2/23日(木・祝)に、ZOOMを用いたweb形式にて、
「国家資格キャリアコンサルタント更新講習」
~シンプルで効果的な相談記録の書き方トレーニング~
を開催いたしました。
こんにちは。働く楽しさ研究所の八阪です。
今回はおよそ3か月ぶりの国家資格更新講習ということで、
わたしも久しぶりだったので少し緊張しながら当日を迎えました。
ドキドキしているというよりは、大事なことを忘れないかな?という気持ちでした。
ここ最近は技能検定対策の講座が続いていて、実務的な技術面の指導をする3か月間だっただけに、
こうして更新講習で”CCとしてのあり方・姿勢”にまで立ち戻ってお話できたのは
新鮮と言うより「ホームグラウンドに帰ってきた」という印象でした。
他者の人生に関わる仕事をする以上、
やはり支援する側のあり方・姿勢の部分からしっかりと学んでいただきたいですし、
その姿勢が真っ当で誠実でなければ、良い支援者にはなれないという考えの大事さを
わたしも噛みしめながらお伝えした3時間でした。
受講されたみなさんにも伝わっていて欲しいです。
それでは、ここからは講習のポイントを振り返ってみましょう。
当日ご参加いただいた方は復習に、参加をご検討中の方はお申込みへのきっかけに、
この記事を活用してくださると嬉しいです。
「相談記録の書き方」の講習の振り返り
キャリアコンサルタントが気づいた問題を提示することばかりに気を取られていては
上下関係を元にした”指示”や”命令”にしかならないです。
これは1回目の相談記録作成ワークの直後、グループでの振り返りときに
多くの方がつまずいていたポイントではないでしょうか。
相談記録を書いてみることで、各々のクセがわかった時点での話し合いでしたので、
わたしが顔を出したグループでも、より理解を深めている最中だったようです。
記録は書いたものの、その後この記録を踏まえて、
実際に面談するにはどうすればいいのか?というお話。
記録は記録のためではなく、良い面談をするためにあるのですから、
その議論になるのはとても大事なことです。
だからこそ、きちんと立ち返って考えてみて欲しいんですね。
CC視点の問題点に気づいたら、それを次に提示することが当たり前だと思っていると、
CCの話は”指示”や”命令”になってしまう。そこに支援者は自ら気付けないといけないのです。
当日はSOAP記録のフレームを使用したので、それを使いながら簡単に解説しますね。
CLが訴える問題とと、CCが気づいた問題。前者がSOAP記録で言うSで、後者がOでした。
面談をしていると、2種類の視点で問題を捉えられる、ということは講習でお伝えしたとおりです。
まずここで、Sだけを拾ってしまう人と、Oだけを拾ってしまう人がいるというお話をして、
多くの場合はO、すなわちCCから見た問題を「見立て」としてそのまま挙げてしまう、
そんな場面があったかと思います。
この瞬間、もうすでにSが無視されているんです。
つまり、CLからすると、
なんで私の話を無視して、あなたがやりたいことを勝手にやるの?
なんで人の話を無視するあなたに、わたしの問題なんて言われないといけないの?
という状態になるんですね。
これではCCの話なんて全く聞いてもらえなくなります。
そして、そのことに気づいていないCCは、指示・命令的に強引に押し切ったり、
「やらないといけない」「必要だから」といった親切の押し売りのような面談をしてしまいます。
これでは、プロがやる面談とは言えません。
自分が思ったこと、自分が気づいたことがある。だからCLに言っていい…?
そんなはずないですよね。CLにも言いたいこともあるし、分かって欲しいことあります。
CLが聞いて欲しい・分かって欲しいことを差し置いて面談をしても、
CLを第一にして支援したとは言えません。
SとOをそれぞれ理解したとして、まだまだ考えなければいけないことがあります。
それがSOAP記録の説明でお伝えした、A(見立て)とP(支援計画)に当たる部分。
そして追加したR(関係性)の部分でもあります。
どの順番で、どんな伝え方・関わり方で進めれば
CLが納得して・安心して受け止められるのか。
CCが一番考えなければいけないのは、自分が思った通りに面談するかどうかではなく、
自分がCLに対して行なう”関わりの効果”です。
SとOのどちらが大事かをジャッジすることであったり、
CCが気づいたことをCLに伝えて、CLを訂正することが支援者の役割ではありません。
時にCLは、S自体を勘違いしていたり、Oから目を背けることもあります。
そんなときにどう関われば、問題と向き合う勇気や意欲が出るのか、
CL自身が見ている点と違う点を見つめようとしてくれるのか。
そのために必要なのが、「あなたが言ってくれるなら…」という信頼関係、でしたよね。
自分が気づいた問題を伝えることばかりに躍起になっていても、
CLは受け取ってくれません。
どんなに必要であっても、正しいことであっても、
相手が受け取ってくれないなら効果はゼロ、存在しないのと同じです。
記録をつけながら、問題点ばかり見ていたり、それを解決するために
無理やり前に進めることばかり考えていなかったでしょうか?
今一度、ご自身の姿勢・あり方を振り返ってみてください。
「一緒に解決していこう」という気持ちを本当にCLが抱いてくれるにはどするのか、
何をすればその気持ちになってくれるのか。
問題を把握した後にやることは、それをすぐに伝えることではないんだ、
まだまだ深く考えてから関わり方を決めないといけないんだと、
肝に銘じて面談に臨んでいきましょう。
では、ここからは参加されたみなさまの感想・お声をご紹介します。
今回もたくさんのメッセージをいただきましたので、
一部だけになりますが、ぜひご覧ください。
参加された方の声
では、ここからは今回の講座にご参加いただいた方のアンケート内容をご紹介します。
今回もたくさんのお声・感想をいただいていますので、ぜひ楽しんで読んでください。
これまで相談記録の書き方を学ぶことがなく、自分のやり方で記録してきました。時間がかかる割に、できているのかできていないかの判断もできずモヤモヤしていました。
こちらの講座では、相談記録の形式とそれに沿った書き方を知るのかと思っていたのですが、実際には想像よりずっと深い内容で、相談記録を残す目的を理解し、そのために何が必要かを体系的に学べました。また相談記録の書き方からさらに広がって、自分の支援で足りないところ、問題や課題といった本質的な部分にまで考えを巡らすことになりました。
正直に言うと講座内容を100%理解できていない可能性があるので、今後振り返りをする中で自分ゴトとして深掘りしていきます。
相談記録の書き方を体系的に学ぶ機会は、キャリコン養成講座ではなかったので学ぶことが多かったです。「他の人が代理で面談をすることはレアケース、基本は継続支援なので記録も自分が分かればいい」という意識は早々に改めないといけないと思いました。たまたまの代理面談で事故が起こることも十分あり得るので一回一回の記録は真剣に描く必要があると痛感しました。
SOAP+Rのフレームで相談記録を書くトレーニングは、これからも積んでいきたいです。一つ思ったのですが、技能士対策のトレーニングとしても活用できそうです(自己研鑽として)。面談したあと限られた時間で、頭の中を整理しながらアウトプットするのは口頭試問にもつながるのではないかと。
また実務の現場でも、ケース会議でうまく話せなくて…という場合SOAP+Rがごっちゃになっているな、ということにも気づけました。
相談記録を適切に活用して、継続的な支援につなげることはもちろんですが、相談者との関係性の構築をどのように行ったかということをしっかりと記録すること、自分自身も意識して構築することが重要だということに気づかされました。
現在、相談支援事業所で相談員をしております。福祉サービスの調整、相談等の業務に携わり、実際にはキャリアコンサルタントとしてのお仕事はしておりませんが今回学ばせていただいた相談記録の書き方は、とても参考になりました。自分なりに初回面談時に利用させていただこうと思います。
(今の仕事で)関わらせていただいている方は障害者の方ですが、特に関係構築の仕方の伝わりやすい書き方は、日々の業務に活かせていきたいと思いました。
当日の講座の様子
アンケートにご協力をいただいたみなさま、ありがとうございます。
まだの方も、よろしければぜひご感想をお聞かせください。
たくさん感想を書いてくださっている方ほど、学びが深いことも
わかっていただけたのではないでしょうか。アウトプットすることの大事さを感じます。
今回の講習では初参加、初対面の方が多かったのですが、
グループワークよりも個人ワークが多い講習だったこともあり、
熱心に書いている・考えているシーンを観察していることが多かったです。
生の講習であれば、取り組んでいる様子を巡回しながら
困っている方がいればサポートもできるのですが、なにぶん画面越しなので…
それでも、こうして写真でピックアップしてみると、
みなさんの楽しく・真剣に学んでいる様子が伝わるかと思います。
ご参加いただいたみなさん、ありがとうございます。
それでは、また次の講習でお会いしましょう。
弊社の国家資格キャリアコンサルタント更新講習のご案内
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なお、2023年度の国家資格CC更新講習のチラシは、
できあがり次第、お知らせさせていただきます。
みなさまのお越しを心からお待ちしております。