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広く時事ネタに触れることに苦労しています。情報収集のポイントはありますか?
2023.06.15

広く時事ネタに触れることに苦労しています。情報収集のポイントはありますか?

執筆者 | 八阪 義浩

今週の八阪さん ~1級CC技能士に聞いてみよう~

みなさん、こんにちは。働く楽しさ研究所・代表の八阪です。

ここでは、毎週配信している弊社のメールニュース・LABO Letter(ラボレタ―)の
読者アンケートで寄せられた「こんな話を聴いてみたい」というメッセージから、
毎回1つ、話題をピックアップしてみなさまにお届けしています。

今回は相談業務に就いている方から、指導の際に困り事として
よく挙げられることを取り上げてみました。
みなさんも心当たりがないか、ご自分と照らし合わせながら読んでみてくださいね。

Q:これまで限られた領域・職場での勤務しか経験がなく、
 広く時事ネタに触れることに苦労しています。
 情報収集のポイントなども参考にさせていただきたいです!

(福井県・教育機関領域)

A:ちょっと落ち着いて考えましょう。
時事ネタを広く知っているから良い支援ができるわけではないんです。

今回は、わたしが長らく従事していた
学生支援の領域で活躍するCCさんからご質問をいただきました。

大学のキャリアセンターって、就活の時期になると
本当に毎日とんでもない数のCLが来たりします。
朝から晩までびっしり面談をして、夜にその相談記録を一気に書いて
それだけで一日が終了する、なんてこともあります。

そんな毎日を送っていると、情報をインプットする暇がなかなか無いですよね。
CCさんの中には自分が他のCCに比べて劣ってしまっているように感じたり、
あるいは自分が流行に乗り遅れた人のように感じてしまう方もいるようです。

この記事を読んでいるみなさんは、いかがでしょうか。
そんな風に感じることは、ありませんか?

そんな方達にわたしがお伝えしているのが冒頭のメッセージです。

正直に言えば、わたし個人としては
情報収集や時事ネタの仕入れを特に力を入れてやろうと思っていないです。

誰かが話してくれたり、ニュースやSNSでふと見かけたものを

へぇ~、なるほど。そうなんやね。

と受け止める程度です。

理由は非常にシンプルで、時事ネタに触れているかどうかで
良い支援ができるCCかどうかが決まるわけではないから
です。

なぜそう言えるの?と疑問に思う方もいるかもしれませんので、
そんな方のためにもう少し詳しくお話をしてみますね。
わたしは何でも身近な例に例えるのが好きなので、今回は料理で考えてみたいと思います。

わたしにとって、時事ネタや最新情報と言われるものは
「賞味期限がすごく短い食材」くらいの認識です。
あっという間に陳腐化して使えなくなるところなんか、そっくりですよね。

それに、すぐに新しいカタカナ語が登場して

今は○○が流行りだから!

これからは○○の時代だから!

なんて煽り文句付きで紹介されるところも、似ているように感じます。

じゃあ、その賞味期限がすごく近い食材が今冷蔵庫にあるかどうかで、
美味しい料理が作れるかどうかが本当に決まるのでしょうか?

・・・そんなわけないですよね(笑)

美味しい料理を作るために、本当に必要なこと・一番大事なことは
あくまでもそれを扱う人、つまり料理人の腕(技量)です。

これって、CCと同じではないですか?
情報を持っているかどうかではなく、きちんとした支援ができる技量があること。
その原点に、もう一度立ち返って欲しいです。

もちろん、わざわざ自分から耳をふさいで情報を閉ざしたり、遠ざける必要はないですよ。
日常の中で自然に入ってくる情報やニュースは、
自分にできる範囲で取り入れればいいと思います。

新しいものを追いかけることを勝手に自分への義務にしてしまったり、
自分が知らないことを知ることを目的にしないで欲しい

ということです。

自分に知らないことがあったり、情報を入れる時間がないことを
過度に不安がったりしなくても大丈夫です。
あくまでも「自分にできる範囲」で十分です。

目の前のCLにとって何が大事で・何をして欲しいのか。
それをどれくらい敏感に感じ取れるのか。そして言語化してCLにお伝えできるのか。
わたし個人としては、やっぱり支援者としての基本こそ大事にして欲しいなと思っています。

最初にいただいた質問に対して、期待した回答とはちょっと違うかもしれませんが、
時事ネタを広く集めるということに対する
“わたしからのメッセージ”として受け止めてくださると嬉しいです。

それでは、今日はこのあたりで。
ここまでお付き合いくださいまして、ありがとうございます。