10月26日(木)に、ZOOMを用いたweb形式にて、
「国家資格キャリアコンサルタント更新講習」
~洞察力を高めて相談者の本音に気づける環境理解のしかた~
を開催いたしました。
こんにちは。働く楽しさ研究所の八阪です。
今月の夜間開催はおよそ3か月ぶりのテーマとなる”洞察力と環境”の講習でした。
弊社で一番最初に創った講習で、いろんな仕掛けも用意したり、
何とか関心を持ってもらおうと名前を変えてみたり、
あれこれ手をかけた分、すごく思い入れのある講習です。
久々ではありましたが、驚きや気付きのたくさんある内容でしたので、
この日に参加してくださった方も、それを味わってくださったかなと思っています。
表面的に理解するのではなく、広く・深くCL理解をすること。
そしてそれが、CL理解の”スタート地点”であること。
相談業務の難しさと面白さのどちらも感じてくださっていたなら、
わたしとしてもお話しした甲斐があったかなと思います。
また、当日は体調がすぐれず、声がかすれていたり咳が多かったりと、
お聞き苦しいシーンがありましたことをお詫びいたします。
さて、それでは、ここからは講座の内容から特に大事な点をピックアップして
あらためて記事にしていますので、参加された方は復習に、
まだ参加されていない方は今後の検討材料に、ぜひご活用いただければ幸いです。
「洞察力と環境」の講習の振り返り
周囲との関係性を考えるときに、すぐにその周囲の人に相談することを勧めないこと。
それよりも、CLにとって・CLから見てどういう存在なのかよくよく吟味して。
今回は座学でもディスカッションでも、CLの周りにいる人たちをどう捉え・どう生かすか、
これが大きなヒントになる講習になりましたね。
まずは座学のパートでお伝えした2点を整理してみましょう。
最初にお話したことは、何もかもCCが一人で解決しようとするのではなくて、
CLの周りにいる人たちで、CLを助けてくれる人がいれば力を借りましょう、という話でした。
その人にも助けてもらいながら支援を進めることで、
CCが”全部自分がやらなきゃ!”と気負い過ぎることが無くなる、というメリットもお伝えしました。
このお話はおそらく、参加されたみなさんも、記事を読んでくださっている方も、
すんなりと理解できるかと思います。
でも、難しいのはここからでしたね。
CLの周囲にいる人、例えば家族、上司、同僚、友人など…それらの存在がわかったときに、
その人にお話できそうですか?
その人に相談することを次の行動にしてみませんか?
こんなふうに”すぐにその周囲の人たちについて触れる・活用する”という方向に行くと
実は不具合が起きることが往々にしてあるのです。
CCから見て、CLの周囲にいろんな人たち(リソース)がいたとしても、
CLがその人をどう見ているかまで考えて汲み取らないと、軽々に提案はできないです。
その典型的な例として挙げたのが、講座のパートでの事例でした。
同居している親との関係性について、毎日会ってるし、就職の話もしているけれども、
果たしてCLからみて本当にその親は、いい方向に進むような支援やサポートをしてくれていたでしょうか?
まったく真逆の、CLにとって阻害要因になっているパターンでしたよね。
そこの部分を知らないままに、単に親と同居しているから、身近な大人だから、
普段から就職の話をしているんだからといって、もしそこで
親に相談してみた?
と軽く考えて問いかけてしまうと…もうCLはCCのことを信頼してくれなくなる。
それくらい、難しいケースだったのではないでしょうか。
CLと周囲との”関係性”をよくよく考えたうえで、理解したうえで周囲の資源の活用の話をしないと、
“いるんだから使えばいい”というような安直な考えでは事故になってしまうのです。
もうひとつ、グループディスカッションでの事例も同じようなパターンでしたね。
お子さんや親御さんの話は出ているのに、そしてどちらとも良好な関係性なのに、
なぜか旦那さんの話が聞こえてこないCLさんの事例でした。
一目見ただけでずいぶん不思議な話のように聞こえますし、
いったい旦那さんはどうしているんだろう?と気になってしまうのはわかります。
でも、それを気にしているのはCCであって、CLはその話をしたいわけじゃない。
だから話題に出てこないんだな、と考えることはできていたでしょうか?
この講習に限らず、そして更新講習に限らず、複数の講座でわたしがお話していることですが、
自分が聴きたいから聴く、というのはCL中心ではないですし、それなら素人でもできます。
プロとして支援するCCのレベルではないんですね。
自分が気になるから聴いてみようという理由で、
プライベートに土足で踏み込まれたら、CLはどう思うでしょうか?
CC云々の前に、人として失礼だという話になってしまいます。
自分が気になることが出てきたときこそ、注意深く考えること。
自分を観察する力・CLの言いたいことを汲み取る力があれば、興味本位の質問は出ないです。
気になったこと・目についたことが出てきたときこそ、
自分は前のめりになっていないか、それを聴いて失礼ではないのかをよくよく考えて、
自制して立ち止まることが大事です。
親とも子とも良好な関係性を築けている人が、旦那とだけ仲が悪いなんてことは本当にあり得るのか。
親や子に悪影響がないままでいられるなんてことは可能なのか。
そう考えると、今回の講座で出てきた「夫がいない」の意味は…?
CLに真実を全部語っていただく必要はないですが、
聴かなくても”かなりナーバスな話題”になることは想像に難くないですよね。
CLが見ている・普段触れているであろう景色をここまで汲み取ることができていたら、
“だったら、本当に旦那さんに関する質問して良いのだろうか?”と
もう一度吟味ができる余地が生まれ、CCにもCLにもゆとりが生まれます。
自分が気になる・聴きたいことという1点だけを見つめているCCとは
ずいぶんとCL理解の広がり・深まりが違うことがわかっていただけたのではないでしょうか。
相談者を取り巻く環境も、CC側が思うように面談を進めるために使うのではなく、
あくまでも・どこまでもCLのため・CL中心に考えたうえで活用するようにしてくださいね。
では、ここからは参加されたみなさまの感想・お声をご紹介します。
今回もたくさんのメッセージをいただきましたので、
一部だけになりますが、ぜひご覧ください。
参加された方の声
では、ここからは今回の講座にご参加いただいた方のアンケート内容をご紹介します。
今回もたくさんのお声・感想をいただいていますので、ぜひ楽しんで読んでください。
相談者を理解することってどんなことなのか、相談者を取り巻く環境まで含めて理解することが大切なんだという気づきがありました。CLが同じことを言ったとしても、関係が一つ変わっただけで、相談者の問題や訴えたいことがガラリと変わることも驚きでした。
そして、関係性といっても、太さや細さ、堅さ、健全さなどの質的な要素にも着目する必要があることも新たな発見です。最後に、関係性の中で、CLの問題は作り出されているという考え方も自分にとっては、新たな気づきです。最初にCLの問題があって、その解決を支援するために取り巻く環境を見るのではなく、CLの問題を生み出している要素として環境を見ていくという考え方は、当たり前のことかもしれませんが、私にとっては大きな気づきです。私は前者の考え方で考えることが多かったように思います。だから、CLの理解が浅かったのだなと反省です。本日もありがとうございました。
喉の調子が悪い中、ご対応頂き本当にありがとうございました。そのような状況にも関わらず、時間を超えてのご指導に感謝申し上げます。
そもそも、今回私が参加させて頂きました理由は、これまで、4回CC2級にチャレンジして参りましたが、結果としては必ずしも望ましいものではありませんでした。その結果の中から、私独特のクセ(習性)よく言えば特徴のようなものが起因しているのではないかと気づかせてもらいました。
そこで今回は、そのクセを修正するというよりは、そのクセに正面から受け止め、そのクセを認識した上で、よく言えば活かすことできないかと考え、その為には、今一度、原点に立って考えてみたいと思い立ちました。その原点とは、相談者との「関係構築」です。
今回は、相談者を取り巻く環境理解からのアプローチを学ばせてもらいました。以下の点です。
・環境図をイメージして、その相談者が実際どんな生活をしているのか想像してみる。
・その想像から相談者の言ったことではなく言わんとすることを汲み取る。
・その上で、なぜわざわざ相談にまで来て、伝えたかったわかったほしいことを考え汲み取る。
なんとなくできていたような気になっていましたが、できていなかったことを自覚させて頂きました。ありがとうございました。
相談者の周りにはどんな人がいるのかを考えずに面談をしていたので、これまでの面談が視野が狭い表面的な支援に留まっていたことに気付くことが出来ました。
相談者が普段、誰とどんな繋がりを持ちながら生活をしているかという関係性の視点を増やすことでCCが一人で抱え込まずにCC以外からのサポートが得られ、提案の選択肢が増えることを学ぶ事が出来ました。相談者が周りの人をどのように捉えていているかを吟味しながら聴くことが相談者との信頼関係を深め、より深い相談者理解に繋がることが理解できました。
関係性を吟味して聴くスキルはまだ私にとって難しいものですが、相談者により良い支援をするため非常に重要なスキルだと思います。相談者を理解しようとする努力と工夫を日々の実務で実践をしていきたいと思います。
当日の講座の様子
アンケートにご協力をいただいたみなさま、ありがとうございます。
まだの方も、よろしければぜひご感想をお聞かせください。
この日限りの事例を使ったディスカッションでは、
どのグループでも真剣に・前向きに考えてくださっていて、
1人1人の発言から「そういう見方もあるのか」「そこに着目するのか」と
気付きや驚きの表情をしているシーンが印象的でした。
写真ではうまく撮れていないのですが、笑顔のシーンもたくさんあって、
平日の夜間という参加するのも大変な時間に来てくださったのに
みなさんが明るく温かく講座の場を創ってくださったことで
良い講習になったのかなと思っています。
ご参加いただいたみなさん、ありがとうございます。
ぜひ、また次の講習でお会いしましょう!
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この記事をご覧になって、「参加してみたいな」と思った方はもちろん、
まだ迷っている方や、他社と比較したい方も、ぜひ一度このページをご覧くださいませ。
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みなさまのお越しを心からお待ちしております。
※7/11に一部講座の日程変更を発表しています。
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