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6月4日(日)国家資格キャリアコンサルタント更新講習(洞察力と環境・相談記録の書き方)の様子

6月4日(日)国家資格キャリアコンサルタント更新講習(洞察力と環境・相談記録の書き方)の様子

執筆者 | 八阪 義浩

6月4日(日)に、ZOOMを用いたweb形式にて、
「国家資格キャリアコンサルタント更新講習」
~洞察力を高めて相談者の本音に気づける環境理解のしかた~

~シンプルで効果的な相談記録の書き方トレーニング~
を開催いたしました。

こんにちは。働く楽しさ研究所の八阪です。

週末には台風が直撃して、関東以西は電車も止まるなど
大変な状況に直面した方もたくさんいらっしゃったかと思います。
この記事を読んでくださっているみなさまは、ご無事だったでしょうか。
当日、参加されたみなさまの中にも、苦労された方もおられたかもしれませんね。
不意のご欠席等が無くて、まずはホッと安心しながらお話をさせてもらいました。

今回の午前・午後の組み合わせは今まであまりない、珍しいパターンでした。
午前の「洞察力と環境」では、CL理解を広める・深めるための視点と知恵の絞り方、
午後の「相談記録の書き方」では、より実践的で現場に近い内容と、
ダブルヘッダーで受講された方は本当に濃密な時間になったのではないでしょうか。

振り返りメールで補足・サポートしていますので、
しっかり学んだことを振り返って、ご自身の中に定着させていきましょうね。

それでは、ここからは講座の内容から特に大事な点をピックアップして
あらためて記事にしていますので、参加された方は復習に、
まだ参加されていない方は今後の検討材料に、ぜひご活用いただければ幸いです。

洞察力と環境」の講習の振り返り

周囲との関係性は、ただ単に「存在しているかどうか」ではなく、
CL本人にとってどうなのか?という視点で考えてください。

弊社の更新講習(5講習)の中では、この「洞察力と環境」の講習は
やや難しい方になるのですが、それでも参加された多くの方が
このポイントの大事さに気づいてくださっていましたね。

受講当日の表情やグループディスカッション時のコメント、
あるいは参加者アンケートなどでも、
CLの言葉・考え方を掘り下げていくことの大事さに触れている方が多かったです。

その”掘り下げ”をどう進めていけばいいのか、そのヒントになるのが冒頭に挙げた部分です。
CLの周りにどんな人がいるのか、仮に人間関係のマップを描いてみたときに、
その周りの人たちや、彼らとの関係性を、CLの視点で受け止めることができているかどうか。
ここに尽きるというお話をさせていただきました。

1つ目に私が小話的に挟んだ学生のケースが分かりやすかったでしょうか。
「周りにどんな人がいて、どんな影響を受けているのか」を考えた時に、
真っ先に挙げられた”親”の話。

親がいるからと言って、必ず就活中の子供の助けになってくれるか?というと
決してそうではないですよね。時にはマイナスに作用してしまう関係性になっていることもあります。
さらに、その時に取り上げた学生の事例の場合は、
「マイナスに作用しているのに、CL側から切ることができない強固な関係性」
という非常に複雑な状態
になっていました。

学生の支援をしている方であれば、働くイメージがなかなか湧かないこともあるCLに対して、
親が一番身近な社会人のサンプルであり、
学べることや気づくことがたくさんある存在だ、というのはよくご存じかと思います。

でも、今回の事例の場合は、そんな一般論では通用しない内容でしたね。
親がいるかいないかで言えば確かにいる。
ただ、CLにとって助けになる・役に立ってくれる存在かというと、決してそうではなかった。

CLから見たその親という存在(周囲のリソース)は、物理的には存在しているけど、
実際には使えない(無いのと同じ・無い方がまし)ということ
になります。

この例を挙げた理由として、CCから見た周囲のリソースの意味と、
CL本人から見た周囲のリソースや関係性(人間関係)には違いがあること、
一般論やお節介で「相談してみたら?」なんて言ってしまうと
大事故になってしまうリスクがあること、そこをわかって欲しいと思ってお話させてもらいました。

CLのお話を伺っていると、CCから見れば、

身近なところに相談できそうな人がいるじゃないか

と思うこともあるかもしれません。

でも、本当にその人はCLにとって味方なのでしょうか。
本当は味方であったとしても、CLにはそのように見えているでしょうか。
CLに寄り添う・CLを理解するためには、まずCL側から見てみることが必要なのです。

2つ目のディスカッションで使用した事例なども思い出してみましょう。

上司とは良い状態とは言えない、とCLは考えているけれども、
上司は本当にCLのことが嫌いなのか、遠ざけているのか…どうだったでしょう?
今回、昇進までするようなCLですから、直属の上司が評価していないとは思えないですよね。

でも、CLから見れば、その上司とはうまくいっていないし、好意的な存在ではない。
それが、CLから見た世界の上司像なのです。
そして、わたしたちCCは、実際の上司がどうであるか判断したり、CLの思い込みを指摘する前に
そのCLから見た世界を味わうことで、CL理解を深めていく必要があるのです。

CCの仕事は、CLの話が事実であるか否かを判断することではありません。
そもそもCLは、事実か否かをCCにジャッジメントされるために来ているのではないです。

CCとは違う見方、一般とはずれた解釈をしていても、
あくまでも”CLからはどう見えているんだろう?”と考え、
時に想像もしながら、CLの見方を理解することが第一です。

CL理解は、事実の把握ではありません。問題を指摘する材料集めでもありません。
言ったことをただ言葉通りに解釈するのではなく、言葉の奥にあるCLの内心を、
みなさんは果たしてどれくらい掴むことができていたでしょうか?

CLが見えている世界を見て、CLがわかってほしいことをわかる。
そして、そのCLが見えている世界の中で、CLが思わず言いたくなっているであろう
心の叫びにも耳を傾け、言わんとしていることを汲み取れるようになる。

そのレベルまで、ぜひ目指して欲しいです。

「相談記録の書き方」の講習の振り返り

自分がうまく面談するため・自分が忘れないようにするためなど、
自分のために書いているものはただのメモであって、それは相談記録とは言いません。

午後の「相談記録の書き方」の講習は毎回人気のテーマなのですが、
弊社の講習に初めて参加する方が多かったので、この振り返り記事でも、
講習の肝であり、また基本のキでもあるこの部分について触れてみようと思います。

相談記録を書く時、たいていの職場では、CLが帰ってから書いているのではないでしょうか。
手書きなのか、PCでシステム等に打ち込んでいるのかは別として、
相談に乗ったCLはもう帰ってしまっている中で、
相談内容を思い出しながら書いている、というのが実務上の流れかと思います。

この誰も見ていない状態での記録作成の時に、どれだけ真剣に、誠実に、
「CLのために良い支援をしよう」と考えながら書けていたでしょうか?

今回の講習では、記録を書く時の技法や個別の対応の前に
一番大事な根っこのところをお伝えさせていただきました。

わたしの面談が下手だと周りに思われないように…

わたしが次の面談で忘れてしまわないように…

わたしの職場のルールや書き方に合った記録をするために…

これらは全部共通項がありますよね。
そう、主語がわたしになっている。自分中心の考え方になっている、ということです。

そんな自分中心の考え方のまま相談記録を書いている、ということを
CLがもし知ってしまったらどうなるか、考えたことはありますか?

講習の最初の段落で、記録を書く目的の話もしましたね。
どんな業種・どんな仕事でも、目的が先にあって、その目的達成のために記録を書きます。

医療や介護の世界では患者さん・利用者さんのために記録を書きます。
車検や整備をやっている車屋さんも、お客さん(と車の)安全を守るために記録をつけます。

では、わたしたちCCは、誰の何のために支援していますか?
相談者がより良く生きて・働いていくために書くのですよね。

その元々の活動目的に沿った記録を書けていない限り、
相談記録と呼べるクオリティではない
のです。
自分の保身や自分の評価のために、あるいは自分が順調に仕事できるようになるために記録を書く、
なんて状態では、他の業界から見れば未熟と言われても仕方ないですよね。

だからこそ、今回来てくださったみなさんがまず第一にやって欲しいこと、
それはテクニック的な書き方の技法や文章の創り方ではないんです。

まずは自分自身が、たとえCLが見ていない場であったとしても
本当にCL第一で、CLの支援に役に立つことを残し、
支援がきちんとつながる・継続するように考えながら記録できていたのかどうか。
そこをシビアに振り返る習慣を身に着けることです。

どんなに技法やテクニック、やり方を学んでも、
それを使う側の心根が真っ当でなければ、いい支援にはつながらない
です。

わたしが上手く書くことではなく、CLにとって良い支援ができるようになること。
そのために、面談を行なうときも、記録を書く時も、
CLの良い支援につながるかどうかを主眼におけるCCになって欲しいです。


では、ここからは参加されたみなさまの感想・お声をご紹介します。
今回もたくさんのメッセージをいただきましたので、
一部だけになりますが、ぜひご覧ください。

参加された方の声

では、ここからは今回の講座にご参加いただいた方のアンケート内容をご紹介します。
今回もたくさんのお声・感想をいただいていますので、ぜひ楽しんで読んでください。

相談者には多様な関係性があり、その関係も、あるようで無かったり、関係のパイプの太さや細さ、さらには、堅さや脆さがあると知りました。今後は頭の中で関係性のフレームワークを描いたり、実際に書き出したりして活用するとともに、相談者の言わんとすることを理解することに努めたいと思います。ありがとうございました。

これまで相談者の発した言葉にだけ焦点をあて掘り下げてヒアリングしていましたが、相談者の周りの環境や背景にも焦点をあてることに関しては盲点でした。特に、相関図のように関わる人たちを頭に描くことで『相談者はこう言ってるけど本当のところはどう感じたんだろう?どう思っているのだろう?』と次々に頭の中に浮かんできました。
また、自分の聞きたいことを聞くのではないということを念頭におき、早速、本日の業務より相談者と話す際に習得したことを実践してみたところ、『実は…』と少し話しにくいこともしっかり伝えてもらうことができたので、今後も実践を繰り返し自己研鑽に努めます。

視点を増やすことで相談者理解が深まり、広がる。また、相談者の周囲にいる人物が必ずしも味方とはかぎらない。また、相談者が言ったことと訴えていることは異なることもある。相談者が相談にきた理由はや言語化できないもの、相談者がみえている世界観で物事をみることが大事であるということに気づきました。

この度の受講動機が“自分自身の記録のため”相談記録の書き方を学びたいということでしたが、私のその考え方そのものが間違いであり、“相談者のため”“より良い支援のため”という根本的なこと、誰が見てもわかる記録を残すことでそれが相談者へのより良い支援に繋がること、分かりやすい相談記録を残すためには相談そのものを振り返る為自身の対応の振り返りにもなり相談の質向上にも繋がることを学びました。
『相談記録の書き方』の講座ではありましたが『相談記録の書き方』のみならずキャリアコンサルタントとしての資質そのものやキャリアコンサルタントとして求められる役割等々様々な点で改めて考える時間になりました。

今回の講座を受講させていただいて、今まで主訴と問題点の区別があいまいだったことがよくわかりました。そして改めて、相談者の話をよく聞くことは難しいことだと思い知らされました。私の頭の中は、相談者の話を聞いて、「そうなんだ、ここが問題点かもな」と思うだけで、その先のキャリコン的思考が全く展開できていませんでした。今回は特に頭が疲れました。濃密な学びの時間をありがとうございました。

相談者の人生に影響を与えかねない1回(の面談)。八阪先生の言葉で、「我流で人事職は怖い」と思った、キャリアコンサルタントの資格取得の動機を思い返しながら受講できました。キャリアコンサルタントとして、無責任なひとりよがりなかかわりになっていないか、厳しい目で自分を振り返りなさいと檄を飛ばしていただいた感覚です。ありがとうございます。

当日の講座の様子

アンケートにご協力をいただいたみなさま、ありがとうございます。
まだの方も、よろしければぜひご感想をお聞かせください。

今回もたくさんの方に来ていただいていますが、
特にご新規さんが多かったこともあって、最初はみなさんちょっと緊張されていたでしょうか?
少しずつ講習が進むにつれて、ニコニコするシーンだったり、驚きの表情だったり、
柔らかくなっていく様子がうかがい知れたので、弊社・わたしのトーンやペースにも
みなさんが馴染んでいってくださったのかなと思っています。

穏やかで温かく、それでいて中身は時に厳しく鋭く、というメリハリが
弊社の更新講習の特長(だと過去の参加者の方がおっしゃられます)ので、
今回も、緩急をつけながらも、みなさんに良い学び・気付きをお届けできたかなと思っています。

ご参加いただいたみなさん、ありがとうございます。
それでは、また次の講習でお会いしましょう。

弊社の国家資格CC更新講習 特集ページのご案内

弊社が企画・運営する国家資格キャリアコンサルタント更新講習について、
弊社ならではの特長やメリット、お客様の声、よくある質問(Q&A)などを
わかりやすくまとめたページをご用意いたしました。

この記事をご覧になって、「参加してみたいな」と思った方はもちろん、
まだ迷っている方や、他社と比較したい方も、ぜひ一度このページをご覧くださいませ。

詳しくは、以下の「国家資格CC更新講習のご案内ページはこちら」の
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みなさまのお越しを心からお待ちしております。