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2級CC技能士の位置づけを見直してみた件
2022.06.04

2級CC技能士の位置づけを見直してみた件

執筆者 | 八阪 義浩

こんにちは。働く楽しさ研究所・代表の八阪です。

本日は、過去にお送りした弊社のメールニュース「LABO Letter」の中で記事にしていたお話を、
メールニュース読者以外の方にもご紹介しようとピックアップしてみました。

今回は、キャリアコンサルティング技能検定の2級試験が迫る中で、
ふと頭をよぎったことを文章にしてみました。
今まさに合格を目指して頑張っている方や、 すでに2級CC技能士である方も、
キャリアについて考えるヒントをお届けできたら嬉しいです。

先日、主に国家資格キャリアコンサルタントや標準レベルキャリアコンサルタントの方向けに、
技量向上のために2級に挑戦することは大事なことですよ、という主旨の資料を作成していた時のことです。

その時にふと思い立って、

「2級や熟練レベルって、どういう位置づけなんだろう?」

というのを調べてみました。

ずいぶんと古い資料なのですが、 2007年の厚生労働省の報道発表資料に
「キャリア・コンサルタント制度のあり方に関する検討会」の検討内容が記された
PDFデータがありましたので、 みなさんもぜひご覧ください。(PDFデータはこちら)

全部読むと非常に長いのですが、 わたし自身が目に留まったのは
9ページの「ハ 試験のあり方」の段落の「水準の設定」という項目にある文章です。
抜粋すると…

特に、2級は「検定職種ごとの中級の技能労働者」を意味し、当面の目標である
「一人前のキャリア・コンサルタント」を位置づけるに適当な水準であると考えられる。

…これはなかなか、重たい言葉ですよね。
この資料を見ると、2級に合格できて初めて一人前だということが、
15年も前のキャリアコンサルタント資格制度設計時から言われている、ということがわかります。

ただ、それ以上にわたし自身が気を引き締めたのが
「検定職種ごとの中級の技能労働者」を意味し、という部分です。

これはつまり、キャリアコンサルタントに先行して設計された、
ありとあらゆる国家技能検定においても、2級が中級であり、一人前である
ということになります。

キャリアコンサルタントと比較的似ている業種・資格であるとされている
ファイナンシャルプランナー(FP)もそうですし、昔からある機械加工や金型製作、酒造やパン製造、
今どきの検定ともいえるウェブデザインに至るまで、実に幅広い業種の技能検定において、
「あぁ、2級まで取って一人前/中級だよな」と認知されている、ということですね。

これは、たとえ目の前の相談者が、
「キャリアコンサルタントって、何それ?」 というくらいの理解度であったとしても、

キャリアコンサルタントのことは知らないけど、ウチの業種で言えば技能士2級で一人前だから、
このキャリアコンサルタントってやつも、2級の実力ってだいたいこれくらいだな。

とわかってしまうということです。

そうなると、2級キャリアコンサルティング技能士の手前の「入り口レベル」に位置付けられている
標準レベルキャリアコンサルタントや国家資格キャリアコンサルタントって一体…?

キャリアコンサルタントに自己研鑽や向上心がなぜ必要なのか、もうおわかりですよね。
そして、ただ単にみなさんに発破をかけるだけでなく、

わたし自身も、もっともっとみなさんがスキル・技量を上達させる機会を創っていかないと、
キャリアコンサルタントの社会的な地位は上がらない。

そんなことを感じた瞬間でした。
みなさんもぜひ、キャリア支援のプロとして、成長を続ける姿勢を大事にしていきましょうね。

 

さて、今回の記事はいかがだったでしょうか?
今回から始めた新しいコーナーですので、まだまだ手探りなところはありますが、
メールニュースのバックナンバーとして、弊社やわたし自身の考え・視点をお伝えする場として、
ぼちぼちと発信していけたら良いなと思っています。

よろしければ次回も、わたしのひとりごとお付き合いくださいませ。
それでは、また。