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9月3日(土)国家資格キャリアコンサルタント更新講習(質問力アップ・事例検討の進め方)の様子

9月3日(土)国家資格キャリアコンサルタント更新講習(質問力アップ・事例検討の進め方)の様子

執筆者 | 八阪 義浩

9/3(土)に、ZOOMを用いたweb形式にて、
「国家資格キャリアコンサルタント更新講習」

~相談者の思考転換につながる質問力アップトレーニング~
~シンプルで効果的な相談記録の書き方トレーニング~
を開催いたしました。

こんにちは。働く楽しさ研究所・八阪です。
朝晩がだんだんと涼しくなり、少しずつ秋の気配が濃くなってきましたね。
9月になって最初の週末で、早速の更新講習開催となりましたが、
今回も全国各地から、そして多様な領域のCCさんが学びに来てくださいました。
参加してくださったみなさま、ありがとうございます。

今回の講習は「質問力」と「相談記録の書き方」という
弊社でも人気の2講習でしたが、今回は少人数でしたね。
人気があるのはありがたいと思う一方で、少人数だからこそ、
ディスカッションの中でちょっとしたヒントを出せたりするのも
それはそれで良いことなのかな、と実感しながらお話させてもらいました。

それでは、ここからは各講習のポイントを振り返ってみましょう。
3時間にギュッと凝縮した分、重要ポイントが盛りだくさんでしたので、
この記事では各講習1か所ずつ、その重要ポイントを選んでご紹介しますね。

当日ご参加いただいた方は復習に、参加をご検討中の方はお申込みへのきっかけに、
この記事を活用してくださると嬉しいです。

質問力アップ」の講習の振り返り

自分が聞きたいこと・知りたいから聞く、という時点で、CL第一ではありません。

質問力の講習では、質問フレーズを覚えることに躍起になるのではなく、
あくまでも質問するCC側の意図が大事ですよ、と繰り返しお伝えしましたね。
その要点を一行にして表すと、上記のようになります。

面談が始まった直後は、(特に初回面談の場合)目の前のCLに関する情報は極端に少ないです。
場合によっては、本当に「はじめまして!…で、どなたでしょうか?」という
まっさらの状態で相対することもあるでしょう。

その時に、CC側はどうなっているか、CL側はどうなっているか。
それぞれの状態をまず考えてみてください。

CC側には何の情報もないし、目の前のCLについては
目で見てわかること以外は何もわからない状態ですね。
どの程度困っているのか、何を話そうとしているのか、
そもそも話す気があるのか、興奮したり落ち込んだりしているのか…。
面談するうえで押さえておきたいことが、全然わからないままの状態です。

一方のCLはどうでしょうか?
あなたの目の前に座るまでに、たくさんのことで悩み、困って、時に苦しんで、
そして相談に行くこと自体にも、勇気を振り絞って来られることもあります。
少なくともまっさらではないですし、言いたいことや分かって欲しいことを持っているから、
わざわざ時間と手間を割いて、相談に来てくださっています。

CCが知っていることがどの程度あるか?で質問をどうしようか決める前に、
今、目の前のCLはどういう状態で来たのかを考えてみて欲しいです。
CLは、あなたの”知らない”を”知ってる”に変えるために来たのではないのです。

面談時間はCLのための時間であり、CCのための時間ではありません。
CCの知らないことへの不安や、CCが知りたいという欲求は、
厳しいようですがCLにとっては関係の無いことです。

CLが聴いてほしい・分かって欲しいことよりも、
優先して聴く必要があることって、果たしてあるでしょうか?

質問力を高めて、良い質問ができるようになるためには、
自分がどう質問しようか?何を聞こうか?と
“自分が”という視点でばかり考えることをまず辞めてみてください。

自分がこの情報を知りたいから、自分がこういう方向に面談を進めたいから、
そのためにはどうやって質問すればいいですか?
という、自分中心の考え方そのものを辞めること。
そして、目の前のCLの方が聴いてほしい・分かって欲しいことに集中すること。

遠回りなようで、それが一番、質問力を高めるために有効な取り組みだと
覚えておいてくださいね。

相談記録の書き方」の講習の振り返り

記録を書く時は、CLが真横で見ているつもりで書いてみてください

これは講習の最後の最後でお伝えした話でしたね。
さらっと言ったことなので、もしかすると受講生の中でも
忘れてしまっている方もいるかもしれません。
でも、わたし自身はとっても大事な視点だと思っていますので
ここであらためて挙げてみました。

相談記録は誰のためにあるものですか?という問いは
講習の中でも何度もさせていただきましたよね。
そして、その答えはもちろん、CLのために相談記録があるということでした。

では、相談記録をCLのために書くためにはどうすればいいのか。
その一番良い方法が、先ほど紹介した「真横でCLが見ているつもりで書く」ということです。

もし記録を書いている最中にCLが覗き込んできて、

「なんでそんなこと書いてるの?」

と問われたら答えられるでしょうか?
あるいは、

「関係構築できたって書いてるけど、本当にあれでできたと思ってるの?」
「相談者の問題はこれって書いてるけど、わたしが言ったことと違うよね」

などと言われてしまうような記録になっていないですか?
相談記録は、開示請求でもされない限り、CLに直接見せることはまずありません。
そして、開示請求自体もめったに起こらないことです。
相談記録をCLが見る機会はほとんどないと言えるでしょう。

その「見られることがない」という環境に甘えて、
自分の好きなように書いたり、相談記録になっていない”メモ”レベルのことを
書いたりしていてはいなかったか、今一度思い出してみて欲しいのです。

相談記録をきちんと書くことは、CCとしての成長につながるという話もしましたね。
今回の講習ではSOAP記録のフォーマットを試していただきましたが、
自分の傾向がすごく顕著に表れていたのではないでしょうか。
いつも偏った視点で見てないか、何か先を急ごうとして見落としていないか…
そんなことに上手に気づくことができた方もいらっしゃいました。

相談記録は自分を成長させてくれるツールにもなるものです。
その場限りで済ませたり、自分さえわかればいいと粗雑に扱うのではなく、
CLのためにも、そしてCC自身の成長のためにも、
「きちんと記録を書く、そのためにきちんと面談をする」という習慣
をつけていきましょう。

参加された方の声

では、ここからは今回の講座にご参加いただいた方のアンケート内容をご紹介します。

あらためて目の前の相談者を大切にすることと関係構築の重要性を再確認できました。CCの心にとどまった事柄の質問よりも、相談者が何と言われたいかを考える方がよりシンプルで、相談者の今現在を想像し尊重し、共に歩んでいる光景がイメージできたからです。
なぜなら、練習のワークでは、振り返ると、物語に対しての自身の思い込みもあり、「きっと寂しいのかな~、ひとまずそっと見守ろう」と考えたり、労いの言葉をかけたくなったりしました。しかし、八阪さんのお言葉を聴いて、なるほど、登場人物どうしの関係性ではなく、自身の主観で言葉を探していたことに気づきました。
気付きを与える言葉(※)を投げかけるには、しっかりした関係構築、それには目の前の相談者を大切にすることが、何より大前提と改めて感じることが出来ました。
※補足指導…気付きを”与える”ではなく気付いて”いただく”と言えるようになりましょうね。

「当たり前のことを、きちんとやる」をモットーに「目の前の人とどれだけ誠実に向き合えたか」にこだわりを持つという代表講師のコメントに惹かれ、今回受講させていただきました。地域柄、同じ資格を持つ仲間が少なく、切磋琢磨できる環境に乏しいため、資格取得以降、このような講習を受けておりませんでしたので、今回とても新鮮かつ刺激的で心を揺さぶられる時間でした。
また、確認試験のコメントをひとりひとり丁寧に書いてくださる理由が、すべては今後私たちが関わるであろう相談者のためとお聞きし、その大きな背中に感銘を受けました。
そして「相談者主体で考えればブレない」このお言葉は、今後の面談業務で行き詰まった時に私を支える拠り所となることは間違いないと思います。ありがとうございました。

初めての参加でした。どの更新講習を受講しようかと思っていたところ、職場の回覧でチラシを拝見し、相談記録にフォーカスしているところに目新しさを感じ、業務に活かすことができるのではと思い参加させていただきました。
日々の相談記録は、相談記録という名のメモが大部分であるなと気づきました。メモも実務上の理由から記録として残す必要もありますが、相談者のための相談記録になっているかというと、なっていないことが多いなと反省しました。相談者の次の相談につながる記録を書けるように日々研鑽を積んでいきたいと思えた講習でした。ありがとうございました。

急遽の受講の申し込みに対応してくださりありがとうございました。
今回の講習会はとても意義のある講習でした。いつも、「そこから先を知りたい・・」と思うような講習会が多い中で、「その先が知りたい」の道筋が見えるような、自分で知りたいを深めることができる講習だったと感じております。先生の伝えたいを十分に受け取れていないかもしれませんが、自分なりに少しは向上することができたのではと思います。
2回目のワークで、何を考えるのかが途中で分からなくなってしまいました。他の参加者2人の思考をかき回してしまったかもしれません。CLの吐き出したい気持ちにとどまってしまい、「CLの言われたいことを言う」の考えで思考が止まってしまいました。原因として、CLの吐き出した気持ちを確認することばかりに捕らわれ、CLの気持ちがわからなければ、次が聞けないと考えてしまったことです。先生の意図すら理解できなかったことに改めて、自分のふがいなさを感じた次第です。
また、相手がどう言ってほしいのかをいつでも考えてくださいとの教えありがとうございます。自分自身が相手が求めている返答を選んで、返答することがあり、時々、CLもCCが求めている答えをしているのではとの疑念をもつことがあります。相手がどう言ってほしいのかを考えてばかりいると、そのような疑念をどう捕らえてよいのかを尋ねてみたいと思いましたが、(振り返りメールで)まとめていただいた講習内容をよんで、CCが求めている答えをCLに尋ねている時点でアウト!自分では、CLの思考の転換を意図して尋ねているつもりだったものが、ワークシートの①を見直したときに、CC情報の収集になっていたと気づくことができました。「相手がどう言ってほしいのか」を常に意識しながら過ごしていきたいと思います。
ありがとうございました。受講出来たこと本当によかったと思っています。

当日の講座の様子

アンケートにご協力をいただいたみなさま、ありがとうございます。
まだの方も、よろしければぜひご感想をお聞かせください。

今回の講習では、久々にどちらも少人数(2グループ)での開催となりましたが、
その分、発表時の意見や見解をしっかり聞けたことが良かったかなと思っています。

講習後のレポートに関する説明でお話したとおり、
真面目に誠実に自分の課題点と向き合うことができるCCを育てていきたいと思っています。
真剣にやればやるほど、ご自身の成長・気付きが深くなるレポートですから、
諦めずに、自問自答を繰り返しながら頑張って取り組んでくださいね。

それでは、また次の講座でお会いしましょう。
このたびはご参加ありがとうございました。

弊社の国家資格キャリアコンサルタント更新講習のご案内


この記事をご覧になって、「参加してみたいな」と思った方はもちろん、
まだ迷っている方や、他社と比較したい方も、ぜひ一度このページをご覧くださいませ。
2022年度下期・秋冬の更新講習のチラシも新たに出来上がっております。
詳しくは、このすぐ下のボタン「国家資格CC更新講習のご紹介ページはこちら」をクリックしてください。

みなさまのお越しを心よりお待ちしております。