ブログ

4月9日(日)国家資格キャリアコンサルタント更新講習(事例検討と倫理,学生・若者支援)の様子

4月9日(日)国家資格キャリアコンサルタント更新講習(事例検討と倫理,学生・若者支援)の様子

執筆者 | 八阪 義浩

4月9日(日)に、ZOOMを用いたweb形式にて、
「国家資格キャリアコンサルタント更新講習」
~事例検討の効果的な進め方と倫理綱領の上手な活用法を学ぶ~

~学生・若者支援に関わるキャリアコンサルタントに本当に必要な面談技術と心がけ~

を開催いたしました。

こんにちは。働く楽しさ研究所の八阪です。

この日は今年度はじめての国家資格キャリアコンサルタント更新講習でした。
実は昨年度のスケジュール設定の時点から、ちょっとしたこだわりを持って、
「新年度の始まりは、弊社でも特に力を入れている2講座で進めたい」と
考えていましたので、こうして無事に開催できて良いスタートが切れたなと思っています。

今回は特に初めてお会いする方も多くいらっしゃいました。
数ある更新講習の中から、弊社を選んでいただいて、ありがとうございます。
当日は、弊社のスタンスや雰囲気になじんでいただけるよう、
グループワークでも補助を少し多めにさせていただきましたが、
それが良い学び・気付きに繋がっていれば嬉しいです。

それでは、ここからは講座の内容から特に大事な点をピックアップして
あらためて記事にしていますので、参加された方は復習に、
まだ参加されていない方は今後の検討材料に、ぜひご活用いただければ幸いです。

事例検討と倫理」の講習の振り返り

自分は大丈夫、自分はちゃんとできていると思った瞬間、劣化は始まっています。

今回の講習は、人の人生を左右する場面に立ち会うCCとして、
欠かすことのできない考え方・視点をたくさんお話させていただきましたが、
その中でも特に、この部分を強調してお伝えさせていただきました。
受講されたみなさんが、気を引き締めた瞬間でもあったように思います。

品質管理というキーワードで一貫してお話をしましたが、
「自分は大丈夫」と思った瞬間から、学ぶのをやめ、成長も止まり、
何か自分が詳しくなったかのように思い違いをし、
そして実際の面談でも、こうした講習でも、相手より自分が優位にあるかのように振る舞ってしまう。
悲しいかな、そんなCCをわたしもたくさん見てきました。

それでは、今回参加されたみなさんはいかがだったでしょう?

自分自身の品質管理もしないまま、CLの人生の大事な場面に関わることが
いかに危険で怖いことか、それを認識してこそのプロです。

自分がこれが正しいと思うから発言する、というような軽い動機で言葉を発している限り、
「プロと名乗っておきながらアマチュアと変わらないアウトプットを出している」
ということに他なりません。

わたし自身も講習の中でお話しましたが、1級CC技能士を持っていたとしても、
それでもなお、毎回面談するたびに

これで良かったのかな?もっと他にいい支援はできなかったかな?

と模索したり、

もしかしてCLに悪い影響が出ていないかな?何かリスクを冒していないかな?

と考えることが多々あります。

また、そういう意識づけをいつまでも持ち続けることこそ、
いつまでも自分の品質を管理し続けることに繋がる、プロとしての姿勢であると考えています。

そして、その考えは、ぜひ今回グループで取り組んでいただいたように、
事例検討でも活かして欲しいです。

事例検討をするということは、その事例はどこかしらに問題があるものです。
今回の講習では特に、用意した事例は穴だらけ・問題だらけの内容でしたよね。
それを見たときに「ああすべき・こうすべき」と言うのは簡単なことです。

2回目の事例検討でお話したように、事例を出したCCにも良いところは必ずあります。
ましてや、自分のうまくいかなかった事例に対して、隠すことも無く勇気を出して、
わざわざみなさんの前に出している
のですから、まずは温かく迎え入れたいですよね。

事例に対してあれはダメ、これはダメというだけでは、良い事例検討になりません。
でも、現実にはそんな事例検討と言う名のダメ出し会がたくさん行われています。

それではいつまで経っても「品質管理をしよう、他者からの視点を取り入れよう」という
より良い支援を目指すCCは増えることはありません。
むしろ、悪い事例検討をしてしまうことで、
自分で事例を抱え込んでしまったり、自分が正しいと信じるCCが増えてしまいます。

事例検討を温かい場にすることで、品質管理をする意味や価値を感じられるようにする。

これが少しずつでも広まっていけば、冒頭でお話したような、
自分は正しいと信じて好き勝手なことを言ってしまう/やってしまうCCも減り、
良い支援ができるCCが増えていくことになります。

今回参加されたみなさんには、ぜひ良いCCを増やすための取り組みとして、
事例を出したCCが、事例検討参加して本当に良かったと思える”場づくり”を行なって欲しいです。

「学生・若者支援」の講習の振り返り

フラットな関係性を維持することの大事さと、難しさをよく噛みしめてください。

今回の感想でも特に多かったのが、上下関係とフラットな関係の差の話でした。
自分が知らぬ間に上下関係を作ってしまっていたことや、
学生・若者であるからこそ「教えてください」と言われがちなこと、
そこで喜々としてあれこれ教えることがリスキーであること等、
他社ではなかなか触れることのない、学生・若者支援の肝のところをお伝えしました。

その中で「ではどうすれば、フラットな関係性を維持できるのか」というところで、
みなさん悩まれておられたかと思います。
そこで、事例としてお話したゲーム好きの学生の件を思い出してみてください。

彼にとっては、頑張ったこと・好きなことをただ言っているだけなのに、
その話題が一般受けするか否かで反応を変えてしまう。
そして「ほかにもっといい話題はない?」と聞いてしまったりする。

あるいは、一番よくある相談テーマでもある「応募書類の添削」でも、
CLの書いてきた内容の是非や正誤を訂正することばかりに躍起になってしまう。

どちらも、その行動が持つ意味を見失っている状態ですね。

自分が知りたいことを質問をすればするほど、そして添削をすればするほど、
自分が正しくてCLが間違っているという構図になります。

わたしたちCCは、その「構図」を理解したうえで面談・支援をしなければいけません。

もちろん、目の前のCLがせっかくお話しくださった課題を放置するわけにはいきませんが、
その解決を支援するときに、今自分の関わりがどんな効果をもたらすか、
一歩引いた目線で見ることはできていたでしょうか?

他者に言われたとおりにしか動けない「マグネット君」を創ることになってしまっては、
CLへの支援どころか、CL自身の主体性や自己決定の機会を奪ってしまうことになります。

目先の解決策にばかり追われて視野が狭くなっていては、
支援者として十分な役割を果たすことはできないということですね。

また、最後のディスカッションやその前の講義でも、
CCとしての役割をどの程度認識しているかを問い直される内容でした。

過去のCCの経験をもとに、学生・若者を支援することに果たしてどの程度の価値があるのでしょうか?
それをズバリ問いかけをいたしました。
非常に難しいテーマであったかと思いますが、
それでも、学生・若者の支援をするなら必須の考えであったことも、実感されたことかと思います。

CCの過去の経験と、CLの未来はどちらが大事か、言うまでもないはずです。

今、学生の立場である彼らは、2070年代まで働くことが「ほぼ決まっている」とお話しましたね。
それと合わせて、時代がどう移り変わっていくでしょうか?
2070年代は、AIが人間を超える時代すらも、ゆうに過ぎてしまっています。

できれば生き生きとしたキャリアを歩んで欲しいですし、
少なくとも、どうにかこうにか適応して生き残って欲しいのは、わたしも同じです。

でも、CCが自分の経験をアウトプットするためにCLが存在しているのではないのです。
答えの無い、そして変化の激しい時代に向き合うのは、CL自身に他なりません。

彼らが向き合う未来の社会で求められる力とは何か、文字通りCLと一緒に考えること
それが本当の支援者の考えるべきことではないでしょうか。
日々の支援の中で、少しでもそんな視点を持てていたか、ぜひこれを機に振り返ってみてください。

では、ここからは参加されたみなさまの感想・お声をご紹介します。
今回もたくさんのメッセージをいただきましたので、
一部だけになりますが、ぜひご覧ください。

参加された方の声

では、ここからは今回の講座にご参加いただいた方のアンケート内容をご紹介します。
今回もたくさんのお声・感想をいただいていますので、ぜひ楽しんで読んでください。

大学のキャリアセンターで学生支援のお仕事を始めさせていただいたばかりですが、エントリーシートの添削をどこまでやる必要があるのかという点でとても迷いがありました。私とシフト交代勤務しているベテランの方は、文言一字一句まで、場合によっては文章を考えてメールでやりとりをしていることもあるのを見て正直なところ驚きました。
講習を受けて、添削をしないという選択肢、添削をすることによる弊害という考えに触れ、肩の荷が降りました。私はやはり今後も、一字一句まで細かく言うことはしないでおきたいと思います。また、まだ私らしい言い回しがみつからないのですが、添削をすることによる弊害を学生さんにお伝えし、学生さんに決めていただけるようになりたいと思いました。

同じ言葉を使っても人それぞれで意味が変わること。自分視点や自分基準で物事を考えないこと。倫理要綱を基準に考えること。自身の品質管理が重要なこと。真摯に自身と向き合い常に振り返ること。恐怖心があることは健全であると教わり気持ちが落ち着きました。

マグネットくんを作り出してしまう、という点にハッとしました。ESの添削など、きちんとやらなければということにとらわれて、本来CLが自分で乗り越えてゆける力を奪わないよう、肝に命じます。

学生支援に携わる方には必須な講習だと思いました。『教えてあげる』ではないフラットな関係性の難しさ、これからの未来を生きていく学生に対する支援の問題点、とても勉強になりました。

倫理綱領を真剣に読みこんだのは初めてでした。普通のことが書いてあるにもかかわらず、いかにこのように実践するのが難しいか、できていないかがわかりました。

当日の講座の様子

アンケートにご協力をいただいたみなさま、ありがとうございます。
まだの方も、よろしければぜひご感想をお聞かせください。

春らしく、明るく楽しく学んでいただく講習にしたかったのですが、
参加されたみなさんの表情などを見てみると、そんな雰囲気も伝わってきますね。
お顔を隠している方も、すごくいい笑顔の方がたくさんおられて、
「せっかく学ぶならば楽しく、でも真剣にピリッとする箇所もあるように」
という塩梅もちょうど良かったのかなと思っています。

今年度も、弊社ならではの温かくも深い気づきに繋がる
良い雰囲気の講習を開催できるように努めていきたいと思います。

ご参加いただいたみなさん、ありがとうございます。
それでは、また次の講習でお会いできることを楽しみにしていますね。

弊社の国家資格CC更新講習 特集ページのご案内

弊社が企画・運営する国家資格キャリアコンサルタント更新講習について、
弊社ならではの特長やメリット、お客様の声、よくある質問(Q&A)などを
わかりやすくまとめたページをご用意いたしました。

この記事をご覧になって、「参加してみたいな」と思った方はもちろん、
まだ迷っている方や、他社と比較したい方も、ぜひ一度このページをご覧くださいませ。

詳しくは、以下の「国家資格CC更新講習のご案内ページはこちら」の
ボタンをクリックしてご覧ください。

みなさまのお越しを心からお待ちしております。