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3月16日(木)・3月18日(土)国家資格キャリアコンサルタント更新講習(質問力アップ・相談記録の書き方・事例検討と倫理)の様子

3月16日(木)・3月18日(土)国家資格キャリアコンサルタント更新講習(質問力アップ・相談記録の書き方・事例検討と倫理)の様子

執筆者 | 八阪 義浩

3月16日(木)と3月18日(土)に、ZOOMを用いたweb形式にて、
「国家資格キャリアコンサルタント更新講習」
~相談者の思考転換につながる質問力アップトレーニング~

~シンプルで効果的な相談記録の書き方トレーニング~
~事例検討の効果的な進め方と倫理綱領の上手な活用法を学ぶ~

を開催いたしました。

こんにちは。働く楽しさ研究所の八阪です。
年度末の一番お忙しい時期にも関わらず、そしてWBCというビッグイベントがある時期にも関わらず、
弊社の更新講習に学びに来てくださって、本当にありがたいなと実感した2日間でした。

全部で3講習を開催して、そのいずれも少人数という形でしたが、
その分きめ細かく指導・サポートをしたり、質問を随時受け付けながら講習ができたり、
少人数だからこそできること、力を割くことができることがあって、
それをみなさんにお届けできたのが率直に嬉しかったです。

画面越しではあるのですが、1つ1つのメッセージを丁寧に発信でき、
またそれを真剣に受け取ってくださった方もたくさんおられたことが伝わってきました。
初参加の方も多い中でしたが、良い講習を一緒に創っていく楽しさを
味わっていただけたなら幸いです。

それでは、ここからは講座の内容から特に大事な点をピックアップして
あらためて記事にしていますので、参加された方は復習に、
まだ参加されていない方は今後の検討材料に、ぜひご活用いただければ幸いです。

質問力アップ」の講習の振り返り

CCがCLの話をわかったか・わからないかを基準に面談を組み立てないこと。

今回は最初の個人ワークで偶然にも全員が似たような傾向を示していたので、
講習の内容でも強調する箇所が割とハッキリしていましたね。

情報収集の質問をすることがCLのためになるか、と言えばそうではない。
そこは理解できたとして、次のステップである

じゃあ、なんで情報収集にばかり走ってしまうのか?

という点を振り返ろうとしていた時に、ちょうどこの話をさせてもらいました。
講習の中では、面談場面を真横から見ているシーンとして解説しましたね。

CCが情報を集めることに、CLはメリットを感じていない。
ということは、CCにとっては、何がしかのメリットを感じているから
情報収集をやってしまう、ということでした。

そのCC側のメリットは、
CCである”自分が”わからないという状態から、
わかったという状態に変わること、ともお伝えしました。
CCから見れば1つの到達点、あるいは1つの達成があったということです。

そう、あくまでもCCから見れば、です。

では、目の前のCLは、CCの”わからない”を”わかった”に変えるために
あなたの前に来ているのですか?

こうしてあらためて問いかけられると、明らかにおかしいとわかりますね。

情報収集をされたくて来るCLなんていません。まして初回面談ならなおさらです。
まだよく知らない人に、自分の情報ばかり一方的に吸い上げられているとき、
CLがどんな気持ちで回答しているか、想像できるでしょうか?

あるいは、CCが自分の手持ちの面談シートを穴埋めしようと躍起になっているとき、
そのCCの姿をCLがどんな目で見ているか、想像できるでしょうか?

CLの立場に立つ、CLのことを理解するというならば、
まず自分の関わり方が相手にどう思われるのか、を考えることが第一です。

そこがわかれば、情報収集がいかに自己中心的な動機で行なわれているか、
CLを置き去りにした行為になっているか、気付くこともできるはずです。

まして、CCが散々好き勝手に情報を集めた挙句に

よくわかりました。ありがとうございます。
それではわたしから見た問題点をお伝えしますね。

なんて言い出した日にはもう目も当てられないですよね。
・・・でも、こんな面談になっているシーン、見かけたことないですか?

今回の講習に来てくださったみなさんには、
CCにとって都合の良い質問フレーズを思いつくことが質問力ではなく、
「相手がどうして欲しいのか、何を言って欲しいのか」を考える訓練を続けることだ、
とお伝えして、3時間の講習の中でも繰り返し取り組んでもらいました。

CLの立場に立って面談するとはどういう意味なのか、
自分本位な意図で質問をするとCLはどう感じるのか、
自分の不安を解消するために情報収集ばかりしているとどうなってしまうのか、
講義とワークを通して実感していただけたかと思います。

CL第一は決してお題目や綺麗ごとではありません。
実際にCCが面談の場で”やること”です。

最後のワークでは、たった1問・1場面を考えるだけでも相当悩みましたよね。
本来、質問とはそれぐらい知恵を絞らなければいけないものなんです。

気軽に聴けるから、質問したら何か答えてくれるだろうから、私が知りたいから…。
そんな甘い動機ではなく、真剣に真正面からCL第一を考えて、
「今、この場面で、このCLに対して良い効果をもたらす問いは何か」を
とことん突き詰めて考えられる、そんな姿勢を持ったプロのCCをぜひ目指して欲しいです。

「相談記録の書き方」の講習の振り返り

SOAP記録のAの部分がきちんと「自分で考えて書ける」ようになることを目指しましょう。

今回の講習の中では、2回相談記録を書く練習をしましたが、
その中でも1回目の個人ワークの後にこの話をさせてもらいました。
1回目の相談記録作成のトレーニングで顕著になったのは、
CCが考える問題点(O)と考察(A)の区別がつけられていない、という点でした。

なぜCCが考える問題と考察に区別が付けられていないのか、
その一番の理由は

CLが訴える問題(S)よりCCが考えた問題(O)にばかり目が向いているから

という一言に集約されます。
でも、実はこの傾向になってしまうCCさんは、非常に多いです。

今回だけでなく、このK-5:相談記録の書き方の講習をする際には、
記録作成の作業の前に毎回、

考察(A)は、CLが訴える問題(S)とCCが考えた問題(O)を踏まえて、
あらためてもう一度、何に困っているのだろう?と考えること

という注意を添えた状態で取り組んでいただきます。
それでも、しばしば今回のようにCCが考えた問題(O)にばかり偏って考えてしまう…
そこからわかること・CCとして気を付けなければいけないことは、
そういうものの見方を、普段の相談現場や記録作成でもやっていませんか?ということです。

それからもう1つ。相談記録を書くうえで大事にして欲しいこととして、
もしその相談記録を開示したときに、相手が納得してくれるか?という話もしましたね。

では、相談に来たCLが一所懸命に自分が相談したいこと(S)を訴えいているのに、
目の前のCCは、CCが考えた問題(O)にばかり気を取られていて、
記録用紙を見てみると、肝心な考察(A)にはCCが考えた問題(O)の視点ばかり書かれている…。

その記録を見たCLは、きっとこう言いますね。

この人(CC)は、わたしの話を全然ちゃんと聞いてくれてない!

わたしに対して”あれが問題が”とか、”ここがおかしい”とか、そんな目線でしか見てない!

わたしが相談記録を書くことで自己研鑽をしてください、
自分の面談を見直してください、と何度も繰り返し伝えていたのは、まさにこの部分です。
CLからこんなことを言われかねないような記録の書き方で、本当にいいのでしょうか?

相談記録を書いている最中も、支援中です。決してオフタイムではないのです。

CLに見られても恥ずかしくない相談記録を書くこと。
そして、CLや第三者に見せても納得してもらえる内容・視点で書くこと。
そこまでできて、初めて相談記録に付加価値がつけられるのです。

単なる自分用のメモとは、全然違いますよね。
今回の講習参加をきっかけに、相談記録の書き方の見直しと、
それを通して自分自身の面談・支援の姿勢の見直しもぜひ取り組んでみてください。
レポートにも書けることが、たくさんあるはずですよ。

「事例検討と倫理」の講習の振り返り

より良いCCとして成長・上達していくためには「品質管理」が必須です。

今回の講習では、これからCCとしての活動を始めようというの方や、
「さび落としをしたい」「自分の支援のあり方を振り返りたい」という動機で学びに来た方など、
まさに今回のK-1:事例検討と倫理の講習にぴったりの方たちがいらっしゃってましたね。

そんなみなさんが一番強く関心を持ってくださった場面であり、
またわたし自身も一番力を入れてお伝えした場面もここでした。

品質管理、という言葉がまだまだCCの世界では知られていないことや、
ただ新しい情報・新しい言葉にばかり飛びついてしまうCCがたくさんいること、
何よりも「自分は大丈夫だ」という根拠のない自信をベースに
自分の経験や感覚頼みで他者の人生に関わるリスクが認識できていないCCがたくさんいること…。

これらの問題がすべて「CCが自らの品質を厳しくチェックできていない」ことに
起因していることは、講習の中でお話をさせていただいたとおりです。

弊社がこの講習に「若葉マーク」を付けている一番の理由は、

自分のアウトプットに責任が持てない・品質管理ができないのはプロではない

ということを、できるだけ早い段階で気付いていただきたいからです。
今回いらっしゃった方もみなさん、このお話にはすごく真剣に聴き入ってくださいましたね。

CCというお仕事の大きな魅力は、支援をしたCLさんが元気を取り戻したり、
悩みが解消されて明るく成ったり、自分の方向性を見いだせて一歩踏み出せるようになったり、
その「良い変化」に立ち会うことができることかと思います。

一方で、すごく大事な人生の分岐点に立ち会うことも多いです。
そこで対応を1つ間違えると、他者の人生を大きく狂わせてしまうリスクもはらんでいます。

CCという仕事は決して楽しいことだけではないですし、
ましてや「自分の経験で他者を助けたい」という独りよがりな動機では通用しない、
自分中心の発想ではプロとは言えないという厳しさもあります。

人を支援する喜びの裏側にある大きな責任を受け止め、
それを引き受ける覚悟を持つこと。

そのためにも、自分の経験や勘に頼ったあやふやな基準で
支援の良し悪しを決めていてはいけないですね。

講習の中でお伝えしたお助けアイテム・倫理綱領をベースにして
自分の面談・支援の姿勢の良し悪しを客観的に見る習慣をつけること。

まずはここから始めてみてください。

倫理綱領を何度も読んで、それに沿った支援になっているかを常に確認することで、
わたしがこうしたいから、わたしはこう思うから、
というアマチュアレベルでの関わりにならなくて済みます。
そして、プロとして誠実にCLと向き合う関わり方ができるようになります。

この講習に参加した方も、この記事を読んでくださっている方も、
プロとしての支援ができるレベルを目指して、これからも弊社で一緒に学んでいきましょう!

では、ここからは参加されたみなさまの感想・お声をご紹介します。
今回もたくさんのメッセージをいただきましたので、
一部だけになりますが、ぜひご覧ください。

参加された方の声

では、ここからは今回の講座にご参加いただいた方のアンケート内容をご紹介します。
今回もたくさんのお声・感想をいただいていますので、ぜひ楽しんで読んでください。

昨日は、ありがとうございました。資格を取得したばかりでの初更新講習となり、やや緊張しましたが、途中からは、リラックスして参加することができました。倫理綱領の重要性を再認識することができました。初心者の私には、倫理綱領が道しるべであることに気づきました。八阪先生からもっと学びたいと思いました。

講習と振り返りメールを通して、CLを理解するためにあなたはどれほど考えたのかと、問いを突きつけられた思いがしました。そんな姿勢が相談記録の書き方にも表れていたのではないか、相談記録の書き方のトレーニングとはかかわり方のトレーニングなのだと思いました。今回は更新講習と言うよりスキルアップのために受講しましたが、CLのために考え抜くという当たり前でありながらできていなかったことを学んだと思います。

こちらの講習は、2度目です。web講習だったので、ワーク後のディスカッションが、なんとなくぎこちなく残念でした。もっと会話が出来るようどんどん意見を出せば良かったと反省しています。ディスカッションの時は、ミュートを全員解除した方が話しやすいと思います。
八阪先生のお話は、「相談者に寄り添うキャリアコンサルタントとは」と問われている様で、基本を思い出しました。関係性(信頼関係の構築)を丁寧に記録に残す事は、相談者にどう向き合ってあげれば良いのかを、誰が読んでもヒントになる事に気付きました。漠然とメモをとっていた記録から開示請求に応えられる記録になるよう取り組んでみます。
残り3年で2度目の更新になります。キャリアコンサルタントとしての活躍は、殆ど有りませんが、学んだスキルを活かし「傾聴カウンセリング」のボランティア活動にいかしていきたいと思います。ありがとうございます。

受講のきっかけは、休業者の面談内容まとめに時間がかかっていたため、シンプルで効果的な相談記録が書けるようになれば間接業務時間削減になるのではと思ったからである。そもそも自分がこれまでまとめていたことは、自分が覚えておくための単なるメモで、相談記録ではないことに冒頭から気づかされた。私自身が主体ではなく、常にCLが主体で継続的に質の良い支援ができるように書くものだった。根本から間違っていたことに愕然としたが、気づかせてもらえる貴重な機会であった。

質問の奥深さを実感しました。「この質問が、本当にクライエントのためになるのか」の視点を忘れずに面談にあたりたいと思います。ありがとうございました。

改めて面談する際の、質問の出し方の奥深さを再認識しました。クライアント視点での面談の基本であると思いました。

講師の八阪さんのクライアントに対する姿勢に大変感銘を受けました。自分はどうだろうかと振り返り、気付きを頂いたと思います。ありがとうございました。

当日の講座の様子

アンケートにご協力をいただいたみなさま、ありがとうございます。
まだの方も、よろしければぜひご感想をお聞かせください。

いつもこの写真・画像を切り抜く作業をする最中に、
「みなさんの理解度はどうだったかな?」とか、
「どのくらい自分の課題点として認識してくださったかな?」とか
考えたりするのですが、画像で見るとすぐにわかりますよね。

楽しい中にも真剣な要素もあり、
ニコニコするシーンもあれば、ピリッとする場面もある。
そんな弊社ならではのバランスの良さを心地よさとして
感じてくださっていたのかな、と思っています。

ご参加いただいたみなさん、ありがとうございます。
それでは、また次の講習でお会いできることを楽しみにしていますね。

弊社の国家資格CC更新講習 特集ページのご案内

弊社が企画・運営する国家資格キャリアコンサルタント更新講習について、
弊社ならではの特長やメリット、お客様の声、よくある質問(Q&A)などを
わかりやすくまとめたページをご用意いたしました。

この記事をご覧になって、「参加してみたいな」と思った方はもちろん、
まだ迷っている方や、他社と比較したい方も、ぜひ一度このページをご覧くださいませ。

詳しくは、以下の「国家資格CC更新講習のご案内ページはこちら」の
ボタンをクリックしてご覧ください。

みなさまのお越しを心からお待ちしております。