ブログ

3月5日(土)国家資格キャリアコンサルタント更新講習(質問力アップ・洞察力と環境)の様子

3月5日(土)国家資格キャリアコンサルタント更新講習(質問力アップ・洞察力と環境)の様子

執筆者 | 八阪 義浩

3月5日(土)に、ZOOMを用いたweb形式にて、
「国家資格キャリアコンサルタント更新講習」
~相談者の思考転換につながる質問力アップトレーニング~

~洞察力を高めて相談者の本音に気づける環境理解のしかた~
を開催いたしました。

こんにちは。働く楽しさ研究所の八阪です。
3月になって、だんだんと日が長くなり、暖かい日も増えてきましたね。

卒業シーズンということもあってか、晴れ着姿の若者たちが街に増えたり、
次のステージに向けた期待や希望に満ちた
子供たちをたくさん見かけるようになってきました。
一気に華やかになったなぁ、と感じる今日この頃です。

さて、今回は2023年になってから初のダブルヘッダー開催となりました。
午前が人気の質問力アップの講座で19名の参加で、とっても賑やかでしたね。

弊社の講座では本当に久々に、「初参加の方が圧倒的に多い」という状態でしたので、
事例もワークも、なるべくわかりやすく、原点・基本をより丁寧に
お伝えしていくように講座を進めていきました。

午後は、午前の講座を気に入ってくださった方の当日申込などもあり、
とっても嬉しい・ありがたいなと感じながらのお話でしたが、
洞察力を高める必要性、そしてその難しさを実感されたことと思います。

いずれの講座も、多くの方にご参加いただきまして、ありがとうございます。

それでは、ここからは講座の内容から特に大事な点をピックアップして
あらためて記事にしていますので、参加された方は復習に、
まだ参加されていない方は今後の検討材料に、ぜひご活用いただければ幸いです。

質問力アップ」の講習の振り返り

「自分が知りたいから」という動機で質問していませんでしたか?
その時点で、もうCL第一の面談ではないです。

今回は、初めて参加される方が多かったこともあり、
CCとしての原点・原則の部分に当たるCL第一の支援という箇所に
強くフォーカスをしてお話させていただきました。
それが一番象徴的に表れている言葉が、この一文なのかなと思っています。

毎回この講習を開催するたびに、ここで驚く方がたくさんいるのですが、
ここに驚いてしまう、という国家資格CCの現状のレベルに、
指導者としてはいつも強い危機感を抱きます。

今回の講習に参加された方のアンケートの中にも、

自分が聞きたいからという理由で質問してはいけない、というのは初めて聞いた

という回答があり、見た瞬間ひっくり返りそうになりました…。

これをもし車の運転で例えるならば、
「自分が走りたいと思ったら、赤信号でも歩行者がいてもアクセルを踏みます」
と言っているのと同じ
なのですから、
この状態でCLの前に出てしまったら大事故を起こしかねない、危機的な状態です。

学びの機会を通じて、真っ当な・良い支援ができるCCを1人でも多く育てる

という弊社の方針があるのですが、それが浸透しないまま・教わる機会がないままの方たちが
まだまだいらっしゃるのだなと思うと、ショックも結構大きかったです。

基本原則すら浸透していない現状にガッカリしたのは事実ですが、
やらなければいけないことがたくさんあるのだ、と前向きに捉え直して、
わたしたちも気を引き締めるような、そんな機会になりました。

少し話を戻して、講習の内容を振り返っていきましょう。
CCが自分の聞きたいことを聞く、という行為が持つ意味をぜひ考えてみてください。

目の前に話を聴いて欲しい、困っているCLがいますよね。
その困っていることをお話しいただくことよりも、
自分が気になっている・知りたい・知らなければ不安だ、などの
CC側の都合を優先して何を質問するか決める。

この行為・この発想がどういう意味を持ち、
どんなメッセージをCLにもたらすでしょう?

自分が聞きたいから聞く・自分の聞きたいことを聞く。
そのような考え方や態度をCLに見せることによって、

「CL第一」とか「あなたのために支援します」とか言ってるけど、
結局CCなんて、自分が聞きたいことを自分の興味で好き勝手に詮索してるだけじゃないか

という不信感を生んでしまうことになります。
より厳しく言うならば、このような発想・行為はCLに嘘をついているという状態なのです。

これはもちろん、まったく望ましいことではないですよね。

自分の考え方・関わり方がCL第一になっているかどうか、
何を置いても、その視点で物事を見れるようになること。

今回の講習は「質問力」というテーマでしたので、
講習内で主に扱ったのは質問フレーズ、つまりアウトプットする言葉を
どうCL第一にしていくのか、という話でした。

ただ、CL第一の言葉選び・面談の展開を本当に身につけるならば、
小手先のフレーズばかり覚えようとしてもうまくいかないですよ、ということも
何度も繰り返しお伝えしましたね。

そもそもの考え方の部分からCL第一になっていないと、
CL第一の支援はなかなか実現できないですし、CL第一を実践できるCCには届かないです。

CL第一の支援ができるかどうかは、この仕事に就くうえでは絶対とも言える原則です。

その絶対の原則を本当に守れているのか・実践できているのか。
研ぎ澄まされた、相手にとって聴く価値・考える意味がある問いを
どれだけ真剣に練って考えられるか。
そのために普段から相手を想う言葉を創ることにどれだけ意識を置けるか。

今回の講習を機に、まずご自身の支援者としての姿勢を振り返ってみてください。
自分勝手に関わっていませんか?
本当に100%CL第一の姿勢だと、胸を張って言えるでしょうか?

人の人生を左右する仕事に就くならば、質問1つ・発言1つとっても、
それくらい重いものだと考えて支援業務に携わる人になってくださいね。

「洞察力と環境」の講習の振り返り

表面上の言葉を拾っただけでは、CLの”発言の理解”であって、CL理解ではないです。
CLの発言を踏まえて「何で迷ってるんだろう?」と考え続けることが、洞察の”始まり”です。

これは講習の中盤での説明と、後半のグループディスカッションの場面で、
参加されたみなさまがひしひしと実感されたことではなかったでしょうか。

まず最初に、わたしからの事例としてお伝えした「双子の就活生」のエピソード。
できる限り楽な気持ちで、時にはちょっとクスッと笑えるくらいの、
そんな雰囲気で進行する弊社の講習なのですが、
このエピソードの部分では一気に引き締まった想いをした方も多かったのではないでしょうか。

CL本人も、周りの人たちも、誰も悪い人や困った人というわけではないけど、
ただCLから見たときの視点・CLの世界では、それはすごく居心地の悪い関係性になっている。
その結果、どんどんCLは頼る相手を失っていき、孤独感に苛まれて悩みを深めていく…。

毎日どんな気持ちで学校に行き、就活に臨み、家に帰っているのでしょう?
そのCLの姿を「想像する」ことで、CLがわかって欲しいことを汲み取る能力が磨かれていきます。

そして、そのCLの姿、CLのわかって欲しいことを汲み取ったうえで、
もう一度CLの発言に立ち返ってみてください。

面接がどうしてもうまくいかないんです

この言葉は、本当に採用面接のこと(だけ)を相談したくて来ているでしょうか?
そんなはずはないですね。まだ話していない、なかなか人には話せない、
ずっと内面に抱えて重荷を背負ってきたことが、CLの中に眠っています。

CLの声にならない声を聴くことはできるか、それが洞察力のポイントです。

起きている事象、話された内容だけを拾っていては、
CL理解はいつまで経っても広がらないし、深まらない。
それをさらに学んだのが、事例を通したディスカッションで取り上げたCLでした。

CLの相談したいことを、本当に言葉だけ表面的に拾い上げると、

進路Aと進路Bのどちらを選択するのがいいですか?

でしたね。
でも、当日参加された方は全員気づいていたと思いますが、
あのCLさんは明らかに、AかBかの選択・決断のために相談に来ていたわけではないです。

その後、さらにディスカッションの途中で発表した「仕掛け」を通して、
同じことを相談しているはずなのに、CLが何に困って・何を訴えているのかが
ガラッと変わるシーンも体験していただきました。

言葉を言葉通りに取ることがいかにリスクの大きいことか、
あの変化の瞬間が一番わかりやすかったのではないでしょうか。

そもそも、人は自分の悩みや困り事を正確に言語にできるわけじゃない。
さらに言えば、それらの話題も、目の前のに話して大丈夫な範囲でしか話さない。

キャリアコンサルティングうんぬんの前に、
この「人としての当たり前の原則」に立ち返りましょう。

そして、「まだ話していないことがあるはず」という視点を持ち、
それが何なのか、CLの視点で考える・想像するようにしてください。

ディスカッションの事例で言うなら、昇進のお話をもし断ったとしたら…
上司とは今までと同じ関係性でいられるでしょうか?
もし上司が良い人であったとしても、CLが上司を見る目・接する態度は
これまでと同じでいられるでしょうか?

周囲との関係性、そしてその変化を汲み取ることによって、
より一層、CLの心の動き・変化にまで気づくことができ、
「だからここで立ち止まるんだ、このことで悩んでしまうんだ」という
一歩踏み込んだ深い理解につなげることができます。

今回の講習に参加されたみなさんはぜひ、
言葉そのものよりも、その言葉に含まれている”CLなりの意味”
考えられるCC・汲み取れるCCになってくださいね。


では、ここからは参加されたみなさまの感想・お声をご紹介します。
今回もたくさんのメッセージをいただきましたので、
一部だけになりますが、ぜひご覧ください。

参加された方の声

では、ここからは今回の講座にご参加いただいた方のアンケート内容をご紹介します。
今回もたくさんのお声・感想をいただいていますので、ぜひ楽しんで読んでください。

養成講座では関係構築の場面でオウム返しや要約を繰り返し練習していくなかで、質問をすることに怖さを感じていました。その質問を紐解くように説明をしてくださいました。3種類の”きく”は他の研修等でも学びましたが、個人ワークをとおして言葉を知っているだけで理解していなかったことに気付きました。同時に私自身の質問に癖があることにも気づきました。他社の更新講習とは異なり、受講者の成長のために親身になって下さる講習でした。

講習の時でも相談者主体の質問など、キャリアコンサルタントの場面では相談者が主役、つまり相談者にとってメリットある事が全てとの事を改めて認識しましたが、情報を得る為の質問は全くなくても相談の目的は達成されるという事は気づきでした。
更に大きかったのは、事後レポートを書く中で、自身の聴き方・聞き方の癖、その背景、企業時代においての相談とキャリアコンサルタント相談の本質的な違いに自分なりの整理が出来た事です。

テーマである質問力についてはもちろんのこと、キャリアコンサルタントとしての心構えに立ち返ったメッセージをいただき、自分自身を見直すとても良い機会となりました。

この度は参加させていただきましてありがとうございました。私は普段キャリアコンサルタントとしての仕事をすることはほとんどございませんが、今回の講習はキャリアコンサルタントとしてどうかということだけでなく、人としてどうあるかということを振り返るために非常に勉強になる内容でした。

情報収集は要らない!もっと早く受講していればと思いました。相談者の支援をするために、日頃面談できなくても、質問力を向上させるためにどう鍛えたらいいのか知ることができました。

以前に研修で、八阪先生から相談業務の進め方やキャリコンの姿勢等を学び、そこから自分のカウンセリングを振り返り、取り組めた事が多くありました。その節は本当にありがとうございました。自分が更新講習を受ける時には働く楽しさ研究所で学びを進めようと決めておりましたので、今日は受講できた自分にも拍手👏です(笑)!
講習の内容も相談者主体でのカウンセリングを実施するのに自分に必要な学びとスキルアップであると感じておりましたので、改めて難しい…とも感じましたが、精進あるのみと捉え今後と頑張りたいです。ありがとうございました。

相談者を取り巻く環境をいかに理解していくか、個人ワークやグループワークをとおして学ぶことができました。私は今まで相談者を取り巻く環境を人間関係のみイメージしていました。行動憲章の定義に触れられ、システムも取り入れていいことに改めて気付き、個人ワークでネット上の環境を考えられるようになりました。発表者もネットの口コミとおっしゃっていましたが、業務ではネットでの評価や口コミで判断される相談者が増加しており、取り巻く環境に何があるのか、相談者の言葉から環境を広く理解していく必要性を感じました。
グループワークでは参加者の意見を伺いながら、想定される環境の広さと深さを学びました。環境の関係性が変化すれば相談者の本音も変化していくこと、そしてなにより、その関係性のなかでキャリアコンサルタントとの関係性が良好であれば相談者の相談内容に変化が生まれることも教えてくださいました。実務に活かせる講義でした。本当にありがとうございました。

当日の講座の様子

アンケートにご協力をいただいたみなさま、ありがとうございます。
まだの方も、よろしければぜひご感想をお聞かせください。

前回の開催報告レポートでも書いたことですが、
たくさん感想を書いてくださっている方ほど、学びが深いというのは、本当によくわかりますね。
今回は特に質問力の講座では、日常の中から・普段から、
「どんな言葉を使うのが良いのか」を考える習慣をつけることが大事、と
お伝えしていますので、同じ受講生の中でも早くも差がつき始めている、ということです。

より良い支援ができるようになるため、プロとして成長するために
どのような機会でも自分の学びとして生かす貪欲さは、
どのCCであっても持っていて欲しい
と願っています。
またレポートでも、みなさんの理解の深さを見ることができるので、
次はそれを楽しみにしていますね。

ご参加いただいたみなさん、ありがとうございます。
それでは、また次の講習でお会いしましょう。

弊社の国家資格CC更新講習 特集ページのご案内

弊社が企画・運営する国家資格キャリアコンサルタント更新講習について、
弊社ならではの特長やメリット、お客様の声、よくある質問(Q&A)などを
わかりやすくまとめたページをご用意いたしました。

この記事をご覧になって、「参加してみたいな」と思った方はもちろん、
まだ迷っている方や、他社と比較したい方も、ぜひ一度このページをご覧くださいませ。

詳しくは、以下の「国家資格CC更新講習のご案内ページはこちら」の
ボタンをクリックしてご覧ください。

みなさまのお越しを心からお待ちしております。