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伝えたいことを端的にまとめて書けるようになるには?
2023.01.28

伝えたいことを端的にまとめて書けるようになるには?

執筆者 | 八阪 義浩

今週の八阪さん ~1級CC技能士に聞いてみよう~

みなさん、こんにちは。働く楽しさ研究所・代表の八阪です。

ここでは、毎週配信している弊社のメールニュース・LABO Letter(ラボレタ―)の
読者アンケートで寄せられた「こんな話を聴いてみたい」というメッセージから、
毎回1つ、話題をピックアップしてみなさまにお届けしています。

今回は、2023年になってから特に力を入れてお伝えしている、
CCとしての普段のありかたにも関わるコラムです。
ぜひしっかりとご自身の学びにつなげていただけると嬉しいです。

Q:「自分の伝えたいことを端的にまとめて書けるようになるには、
   どんな技法やテクニックがありますか?」
   (大阪府・教育機関領域ほか)

A:物を書くという機会は山ほどあります。
  技法を探す前に、その”機会”を見逃していませんか?

今はまさに1級のCC技能検定試験の本番まっただ中ですので、
そこともつながる質問をピックアップしてみました。
もちろん、2級挑戦者の方や、技能検定は受けていないけど
相談業務に就いている方にも大切なメッセージです。

直近の弊社の講座に参加した人にとっては復習になるかもしれません。
ただ、繰り返しであっても、これは非常に大事なことだと思っていますので、
ぜひお付き合いください。

まず、文章を書く技法やテクニックそのものについては
わたし自身がその専門家ではなく、国語・日本語の世界になろうかと思います。

もし、文章を書くときの「型」を学びたいなら、
わたしよりもはるかに詳しく・明確にその「型」を説明できる方たちが
書籍等を販売しているでしょうから、それを本屋さんで探していただくのが一番です。

その前置きはあったとしても、わたしなりにCCへの指導を行なう者として、
お伝えしたいメッセージがあって、今回この質問を取り上げています。

そのメッセージというのが、冒頭で書いている、

技法を探す前に”機会”を見逃していないか?

ということです。

CCの世界で、文章を書くとなると一番身近なのは、おそらく相談記録の作成時ではないでしょうか。
ちなみに、それに次ぐ機会として考えられるのが、資格試験の論述問題を解く時ですね。

ただ、いわゆる”本番用の学習”として、
試験会場での当日にうまくこなすための方法だけを
探し回っている方がよくいらっしゃいます。

そんな方に、わたしがお伝えしているのが、
まさに先ほどお話しした”機会”という考え方です。
(あまり機会機会と連呼すると、特定の企業を連想する方がいるようですが…わたしは特に御縁はありません)

…少し話を戻して、
「文章の書き方」にこだわって方法論を一所懸命に探して回っている人に
わたしが常に問いかけているのは、

もっと身近に、毎日いくらでも、文章を書く練習になる”機会”はあるでしょ?

ということです。

さて、この記事を読んでいるみなさんは、
文章を書く身近な機会って、何か思いつきますか?

例えば、レストランで外食をしたときを想像してみてください。

店員さんからお客様アンケートの記入をお願いされたことは無いですか?
ファミレスなんかだと、初めから卓上に置いてあったりしますよね。

あのアンケートを”どこでもやってるただのお客様アンケート”と思って
何も書かずにそのまま放置しているのか、
“これも限られた枠内に自分の伝えたいことをまとめる練習になるはずだ”と
前向きに受け止めることができるのか。

ここには、小さなようで非常に大きな差があります。

  • 自分の言葉で文章を書く。
  • それを限られた枠内にまとめる。
  • 相手が喜ぶ・相手に伝わるメッセージを考える。

そんないろんなトレーニングができる絶好の学びの機会にも関わらず、
これを機会と捉えること自体ができていない…。
それでは、いつまで経っても伝える力も書く力も向上しないのは、当たり前です。

普段から練習や訓練を全然していない人が、
試合や発表の時だけうまくやろうとしても上手くできないのと同じことです。

何を学ぶか選んであれこれ迷っている暇があるなら、
どこからでも、何からでも学んでやる!」くらいの貪欲さを発揮して欲しい。

それがわたしの考え方です。

それに、CLとの面談場面で視野を広げたり、
思考の転換を促したりするのはCCの大切な役目の一つですよね。

それなのに、相談記録をうまく書くために
「CCという業務・役割の中での相談記録の書き方」という
狭い視野でものごとを見ていたり、
論述試験で上手に回答できるようになるために
「キャリア理論」や「論述の過去問題」ばかりを血眼になって追いかけたり…。

視野を広げたり思考転換を促す立場であるはずの、CC自身の視野が狭くなっている状態。

すごくすごく、矛盾していますよね。
その矛盾した姿をもしCLが見たらいったいどう思うでしょう?

人には視野を広げろと言っておきながら、
アンタこそ視野が狭いじゃないか!

そう言われかねません。
これでは、面談・指導にも全然説得力が生まれませんね。

自分の行為がどういう意味を持つのか、
そしてCLや事例相談者に対して自分が発するメッセージと矛盾していないか。

他者の人生を左右する場面に関わるCCなのですから、
試験のこと・目先のことばかり考えず、一歩引いた視点で、
冷静に自分のことを観察できるようになって欲しいです。

それでは、今日はこのあたりで。
ここまでお付き合いくださいまして、ありがとうございます。