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8月25日(木)国家資格キャリアコンサルタント更新講習(洞察力と環境理解)の様子

8月25日(木)国家資格キャリアコンサルタント更新講習(洞察力と環境理解)の様子

執筆者 | 八阪 義浩

8/25(木)に、ZOOMを用いたweb形式にて、
「国家資格キャリアコンサルタント更新講習」

~洞察力を高めて相談者の本音に気づける環境理解のしかた~
を開催いたしました。

こんにちは。働く楽しさ研究所・八阪です。
この日はちょっと早いのですが、8月最後の更新講習となりました。

8月はお盆休みを挟むこともあり、なかなか日程を組むときには悩むのですが、
平日夜間開催は毎月1コマは実現したいと思っていましたので、
こうして実現できてホッとしています。
あらためまして、参加してくださったみなさま、ありがとうございます。

そして、今回お届けした講習は、名称を変更してから初めての開催であり、
また今年度初開催でもある「相談者を取り巻く環境」と「洞察力」をキーワードにした講習でした。

講習に参加したみなさんは、相談者理解の奥深さ、面談のレベルを上げるポイントを
たくさん掴んでくださったと思いますので、
ぜひその学んだ時のHotさを大事にしてくださいね。

それでは、ここからは各講習のポイントを振り返ってみましょう。
講習の中で大事なことは伝えていますが、すごく盛りだくさんでしたので、
この記事では一部をピックアップする形で紹介しています。
当日ご参加いただいた方は復習に、参加をご検討中の方はお申込みへのきっかけに、
この記事を活用してくださると嬉しいです。

洞察力と環境」の講習の振り返り

CLの発言だけを拾っていても、CL理解はできません
CL理解とは「CLの言ったこと理解」ではないのです。

今回の講習で一番強調していたポイントはここでしたね。
発言内容(相談内容)は全く同じなのに、周囲との関係性や
CLを取り巻く環境が異なると、CLの訴えていることがガラッと変わる。
そんな体験もしていただきました。

わたし自身は、いつも講習や個別指導の中で
「言ったことを拾うのではなく、言わんとしていることを汲み取る」
というキーワードでお話をさせてもらっています。

言ったことを拾って話を進めていくのは、誰でもできます。
でも、そもそもCLは自分の相談したいこと・困っていることを
本当に正確に言語にしているでしょうか。
この記事を読んでいるみなさんも、

「悩んでいるけど、うまく表現できない」

「あれもこれもありすぎて、混乱している」

「こんなことを言ったら怒られる/嫌われるかもしれない」

などの理由で、相談したいことや伝えたいことを
うまく言語にできなかったことって、一度くらいはあるはずですよね。

では、なぜCLのお話を聴いているときに、
「CLもそうかもしれないな」という前提を持たずに、
CLの言ったことだけ拾って面談を組み立てようとするのでしょう?

時折耳にするのは
「CLが話した言葉だけを使って返すのが相談だから、そう習ったんです」
という話ですが…上に書いたお話を振り返ってもらうと、
ずいぶんおかしなことを習ったもんだ、と気付いていただけるはずです。

もう少し踏み込んでいくと、
「CLは話しても大丈夫だと思った範囲のことしか話してくれない」
という現実も押さえる必要がありますね。

特にプライベートなことだったり、ナーバスな悩みになると、
そんなに簡単には他者(CCも含む)には明かしたりはしません。
今回のディスカッションでは、家庭環境が複雑ではないかな?と思われるような
事例で話し合いをしていただきましたが、
家庭内の話を会ったばかりの他者に土足で踏み込まれて、いい気分のする人はいないですよね。

プライベートなことではなくても、例えば職場で上司と揉めている話、
仕事でつまずいてしまった話、学校で友達とのコミュニケーションがうまくできない話…
CCにとっては「聞きたい・話して欲しい」ことであったとしても、
それを話すかどうかを決めるのはCLなのです。

話してもらえないから聞くのではなく、
話してもらえないのは自分がまだ信頼関係をきちんと築いていないからだ、
関係構築が浅いままだからだ、と自分への反省や振り返りにつなげられる。

そういう考え方が自然にできるCCになって欲しいな、
そういうCCが1人でも増えて欲しいなと思っています。

それからもう一つ。

何事も「CLにとってどうなのか?」というCL視点で見ることが大事です。

これは最初に学生のCLの実例をピックアップした時にお話したことです。
また、最後のディスカッションでも、途中でちょっとわたしが介入しましたね。
講習に来てくださった方にとっては、ディスカッションのシーンの方がわかりやすいでしょうか。

平社員から係長に昇格するという話の場面。
その昇格がどれほどのものなのか?というディスカッションをしていた時を思い出してください。
きちんとCL視点で見ることができていたでしょうか?

CLを理解するということは、起きた事象が事実か否かを判断するものではないですし、
その事実をCCが評価するものでもありません。
CLから見てどうなのか、CLにとってどのような意味を持つのか。
それを考え抜くことこそがCL理解
です。

相手の視点でものを見る・相手の立場に立って考える。

言葉だけ聴くと、キャリアコンサルティングというよりは、
なんだか道徳のようなお話に聞こえるかもしれません。
それを「小学校の道徳の授業で習ったなぁ」で止めてしまうのではなく、
わたしたちCCは支援のプロとして、その実践まで求められているということです。

CLが見ているように見て、
CLが聞いているように聞いて、
CLが経験しているかのように感じる。

それを、書籍や資料に書いてある言葉としてただ知っているというだけでなく、
「じゃあ、実際にやってみてください」と言われたのが、
今回の事例を用いたディスカッションです。

例えば、どの選択肢を選んでも何かマイナスがあるとした場合、
「選べないのに、選ばなきゃいけない葛藤」って、どうやって受け止めますか?
そしてCLは、どう受け止めて欲しいでしょうか?

CLが何をして欲しいのか、受けとめて欲しいのはどこの部分なのか、
そしてどのように受け止めて欲しいのか…。

今回の講習に来てくださったみなさんには、
それをとことん突き詰めて考え抜くことができる、
CL理解をサボらずに取り組めるCCになって欲しいなと思っています。

参加された方の声

では、ここからは今回の講座にご参加いただいた方のアンケート内容をご紹介します。

言い訳なのですが、私は実務経験で国家資格を受験したので、ほぼテキスト上での独学のみで受験したようなものです。実務経験とは言っても、誰かに評価や指導をしてもらったことはほとんどないため、何かあればアドバイスを求めたりはしていますが、毎日探り探りでの実務です。そのため、何のためのキャリコンなのか理解してなかったんだと、更新講習を受講するたびに気付かされ、衝撃を受けています。自分自身に間違いやおごりがあり恥ずかしいのですが、気づくきっかけになり本当にありがたいです。そしてすぐに使える方法なのがとても助かります。更新そのものは大変で面倒なことではありますが、だからこそ自分自身がパワーアップでき、それがCLのためになるので、とてもいい制度だと感じさせる意義ある講習でした。

エコマップはよく使って、CLを取り巻く人との関係性を理解することに利用していた。また、支援を受けるためのものにもなることで終わっていた。講師が、相談者が言ったことだけでなく、”言わんとしていること”にも理解できる・共感できると言われ、頭では分かるがどうするの?と、この考え方がわからず、夕べからず~っと考えていました。
友人等、自分がよく知っている人のことは”言わんとしていること”は理解できるのに(CLの場合はできない)…つまりCLを分かろうとする努力が足りない事に気づかされました。グループワークでは、自分の環境、子育て、考え方が大きく出ていていかに自分中心に考えているか、あらためて気づきました。自分の面接の見直し、役立てていきたいと思いました。

当日の講座の様子

アンケートにご協力をいただいたみなさま、ありがとうございます。
まだの方も、よろしければぜひご感想をお聞かせください。

今回の講習では、いつも以上に真剣に考えてくださるシーンが多かったですね。
お写真を見ていても、悩んでいる・考えている様子がよく伝わってくるかと思います。
参加されたみなさま、最後のディスカッションは難しい部分もあったと思いますが、
この時に真剣に考えていた様子を思い出して、相談中もCLさんに対して、
CL理解を手を抜かず、しっかりと”やり切る”ようにしてくださいね!

それでは、また次の講座でお会いしましょう。
このたびはご参加ありがとうございました。

弊社の国家資格キャリアコンサルタント更新講習のご案内


この記事をご覧になって、「参加してみたいな」と思った方はもちろん、
まだ迷っている方や、他社と比較したい方も、ぜひ一度このページをご覧くださいませ。
2022年度下期・秋冬の更新講習のチラシも新たに出来上がっております。
詳しくは、このすぐ下のボタン「国家資格CC更新講習のご紹介ページはこちら」をクリックしてください。

みなさまのお越しを心よりお待ちしております。