったので、触れさせていただきました。

どうしても”試験”という性格上、そして採点項目が分けられている以上、
多くの人がスコアが伸びない問題把握や具体的展開ばかりが気になってしまいがちです。
そして、その自分のスコアを上げようという意識が働けば働くほど、

どうすれば具体的展開ができるのか?

把握した問題をどうやって伝えれば良いのか?

指導を展開”させる”にはどうすればいいのか?

と、指導を前に進めることに気を取られて、CCを置き去りにしてしまいます。

この傾向が良くないということに気づいて、面接の読み解き段階、つまり準備や練習の段階から、
自分が前のめりになっていないかよく見直して、今のうちから改善しておいてほしいのです。

SV視点の問題点がもし見えてきたとしたら、その次にやることは
CCに”それを受け取ってもいい”と思ってもらえるような関係性を築くことです。

そもそも、SV側から見た問題点(≒CCが気づいていない、根本的なクセや傾向)を見つけた段階では、
CC本人はその問題点には気づいていませんし、その話をしようとも思っていません。
あくまでもSVが気づいたに過ぎないですよね。
事例の読み解き段階なら、まだ会ってもいないのですからなおさらです。

SVが知っているけどCCが知らない。
それでもCCはCC2年生なりに気づいたことや気にしていること、
つまりCC視点の問題点(≒指導における主訴)を持ってきて、それを扱って欲しいと思っています。

このあたりはA-1・面接準備編でもお話しましたが、
CCが扱って欲しい話題と、SVが扱いたい話題が別のものになっているときに、
CCの意見や考えを無視してSV視点をいくら話しても、ただ対立になるだけ
です。

試験の採点項目上では、基本的態度・関係構築・問題把握・具体的展開となっていますが、
それは決して基本的態度→関係構築→問題把握→具体的展開というような
一方的な流れを示しているわけではありません。

基本的態度はいつも・いつでも誠実さを保ち続けないといけないですし、
SV-CC間の信頼関係の構築も、あるタイミングや時間の経過によって
「やらなくていい」ような時が来るわけではないのです。

問題把握ができたから次は具体的展開だ、と決めているのは誰ですか?
目の前のCCは、そんな流れ作業のような指導を求めているのでしょうか?

問題点がわかったからこそ、その問題点に立ち向かうのにどれほどの勇気が要るかを考える。
自分の苦手な点や至らぬところを他人から言われたときの”心の痛さ”に思いを馳せる。
それがSVからCCに対しての寄り添いであり、そこが徹底できて初めて、
失敗した事例を持ってきたCCであっても、前向きに自分の課題に向き合おうという
意欲や勇気が湧いてくるようになるのです。

自分が問題点を見つけることに躍起になり、
それをどう伝えるかばかり気にしているその様子を、CCが知ったらどう思うでしょう?

指摘される、否定される、けなされる。
この人は今、その準備をしているんだ…

こんな風に、CCにますます不安をもたらし、自信を喪失させてしまいます。
でも、前のめりになって展開ばかり考えている人は、
CCをマイナスの方向に落としていくようなことを、頭の中で考えてしまっているのです。

それ、やめましょうね。指導はCCのより良い成長のために行なう。
事例を読んでいるときから、この原点を忘れないようにしてください。

「1級 面接実践編」の振り返り

話の内容を記憶することが指導力ではありません。
エピソードを全部追うのでなく、何を伝えようとしているかを”見通して”ください。

今回のロールプレイでは、CC側がすごくたくさんの説明をする事例がありましたね。
本番の試験でも、あるいは実際の指導の現場でも、あのような事例は時折あります。

そして、CCからたくさんの話をされたり、自分にはわからないような難しい話をされると、
それだけであたふたしてしまう方や聴くことに必死になってしまう人がいます。

でも、CC自身も事例の面談で起きたことをすべて覚えているわけでも、
そしてすべて記録しているわけでもないですよね。
実際には言ってない・書いてないこともありますし、言いたくない・書きたくないこともあります。

そう考えると、CCが話したことを全部記憶しようとすることに、
果たしてどれほどの意味があるのでしょう?

仮にCCの話を全部理解した、記憶したとして、
それは本当にCCが行なった”面談の全部”なのでしょうか?

そう、よく考えて”当たり前”に当てはめてみるとわかりますが、
話したことを全部覚えたり全部なぞろうとすることに、それほどの意味はないのです。

気を付けて欲しいのは、決してCCの話がどうでもいいということではないです。
注目するポイントを変えてみてください、というお話
です。

例えば、SVがちょっと相槌を入れようと思っても、それも難しいくらい話をしてくるCCさん。
あるいは、どんなに丁寧に聴いても当たり障りのないことを言ったり、小出しにしか言わないCCさん。

内容ではなく、なぜそんなことをするのか?という点を見てみてください。
そこにCCなりのメッセージが込められているからです。

前者であれば、「自分がもっと話したい」という気持ちがあふれ出しているから、ですよね。
そんなあふれ出るほどの状態で指導を受けに来られたCCさんが、
上手くいかなかった事例に出会ってから今日まで、どんなことを考えて過ごしていたでしょう?

やっと私の話を聴いてくれる!

この人なら私の言うこともわかってくれる!

そんな期待感を持って来られたんじゃないか、という想像はできますよね。
そして、この「自分が話したい」という欲求が高ければ高いほど、
SV側からみた問題点の話を聴こうという意欲も余裕も、持ちあわせていない
ということも想定できます。

そうすると、30分の指導面談はどんな展開になるか、
何を重視して進める必要があるかも、だんだん見通せてきます。
この考えができるようになると、指導面談の設計・展開の想定もしやすくなるのです。

もう一つの「当たり障りのないことしか言わない、小出しにするCCさん」の場合はどうでしょう?
これはぜひ、記事を読んでいるみなさんもご自分で考えてみてください。
わざわざ指導を受けに来ているのに、なぜそんな対応をするのか、
その対応をしてしまうに至る心理はどんなものなのか、CC視点で考えてみましょう。

指導者は記憶力や暗記力を問われているわけではありません。
それは話を覚えられない自分への不安や、
“できない指導者と思われそうだ”という見栄が生んでいる、勘違いにすぎないのです。

そんな自分の不安感情や勘違いに飲まれてしまうのではなく、
何事もCC視点(相手視点)で考えること。

試験に受かりたいから、という欲求が湧いてくるのはわかります。
指導者としてちゃんとしないといけないから、というのも責任感の一端だというのもわかります。
そういう気持ちが、指導面談にどんな影響をもたらしているか、振り返ってみてください。

それが健全な方向に働くことは…あまり期待できないですよね。
指導はあくまでもCCのためにやるものです。

話の内容を覚えようと必死になることよりも、
こんな話を今日まで抱えてきたCCはどういう状態だろうか?と
CC視点を考えてみることから、ぜひ始めてください。

それでは、ここからは今回の講座に参加された方の声をご紹介します。

毎回「アンケートはしっかり書きましょう、それも訓練です」とお伝えしているので、
今回もすごく熱くて濃いメッセージをたくさんいただいています。

アウトプットの練習として、自分の考えをまとめる訓練として、
このアンケートの場も上手に活用してくださっていますね。
ぜひこの姿勢を継続をして、何事からでも学ぶ・何事も活かす姿勢を大事にしていきましょう。

そして、今回参加されていない方は、
1級チャレンジャーがどれだけの意識・意欲で試験に臨んでいるのか、
その熱意を受け止めてもらえると嬉しいです。

1級 面接事例読み解き編・面接実践編 参加者の声

CCにいきなりNG(指導テーマ)を突き付けない、出来ていることを探す、ということは意識して読むようにしていましたが、その前提にある「どうしたら指導内容を受け取ってもらえるかを考える」ということについて、じっくりと理解できる講座でした。

CCに指導テーマを受け取ってもらえるような関係構築が築けているか、慎重に感じ取りながらボールを投げることが大切だと学びました。
また、投げるタイミングをかなりゆっくりと待っていたところも印象的でした。CCのできていたところを先に確認したり労ったりしたあとに、反応を見ながらCCが自ら気付くような問いかけをしていき、徐々にNG項目(指導テーマ)に向き合う段階へ軟着陸させるような流れを感じました。

「CLの足りていないことを指摘して直させるのはCCの仕事ではない」という根本的な部分から見直すようなケースにおいても、面談時間内の着陸が難しいということを念頭に置いた上で、決して急がず、「マイナスの証拠」を握ってしまっているのだということを、丁寧にお話を聞きながらCCとSVとが一緒になって解析していくような方向性を示しておられました。
このような複雑な経過を俯瞰するためには、ロールプレイ開始時から常に2次元(実際は3次元)でイメージすることが必要になるなと、ものすごく感じました。

1級試験で扱われるケースはいずれも私も陥りがちな内容で、八阪先生の読み解きをお聞きするたびに、普段の面談においてももっと丁寧に的確に感じ取る力を付けていきたいと気が引き締まりました。
(今回だけでなく、毎回引き締まっています。ウエストとかもついでに引き締まってくれると良いんですが…笑)

感じたのは、まだ自分が2級の感覚が抜けていないということです。
1級の事例は、CLとCCの両方の概要がロープレのケースとして記述されていますが、どうしてもCLの方に思いを馳せてしまい、目の前にいる「相談者」がCCの方であるということが、何度も抜け落ちる感覚がありました。

目の前のCCを見ず、CLの方に思いを寄せるということは、目の前の相談者を大切にしていないということであり、SVの立場としては、CCこそが心を寄せるべき目の前の相談者であることは理屈では分かっているのですが、まだ感覚的に腹に落ちていない違和感があります。
SVとしてCCに心を寄せられないことは、CLに心を寄せられていないCCと全く同じことをしているわけですが……。

準備編で先生が、SVがCCに心を寄せることで、CCのお手本になる、口先だけではない、心を寄せることの大切さを実際に感じてもらうということをおっしゃっていて、準備編ではその通りだと深く納得していたのですが、実際に事例に触れると、CCに対する否定的な気持ちが湧いてきて、本当に難しいことだなと感じました。

「だってあなた、CCでしょ」というレッテルを貼らず、ただただ、自分のした仕事が上手くいかなくて悩んでいる方だと、CLに接するのと本質的には何も変わらないのだと、自分の中で落とし込んでいく作業が、まずは1級を学び始める、大事な最初の第1歩だと、思いました。
「だってあなた、CCでしょ」というレッテル貼りは、なんだか、今後も反射的にひょっこり現れるのではという恐怖もありますが、徐々に意識を変えていきたいと思います。

今後も、前向きにCCが取り組んだことを承認し、肯定的にとらえることができるようになれるよう、精進していきたいと考えています。

翌週にロープレを申し込んでいたので、今回は見学をと思っていたのですが、運良くロープレの機会をいただけたので、チャレンジさせていただきました。

面接準備編で教えていただいた通り、目の前の事例相談者が何をやりたかったか?を考えて、できるだけわかりやすい言葉を使って話すことを心がけました(いつもは、面談を構造化して15分目で要約を入れる、20分目もでに目標共有するなど意識したり、システマティックアプローチやキャリア理論からレッスンをしようとがんじがらめになっていました)。その結果、事例相談者の自然な言葉から振り返りすることができて、面談の楽しさを少し思い出すことができました。
またチャットでの振り返りがリアルタイムでできたことも、気づきにつながりました。面談の後半で話がそれていることには自分で全然気づけませんでした。

課題が多く、成長は少ないですが、的確にやるべき事を教えていただいたので、もう一度復習して、来週も頑張りたいと思います。

お二人のロープレを拝見させていただきありがとうございました。
八阪講師の、面談全体を俯瞰してみる視点がとても参考になり、自分がロープレをしているときには、とても気づけない視点がたくさんありました。受容と承認の違いも気になりながら拝見していました。事例相談者さんのやったことの意図を確認し受容する、これが事例相談者さんの思考の枠組みを理解することに繋がることも理解できました。ただ、理解することとできることとは別ですよね。努力が必要だと思いました。

ありがとうございました。面接実技がどのようなものか知りたく見学させていただきましたが、大変参考になりました。
見学者の立場で拝見するとSV・CCの問題点を俯瞰して見る事ができますが、実際に自分がSV役をするとなると焦って自分のペースに持ち込もうとするか、または問題把握と具体的展開が全く見えなくなり、その焦りのあまり関係構築にも気が回らなくなり…というループに嵌ってしまう事が容易に想像できます。
まずは日々の業務での部下とのかかわり方から意識して、ついついしてしまう「身勝手な発想」による面談ではなく「問題の本質」にアプローチできるような関わりをしていきたいと深く反省しました。また参加させていただきます。ありがとうございました。

当日の講座の様子

アンケートにご協力をいただいたみなさま、ありがとうございます。
まだの方も、よろしければぜひご感想をお聞かせください。

今回も本当にみなさんが熱心に・前向きに学んでくださる方がたくさんいて、
わたしから見ても、頼もしく感じるシーンが何度もありました。
みなさん、受かりたい気持ちももちろんありますから熱心ですし、
それ以上に他の参加者の方に対して、特にみんなの前でロールプレイをした方に対して
すごく敬意を払っていらっしゃるのが伝わってきました。

アンケートのお声を読んでいても、みなさんご自分なりに学べるところ・気づいたところを
上手にピックアップしておられますよね。良し悪しではなくて、学び・成長にどう生かすか。
今は「自分に対して」それを発揮しておられますが、
面接試験や、合格後の個別指導では、それを目の前の事例相談者に対して発揮できるか。
その時に今の謙虚で誠実な姿勢を持ち続けられるか。

今やっていることが後々に活きてくるんだと信じて、
ぜひこの秋冬の学びを深めていきましょうね。

それでは、今回はこのあたりで。
また次の講座でお会いしましょう!

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まだ迷っている方や、他社と比較したい方も、ぜひ一度このページをご覧くださいませ。

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