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7月18日(月・祝)国家資格キャリアコンサルタント更新講習(相談記録の書き方・事例検討の進め方)の様子

7月18日(月・祝)国家資格キャリアコンサルタント更新講習(相談記録の書き方・事例検討の進め方)の様子

執筆者 | 木上 和裕

7/18(月・祝)に、ZOOMを用いたweb形式にて、
「国家資格キャリアコンサルタント更新講習」
シンプルで効果的な相談記録の書き方トレーニング

事例検討の効果的な進め方と倫理綱領の上手な活用法を学ぶ
を開催いたしました。

お疲れ様でございます。サポーターの木上(きがみ)です。
今回の講座は『相談記録』『事例検討』と、CCの実務に密着した内容でした。
どちらのテーマも八阪講師が一人のCC、そして管理職として勤めていたころに
ぶつかった壁を打破するため、業務改善に効果を発揮した手法です。

そして講座で触れたエピソードに『あるある』と頷いていた方が沢山おられました。
共通点が多いということは、原理原則として活かせるところがあったんだと思います。
職域や環境によって多少の違いはあるかもしれませんが、是非ご自身のお仕事に応用してみてください。

さて、ここからは講習の要点の振り返りになる点を、この記事でお届けしていきます。
午後の『事例検討の進め方』に私はご一緒しておりませんが、講師から要点のメモを受け取っています。
当日ご参加いただいた方は復習に、ご検討中の方は講座の参考のためにぜひお読みください。

「相談記録の書き方」の講習の振り返り

講師曰く『相談記録を作成することで語彙力を磨く訓練になります』

続けて、自分の苦手や弱点を可視化することもできると解説しています。

全ての職業に言えることですが、仕事の質とはアウトプットの質で判断されます。
頭でわかっていても形に出来なければ成果とは言えない、ということです。
キャリアコンサルティングで例えるなら、技法や論理の知識が豊富だったとしても
実際の相談でCLに納得してもらえなければ意味を成さないということです。

そして、私たちCCはCLに納得してもらえるように日々の自己研鑽に励んでいます。
その一つとして相談記録を書くことも立派な自己研鑽になるという講座内容でした。

相談記録は基本的に一人で書くものですので、じっくりと訓練できるメリットがあります。
また、数多くの相談記録を書いていると、自分の弱点や傾向に気が付くこともできます。

  • 特定の業界の話題になると答えに困る、もしくは主導権を握ってしまう
  • 「障がい」など特定のキーワードが出ると同情的になってしまう
  • CLのこだわりが強いと対決したり、説得しようとする傾向がある

など、CCが自らを見つめ直す手がかりになるのが相談記録です。

このように、記録を書きながら「あ…やっちゃったな」と反省することや
「このCLは何を伝えようとしていたんだろう?」と落ち着いて考えることができます。

今まで作業的に記録していた方は、今日からは自己研鑽の一環として取り組んではいかがでしょうか?
CCとしての技量向上・レベルアップに繋がる、良い学びが得られる機会になると思います。

また、もう一つの課題として、相談に時間をかけすぎて記録を書く余裕がない人もいます。
それは八阪講師と私なんですが…でも、そんな弱点を補うための工夫もしています。

 【YouTube】働く楽しさ研究所・1級キャリコン八阪センセの相談室
 『相談中にメモって取ってる?そのメモはどう活用しているの?』

 https://www.youtube.com/watch?v=ZSJYmMW2gqk

こちらの動画も相談記録について触れていますので、ぜひご覧ください。

講師曰く『数字で示せないからこそ大事なことはCLとCCの関係性です。』

講座では、他業種における「記録の意味・目的」についてもお話がありましたね。
例えば医療なら、患者が無理なダイエットをして体調に異変が出てくると
患者本人がその検査結果を見て、このままでは危ないと理解できます。
本当に正しく理解できるかどうかはさておき、少なくとも理解するための客観的な情報は「数字として」得られます。

この「数字によって明確な材料が得られる」ことが重要なポイントです。

一方で、わたしたちCCが扱う感情、気持ち、考え方などは数値化ができないため
例えばCLの思い込みに問題の原因があったとしても、それは明確な材料になり得ない。
そのため、問題点を提示してもCLが受け止めることが難しいのです。

場合によっては「そんな事あなたに言われたくない!」と拒否されるかもしれません。

そこで、キャリアコンサルティングを進めるうえで大切なこととして

  • CCが伝えることを真っすぐに受け取り、吟味してもらえる状態になること
  • CLが思いのままを伝えてくれる存在となること

このように、ブレがない関わりを行なえる関係構築が必要となります。

また、関係構築は一度の面談でできるとは限りませんので
複数の面談をまたいでも大丈夫なように『関係構築のために行ったことの記録』が役に立ちます。

講座で解説していたように、いわゆる”地雷”を踏まないための注意点はもちろんですが
CLが喜んで話してくれる、CLが聴いてほしそうにしていることの記録も効果的です。

関係構築のために何に配慮したのかをしっかりと記録しておくことが
CLの役に立つための方法として、遠回りのようで実は近道だったりする、ということでした。

「事例検討の進め方」の講習の振り返り

講師曰く『より良いCCとして成長・改善していくためには「品質管理」が必須です。』

また、それに続けて

自分のアウトプットに責任を持てない/品質の担保ができないのは、プロではないです。
製造業は、たとえ1本100円のボールペンでも品質管理していますよ。

ともコメントしています。

では、CCにとっての品質とは、具体的に何を指すのでしょうか?
言葉や気持ち、姿勢などの無形物を取り扱うので、捉えどころがないように思えます。
私からは、CCの品質を定義するヒントとして『CC技能検定の評価基準』をご紹介します。

  • 学科試験なら『知識』
  • 実技試験では『基本的態度・関係構築力・問題把握力・具体的展開力』

そして、事例検討を進めていく際にも振り返ってみてください。

「基本的態度に問題はなかったかな?」

「問題を把握できていないまま面談を進めちゃったかな?」

と、ポイントごとに改善点を見つけて、次に活かすことができるようになります。

改善点(何がどう至らなかったか)を明確にして、CCとしての品質を管理する。
曖昧なものを曖昧なままにせず、まずは今回挙げた評価基準に照らし合わせてみて
今後の自己研鑽の目標を立ててみてはいかがでしょうか?

講師曰く『事例検討は、全員がフラットに・公平に参加できてこそ価値があります。』

事例検討の場では声の大きな人や、経験の長さが説得力を増すという現象が起こりがちです。
その一方で、自信が無くて発言できない新人さんは陰に隠れてしまいます。

例えば、影響力があるベテランのAさんが事例検討の場で”大活躍”してしまうと
それは、Aさんのコピーを作るための事例検討になってしまいます。

Aさんが全てにおいて正しいのなら、見習うべきお手本になるでしょうけど
長年の歳月を経て研究された、様々な学者が提唱する”〇〇理論”でさえ
十人十色のCLが訪れる現場では、決して万能ではないですよね。(そう思うのは私だけでしょうか?)

そんな中、職場にいるAさんの意見だけに偏った事例検討を重ねると
『Aさんの考え方に沿った対応だけが正しいと認めるCCの集団』を作る原因となります。
平たく言うと…支援の幅も視野もすごく狭い集団になりますよ!ということですね。

ベテランも新人も、それぞれの視点で参加できる事例検討の場があって、
そして全員の視点が等しく尊重されることで、初めて多様な視点が生まれるのです。

また、参加している各個人の意識は大切なのですが、それでも意見が偏ってしまうなら
ルールを設定して、更に脱線を防ぐためのファシリテーターも配置するのはどうでしょう?
全員参加の事例検討ができるように、ぜひ考えてみてください。

受講された方の声

では、ここからは今回の講座にご参加いただいた方のアンケート内容をご紹介します。

これまでの面談業務の際に、倫理綱領をしっかり活用しながら進めるという意識はほとんどありませんでした。しかし、改めて学んでみるとキャリアコンサルタントが押さえておくべきポイントが網羅されていて、かつ、思っていたよりも活用しやすいものであるということが再認識できました。

オンライン講習でしたが、いい意味できっちりしすぎず、オンラインであるという特性のメリットを活かし、デメリットも最小になるように配慮された講習だったと感じました。
また、受けておしまい(=わかった気になる、漠然としたやる気だけがアップする)になりがちな講習ではなく、いかに自分事に落とし込んで考えられるかまでが大切にされているので、受講後が勝負だと感じます。フィードバックがいただけるということで、楽しみにしております。

初めて面談記録の書き方を知り、自分のメモではないという言葉に”はっ”とさせられました。
CLが横で面談記録を見られても開示できるような、納得してもらえるような内容であるかという言葉に、面談記録の在り方を教えて頂きました。

適切な相談記録を書くことによって、自分の面談を構造的に把握することができ、大変驚きました。クライアントと対面しているときにはわからなかった自分の意図や考えなどを自分で理解できて、面談をどのように次につなげていけるのかも見えてきました。相談業務をはじめて半年、手探りで進んできましたが、適切な相談記録を書くことで、自分の面談に関してPDCAサイクルを回し自己成長につなげられると実感しました。大変嬉しいです。
また、事例検討の例題、八阪先生の状況把握の精度に驚きました。自分も五感全てを使ってクライアントを理解したいと思いました。ありがとうございました。

これまで相談記録は相談員側のメモ代わり(見返す役割)として使用されてきましたが、今年4月から学内に新システムが導入され、相談記録を教職員が共有することが可能となりました。
部署内で共有を前提とした記録の取り方が話題となったことをきっかけに、同僚と一緒に受講させていただきました。部署内では基本一人の相談員が一人の学生を受け持つスタイルですが、最近では複数の相談員が一人の学生を一緒に支援するケースも増えてきています。
今回のSOAPの方法を私から少しずつ実践し、できる限り現場に落とし込んでいけたらと思います。 ありがとうございました。

当日の講座の様子

アンケートにご協力をいただいたみなさま、ありがとうございます。
まだの方も、よろしければぜひご感想をお聞かせください。

なお、午前の講座の終盤で私(木上)から他の講座などについてアナウンスいたしましたが
一つお伝えし忘れていたことがありました。
それは『1級・2級CC技能検定 合格者座談会』についての告知です。

本講座を受講された方の中に、
次の冬シーズンの1級・2級CC技能検定を受検される方がおられましたら
ぜひ座談会にご参加いただきたいと思います。

詳しい内容や日程については、以下のリンクをご参照ください。

それでは、また次の講座でお会いしましょう!ありがとうございました!

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