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9月24日(日)国家資格キャリアコンサルタント更新講習(事例検討と倫理・相談記録の書き方)の様子

9月24日(日)国家資格キャリアコンサルタント更新講習(事例検討と倫理・相談記録の書き方)の様子

執筆者 | 八阪 義浩

9月24日(日)に、ZOOMを用いたweb形式にて、
「国家資格キャリアコンサルタント更新講習」
~事例検討の効果的な進め方と倫理綱領の上手な活用法を学ぶ~

~シンプルで効果的な相談記録の書き方トレーニング~
を開催いたしました。

こんにちは。働く楽しさ研究所の八阪です。

この日は今月最後、そして2023年上半期最後となる国家資格CC更新講習となりました。
9月の下旬でしたので、おそらく少人数になるんじゃないかな、と思いながら
日程設定をしていたのですが、想像通り、今回は午前・午後とも少人数での開催になりました。

1グループしかできないのは、登壇する側としてはちょっぴり寂しいのですが、
ディスカッションや個人ワーク、フィードバックにたくさんの時間を割くことができるので
参加されたみなさんにとってはメリットが大きかったかもしれませんね。

特に今回は初めて参加される方もいらっしゃったので、
いつもより丁寧に、1人1人の希望も聴きながらお話をさせてもらっています。
ぜひ、「自分自身の課題」と正直に・誠実に向き合って、学びを深めていってほしいです。

それでは、ここからは講座の内容から特に大事な点をピックアップして
あらためて記事にしていますので、参加された方は復習に、
まだ参加されていない方は今後の検討材料に、ぜひご活用いただければ幸いです。

事例検討と倫理」の講習の振り返り

自分自身の面談の内容・支援の仕方を振り返る”機会”が成長を促します。

この講習はわたしが特に”受講して欲しい”と思っている内容ですが、
その一番の理由がここにあります。

当日もお話ししましたが、CLからあまり芳しくない反応があった時に

あれっ?もしかして自分の支援の仕方が間違ってるのかな?

と不安になってしまう、という参加者の方に対して、
それは当たり前の感覚であって、むしろ”自分は大丈夫だ”と思っているCCの方が問題ですよ、
ということをお伝えさせていただきました。覚えていらっしゃるでしょうか?

CCはキャリア支援のプロと言っても、それは決して完璧な人のことでもなく、
また、CLに対して何でもできる人・何でも知ってる人でもないです。
自分にできる範囲には限界があること、時にはCLの望みと異なる応答をしてしまうことがあること、
その現実をきちんと受け止めつつ、改善に向けて進んでいくのが本当のプロの姿です。

自分は大丈夫だと思う人は、間違っていることにすら気づけないし、
プロとしての成長の機会を自ら放棄して現状に甘んじているだけ
です。

自分自身のできていないところ・至らないところを直視するのは、
とても勇気が要ることですよね。怒られるかも、恥ずかしいかも…いろんな気持ちが渦巻きます。

そんなときこそ、CCとしての原点に立ち返ってみてください。
CCはいったい誰のために存在していて、誰を支えるために活動するのか、です。
もちろん、相談者・CLのためですよね。
そして、”CL第一”というCCとしての基礎・基本を守るためでもあります。

自分自身に問いかけながら行なうセルフ形式の振り返りも、
他のCCたちのサポートをもらいながら行なう事例検討も、
すべてはCLに対してより良い支援ができるようになるために行なうのです。

そして、その振り返りの場をより効果的にするために、
今回の講座では”事例検討にも良いやり方と悪いやり方がある”ということを
実践を通して学んでいただきました。

今回は参加されたみなさんがとても謙虚で穏やかで、
自分が自分が、と自己主張に走ったり、判断基準を自分の体験に置く人は
1人もいらっしゃらなかったので、安心して見ていられました。

そのうえで、もう一歩さらに良い事例検討をするため、
そして事例を持ってきたCCさんが「事例検討できて良かった」と
思ってもらうためにやらないといけないことがある、とお話ししましたね。

そう、事例を持ってきた方に対して、寄り添い・共感をすること。
そして、それを言葉にして示すこと
でした。

事例検討をしたい・した方がいいと”事例提供したCC思ってもらう”ために、
自分自身は何をする必要があるか、という視点で参加すること。

この考え方・視点を持って事例検討ができているCCは、
悲しいかなまだそんなにいらっしゃらないです。
ぜひ、この講習に参加した人から、少しずつこの考え方・視点を広めていってほしいです。

事例検討は決してダメ出しの場ではないし、自説を披露する場でもありません。
実際に困っているのは、事例を持ってきたCCと、その向こう側にいるCLです。

これから先、また事例を持ってきたCCが、自分の支援に自信を持ってもらいつつ、
改善すべきところは改善する必要がある、と健全な捉え方になってもらわなければ、
事例検討の場はまったく有効に機能しなくなります。

実際に、そうなっている現場がたくさんあるからこそ、
どこの支援現場に行っても、事例検討会ってなかなか実施されないですよね。

事例検討はCCとしての品質管理を行なうためのもの。
その品質管理を”ダメ出し”の場にしていては、事例を持ってきたCCは
本当の問題を隠したり、その場しのぎでかわしてしまうだけになってしまいます。

どんなにうまくいかなかった事例でも、安心してその場に出せるようにする。
その場創りができるCCが求められている
、ということをぜひ心に刻んで欲しです。

「相談記録の書き方」の講習の振り返り

どうしても支援が途切れがちなCC業界だからこそ、
相談記録がその”隙間”を埋める役割として重要になるのです。

相談記録の書き方というテーマの講習でしたが、受講されたみなさんにとって
一番響いたであろうポイントを今回は拾い上げてみました。

わたしたちCCの業界は、他業界に比べても特に「関わりが途切れがち」です。
その例として、例えば同じように対人支援職である医療や介護の世界と比べると、
本人が要らないと思った時に途切れる可能性がすごく高い、ということをお話ししました。

例えば自分の家族や友人が、40度の熱が出ているとなれば、

これは自己判断じゃなくて、医療の力が要るよね

ということ自体は誰にでもわかることですよね。
実際に医者に行くかどうかは別として、少なくともわたしたち医療の素人であっても
40度の発熱が異常な事態であり、明らかにプロに診てもらった方がいい、
診てもらう必要があるということは判断できます。

一方でキャリア支援の場合、目指すところが「より良く生きる・働く」という
かなり抽象的で、本人の意向が強く反映されやすい目標になりますので、
本人が要らないと思った時に、すぐ支援が途切れてしまうということが起こり得ます。

それは、他人であるCCが客観的に見て、

いやいや、正直あなたはまだ支援・相談が要るんじゃない?

と思っていたとしても、CL本人が要らないと思ったら相談には来ないです。

そして、そのCLの考えに対して、やっぱり相談を続ける方がいいよと言ったところで、
さっきの「40度の発熱」のように客観的にわかる根拠が添えられないので、
やっぱり引き留めることはかなり難しいんですね。

このCC業界の特性に対応するためにも、記録によって隙間を埋める、
すなわち支援の継続性を保っていけるように書くことが必要になるのです。

そして、その支援の継続性を保つための練習として、
今回はSOAP記録という記録の書き方を通して学んでいただきました。

ちょっと気を付けて欲しいのですが
SOAP記録こそが支援の継続性を保つ方法という意味でお伝えしたわけではない、
ということは、あらためて覚えておいて欲しいです。
あくまでも1つの技法として学んでいただきました。

大事なことは、相談記録のフォーマット(書式)をどれにするかではなくて、

自分の面談をきちんと俯瞰して見ることができるか?
そして文章にして一定の枠内に収められるくらい整理することができるか?

という部分です。
SOAP記録は、例えばCC業界の中でよく耳にする、

  • CL視点の問題点とCC視点の問題点を分けるにはどうすればよいか
  • それぞれの問題点がわかったあとに、結局総合すると何がどう絡まっているのか

などを整理しやすいフレームなので紹介させていただきました。

でも、実際に講座を受講した方に、SOAP記録に沿って書いてもらうと、
実はCLが言ったこととCCが考えたことの境目があいまいになるシーンがあったり、
CLが言った問題点だけ拾ってしまう、CCが考えた問題点だけ拾ってしまう、など、
記録を書いて振り返ってみたからこそわかる、自分のクセもあらわになっていましたよね。

記録の書き方を整理できるようになると、実は自分自身のクセや課題も明らかになる。
それもまた、支援が途切れがちなポイントになっている。

この講習に来られた方・関心を持ってくださっている方には、
そこまで広く深い学び・気付きになって欲しいなと思っています。

では、ここからは参加されたみなさまの感想・お声をご紹介します。
今回もたくさんのメッセージをいただきましたので、
一部だけになりますが、ぜひご覧ください。

参加された方の声

では、ここからは今回の講座にご参加いただいた方のアンケート内容をご紹介します。
今回もたくさんのお声・感想をいただいていますので、ぜひ楽しんで読んでください。

事例検討の進め方と倫理綱領については、八阪先生の講座受講した時から気になっていました。それは、自分が行った面談が、このやり方で良いのかと不安や疑問を持っていたからです。面談業務で信頼されるために大切にしている事のお題から、それぞれの方の大切にされるものは違いました。プロとアマチュアの違いとして、資格を持っているからこそ、その資格の品質で一番を目指し、資格に恥じない努力・維持をする(管理)事を学び、拠り所をひとつ見つけたように感じました。その品質管理の必要性の中で、相談者の人生の一部での関わりでの一言について、意味する内容の受け取りが違う(助けとなる場合もあれば逆の場合もあり)という重みもある事を倫理綱領の「個人の人生設計に関わること」の責任と重要性から学びました。このような解説をいただき、知れたことは目の前のモヤが消えていくような感じがし、急遽申し込み受講して良かったと思いました。
事例検討の進め方について、事例集を読み、グループでの話し合いではいろいろな意見や考えが倫理要綱に照らし合わせて出されました。皆が同じ箇所を同じ目線で感じていたこと等が話せていました。
面談にて、なぜそのようにしたかはCCとして、根拠を倫理綱領から言えるようになることを目標に努力したいと思いました。そして倫理綱領についてのかみ砕いた解説は初めてでした。「レモン市場」のお話から品質管理の必要性と市場価値を下げないように。そして信頼されるCCになる為、日々自己研鑽を惜しみなく続けることが拠り所であり、必要なのだということに気づきました。

プロフェッショナルとしての意識の低さ、考え方の甘さを痛感しました。経験が浅いから、成り行きで仕事に就いたからという言い訳は通用しないし、CLには関係のないこと。だから今より少しでも上を目指して、学びの歩みを止めないようにします。

八阪先生、本日はありがとうございました。
相談記録の書き方については、日々これでいいのかな…次の支援に繋がる記録になっているのかな…
と、自問してもまた、改善するべきポイントがわからず、書きながらも記録とにらめっこするような日々を送っておりました。今日の講座を受講して、自分の弱いところこはここか!とぼんやりしていた弱点がはっきりと自分でも見え、理解でき目からウロコの気付きと学びがありました。
相談者と向き合い、自分とも向き合うことの大切さを教えてくださりありがとうございました。

これまで、面談記録の重要性を強く感じながらも、自己流で対処してきました。他のスタッフも同様で、スタッフ本人の主観が強すぎるもの、趣味・家族構成まで聴いたことを細かく記載しているもの、など名前を確認せずとも誰が記録したか言い当てられるほど、良くも悪くもその人の個性が出ています。

私は面談記録をまとめる上で、「本人が話したこと、対応者が感じたこと・応対したこと ・見立て を他のスタッフが読んでもわかるように書く」ことを心がけてきました。しかし、私にとって決して簡単なことではなく、どうしても記録作成に時間を要してしまい、別業務が立て込んでしまうと面談記録が後回しになってしまうことがしばしばあります。

このように記録業務に苦手意識を持っている私にとって、今回の講習は多くの学びと気づきがありました。特に、目の前に相談者がいると思って記録すること(相談記録も相談の続きであると意識すること)という八阪先生のお話を伺い、面談記録をこれまで後回しにしてきたことを深く反省しました。

今回学んだ、ハイライトを書くこと、SOAP記録と「関係性」でまとめること、など記録のまとめ方については、すぐに身に付くものではありませんが、日々の面談とその記録業務において訓練を積んでいきたいと思います。

当日の講座の様子

アンケートにご協力をいただいたみなさま、ありがとうございます。
まだの方も、よろしければぜひご感想をお聞かせください。

今回はちょっと恥ずかしがり屋さんが多かったのか、
お顔を伏せているお写真が多いですが、実際の講座ではみなさんすごく熱心に、
そして時に笑いも交えて楽しく学んでいただきました。

午後の講座では娘のあんず・みかんの乱入劇もありましたが、
それも含めて温かく・広い心で受け止めてくださってありがとうございます。
(一応、公式マスコットとして、みんなを笑顔にするという職務がちゃんとあります)

これからも、楽しい中にも大きな気付きがある、
わかりやすさとピリッと来る厳しさのバランスを両立した
学びがいのある講座運営をしていきたいと思っています。

ご参加いただいたみなさん、ありがとうございます。
ぜひ、また次の講習でお会いしましょう!

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