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11月26日(日)国家資格キャリアコンサルタント更新講習(学生若者支援・事例検討と倫理)の様子

11月26日(日)国家資格キャリアコンサルタント更新講習(学生若者支援・事例検討と倫理)の様子

執筆者 | 八阪 義浩

11月26日(日)に、ZOOMを用いたweb形式にて、
「国家資格キャリアコンサルタント更新講習」
~学生・若者支援に関わるキャリアコンサルタントに本当に必要な面談技術と心がけ~

~事例検討の効果的な進め方と倫理綱領の上手な活用法を学ぶ~
を開催いたしました。

こんにちは。働く楽しさ研究所の八阪です。

めっきり寒くなって、いよいよ秋から冬に移り変わり、
そして年末・クリスマスを迎える、そんな季節が近づいてきましたね。

実はこの秋くらいからでしょうか、弊社の更新講習に参加してくださる方が増えてきていて、
この日は午前の講習が満席になるなど、賑やかな1日になりました。
お申込みの際の国家資格CC登録番号を見ていると
16~や17~で始まる番号の方がかなり多くなっているので、
更新も2回目を迎える方が多くなっていることがうかがえます。

キャリアコンサルタントの国家資格化、そして標準レベルからの移行の促しが始まった頃は、
更新制度の大変さを訴える声もあったようですが、
CCという仕事の責任の重さや学び続けることの重要性が、
だんだんと浸透してきた証拠なのかもしれませんね。

わたしたちも、「質の高い・良い支援ができるCCを育てる」という目的のもとで、
これからもCLのために力を尽くせるCCを1人でも増やしていきたいなと思っています。
そして、更新講習はその取り組みの第一歩ですので、
ぜひ共感してくださるみなさんと一緒に、これからも学びあい・高め合っていきたいですね。

さて、それでは、今回も更新講習の振り返りをしていきましょう。
当日お伝えした内容から大事な点をピックアップして記事を書いてみました。
参加された方は復習に、まだ参加されていない方は今後の検討材料に、
ぜひご活用いただければ幸いです。

学生・若者支援」の講習の振り返り

まだ働いた経験のないCLから、CCという存在がどう見られるか考えてみて。
CCからCLに”教える”ほど、主体性の無いマグネット君を生み出すことになります。

今回は初めて弊社の更新講習に参加された方も多くいたので、
基本・基礎の部分をより重点的にお話させていただきました。
その中でも、特に受講されたみなさんの反応が大きかったのが
先ほど挙げた「教える行為」の弊害の話だったのではないでしょうか。

わたし自身も、大学のキャリアセンターで勤務していた時や
サポートステーションでいち相談員として働いていた時に、

○○について教えてください

という話し方をするCLさんには、数えきれないほど出会ってきました。
おそらく今でも、毎年この発言をするCLさんは何百万人といることでしょう。

CLがどんな発言をするか・何を目的に相談に来るかはCLの自由ですので、
そこは別に問題ではない、ということもお話ししましたね。
問題になるのは、CC側の考え方・捉え方の部分です。

教えてくださいと言っているなら教えればいい、
そう単純なものではないのが、わたしたちCCのプロとしての関わり方です。

相手が知らないことを教えるだけなら、誰にでもできますし、
それこそ今の技術の発展を考えれば、スマホで検索すればたいていの”答え”は載っています。

素人でもできるような関わり方をして、プロと名乗って相談に乗ることは
本当にCLに対して誠実な態度と言えるのでしょうか?

学生・若者にとって、親以外で一番身近な大人は学校の先生です。
そして、小中高と学生生活を送る中で、彼らは大人の教えることをインプット(記憶)して
試験という場でそのインプットした情報を正確に書けば、点数が高くなり、優秀と判断される。

そんな生活を12年送った高校3年生、16年送った大学4年生が

自分のことを理解することが自己理解、それを面接官に伝えるのが自己PR

なんて話を耳にすると、どうなるでしょうか?
今までやったこともない、考えたこともない視点に触れて、
混乱したり、迷ったり、悩んだりすることは容易に想像できますね。

その悩んでいるときにCLがどういう行動に出るかというと…?
自分が今まで取っていた行動と似た行動、つまり”教えてください攻撃”が始まるのです。

そして、その”教えてください攻撃”を熱意や意欲、あるいは解決すべき課題と考えると、
CC側がCLに教える行為が始まり、上下関係が生まれてしまいます。
CLはおそらく「教えてくれた!ありがとう!」という主旨の発言はするでしょうが、
実際にはそれは他人に言われた通りに行動する方が正しい、という
誤った学習に繋がるリスクをはらむ、非常に危ういやりとりをしているだけ
です。

では、ここまで考えてCLと向き合って、
学生・若者支援をしているCCがどの程度いるかというと…?
ここの答えは、記事を読んでいるみなさんの想像にお任せしますが、
この日、弊社の更新講習に参加してくださったみなさんは、
ぜひこれくらい自分の責任を考えて関わって欲しいです。

目先の問題を処理することばかり追いかけて近視眼的になるのではなく、
そのCLがこれから何年も生きていく・働いていくうえで大切になる視点・考え方を磨く

CCが行なうキャリア支援というのは、それくらい長期の視点に立って考えることが必要です。
最後のディスカッションでは、今の学生・若者がこれから生きていく
2030年~2070年の世界がどうなっているのか、そんなお話もしましたよね。

わたしたちCCの世代はもちろん、CLの世代もまだ経験したことが無い未来の世界で、
生き抜いていく力を身に着ける必要がある彼らにとって、
目先の問題・今CLが言ったことだけの対応をしていたり、
今だけ話題になっているニュースやツール類の使い方をどうこうしているうちは
本当の意味で「CLの生き方・働き方を支えるキャリア支援」とは呼ばない
です。

それくらいの心持ちで、そして答えの無い問とCLと一緒に向き合う覚悟を持って、
根気強くCLと向き合えるCCに成長して欲しいです。

事例検討と倫理」の講習の振り返り

事例検討をより良い学びの場にすることで、初めて”事例を出してみよう”と思えるものです。
事例を出したいと思える場を創ることが、CCの品質管理を実現可能なものに変えていきます。

今回は最初の講義パートの段階から、CCとしてのあるべき姿を意識して
学んでくださっている方がたくさんいたので、
わたしもすごく安心しながらお話をさせていただいていました。

だからこそ、講習の最後でお話した「事例検討という場をどう設計するか」という部分について
ぜひ積極的に考えて欲しい・取り組んで欲しいな、とも思っています。

講習の中では事例検討を2ケース実施して、
2ケース目を実施するときに、少しだけ1ケース目と視点を変えてみるように
促してからやってみると、事例相談者に対する見方・接し方がガラリと変わりましたよね。

事例相談者は、勇気を出して事例を持ってきてくださっています。
みんなの学びに役立つ機会を創ってくださったことに、感謝
と敬意を示すこと。

そう考えると、事例を読んでもダメ出しばっかりすることって、無くなりますよね。
わたしたちCCは、メーカーさんのように形のある”製品”がある仕事ではないし、
しかも面談中は基本的に1人対応をしますので、面談の内容の良し悪しを吟味したり
見直したりする機会は、本人が事例を持参しない限り触れることすらできません。

CCが自分の品質を自分で厳しくチェックできるならいいのですが、
自分のことを客観視することって、そうそう簡単にはできないですよね。
だからこそ、事例検討の場はとても貴重な品質管理・品質向上の機会なのです。

その貴重な機会を、ダメ出しと否定で埋め尽くされた
重苦しい時間にしてしまうとどうなるか…

もう二度と、事例検討なんてしたくない!

そう思われてしまっても仕方がないですよね。
実際に、そんな事例検討を見てきた方、体験してきた方もいるのではないでしょうか。

そして、事例検討で嫌な思いをしてしまうことで、自分の課題点や改善点に気付く場を失い、
難しい事例・困った事例が起きたときに、自分の過去の経験を頼りにしたり、
ごく限られた仲のいいCCの話や、上司の話だけを鵜呑みにしてしまう…。

これでは、CCとしてのあるべき姿を保つことも、
CLのためにプロとして成長していくことも、できなくなってしまいます。

事例検討をより良い学び・気付きの場にすることは、
事例を出したCC本人
の成長はもちろん、その向こうにいるCLを守ることに繋がる。

事例検討を嫌な場ではなく、良い場にしていくこと、
そして、そういう空間・場・機会を自ら積極的に創っていくこと。
これも、”CLのために働く”というわたしたちCCの大事な役割です。

1人でもより良い支援ができるCCを増やしていくことで、
CCとして働くみなさんの社会的な信用・価値の向上にも繋がります。
それくらい、事例検討による品質管理が重要なんだ、とあらためて心に刻んで欲しいです。

では、ここからは参加されたみなさまの感想・お声をご紹介します。
今回もたくさんのメッセージをいただきましたので、
一部だけになりますが、ぜひご覧ください。

参加された方の声

今日は有意義なお時間をありがとうございました。グループディスカッションでは各地で若者支援に携わっておられる受講者の皆さんのお話を聞かせていただきました。これもこの講座に参加させていただいたお陰です。事例を元に一生懸命考える事。これが大切だと思いました。

「上下関係を元にした支援を続けると人にすがりつく癖がつく」この言葉は刺さりました。磁石を持ったCCとくっついているCLのイラストが頭から離れません。履歴書作成ではまさに助言、指導をしていました。相談者から教えて欲しいと言われ、就職するためにせっせと教えていました。相談者が職場についたらどうなるかという事まで考えてもいませんでした。言われた事を言われたように動くようにしてしまう。自分の行為が相談者の将来の姿勢を左右する。恐ろしい事です。自分が上からものを言ってる事に気づかせていただきました。

これから何十年という未来を生き抜く若者を支援するために何ができるか、若者に限らず相談に来られた方にどのように関われは喜んでもらえ、その方のとって良い支援となるのか。これはキャリアコンサルタントの資格を持つものとしての永遠の課題であり、目の前の相談者から学び、考えなければならないことだと改めて覚悟しました。

現在学生向けに職業相談員を実施しており、日々相談の中で大切にしている事に間違いなかったと再認識することが出来、とても自信となりました。有難うございました。

本日講習にてクライアントに寄り添う事の大切さの理由をより明確に出来ました。時々クライアントが再来しなくなる事があり自身のスキル不足を残念に思っておりました。就活は社会に出るための準備フェーズと考え面談しておりますが、内定取得のためのテクニックや相談にスピードや効率を求め過ぎたりすることがあり反省しておりました。今回若者にどのような力を持ってもらいたいのか、そのためにキャリアコンサルタントがどのようなことが出来るにかを考えた事は良い気づきを得ることが出来ました。

日々相談業務の中で自己肯定感の低い学生や自己決定力を欠如している学生には大きく親の影響を受けていると感じることがあります。当然悩み事など親に相談出来ずに来たのだと聞いています。自身の意見を否定されたり理解されなかったため徐々に相談しなくなってきたようです。

我々キャリアコンサルタントが話を聞いてくれる人、相談出来る人、否定しない人とクライアントから認識してもらい、少しでも自己肯定感や自己決定力の大切さに気づいてもらえるよう微力ながら取り組んでいきたいと思います。本日は有難うございました。

日頃の職務において、学生は私の担当外であるものの、20代の若者はこれまでも支援させて頂いてきました。自分としては「目線の高さを合わせる」ことは意識しつつも、そもそも年齢が親子あるいはそれ以上違うため、自然と「上下関係」でモノを言っていたような気がします。

また、具体的な支援としては、書類添削と模擬面接。書類添削は文字通り赤ペン添削、模擬面接でも模範解答の助言、と相談者が望む「採用」のためのみの支援に終始しており、その行為が、相談者の「主体性」や「自己決定力」の育成を阻害し、「依存心」を高めていることまで思いが至っておりませんでした。真の支援とは、私の経験していない、見たこともなく、想像することさえできない未来を相談者が生き抜く力を磨いて頂くことにあるとするならば、私がやってきた支援とは、その力を磨くどころか削ぐものでしかなかったかもしれないとの強い自責の念に包まれています。

今からでも遅くない。これからの若者支援において、本日の学びは大きな指針となったことだけは間違いがありません。

「倫理綱領」については、何度も読み込んでいたつもりだったが、もう一度初心に返りたいと思い受講した。受講前にノートに本文を書き写してみた。受講申し込みをしなかったならば、今日書き写そうとは思わなかっただろう。

受講して、わかったつもり、知っているつもりの「つもり」を改めて反省させられた。グループワークでは、自身のクセに気づかされる場面もあった。事例検討においては、倫理綱領に照らし合わせるという方法で行なうと、だれもが平等に発言できるということを体験した。また、自分が「よく知っている」こと、「経験している」ことに関しては、本当にそうなのか特に疑ってみることが必要だと感じた。

更新講習の事後レポートについては、八阪先生のコメントに感動した。時間がかかると思うが、何とか頑張りたい。本日は、ありがとうございました。

一球入魂の講座ありがとうございました。普段は、企業領域で相談業務をやらせて頂いているな中で、最近のいわゆるZ世代と世間が呼んでいる方たちの支援対応に行き詰まりを感じて今回の講座を受講させて頂きます。内容は、非常に濃く、期待していた若者支援の教授以上の多くの学びがありました。

キャリコンの基本的な考え方・態度、それは、企業領域でもとても大切なことでした。その中でも深い学びを得た部分は、上下関係をもとにした支援とフラットな支援の対比を面談開始からの時系列で明示していただけた点です。非常にシンプルなのですが、具体的でわかりやすく、実際の面談時にもイメージできる内容になっていました。また、ペアワーク(白紙の履歴書)での学びが衝撃的でした。

八阪さんが、なぜその言葉を発することができたのかの脳内過程を明示して頂いた点が、今までの学びをすべて関連付けて頂けたような感覚を持ちました。そのなかでも、時系列に相談者の日々に思いを寄せることの大切さを講座全体を通して学ばせて頂きました。本当にありがとうございました。

キャリアコンサルタントとして、倫理綱領は、非常に大切な規範であり、普段は頭の片隅にあります。しかし、ともすると、その規範を逸脱しかねないぎりぎりのところで相談している自分があるような気もします。

今回、今後キャリアコンサルタントとして基礎中の基礎という認識で改めて基礎を強化したいおもいから、講座を受講したが、2つの事例研究を通じて、以外にもわかった気でいたということです。他のグループの発表で初めて気付かされた箇所もあり、まだまだ見方が甘いなと反省もあります。グループワークとその振り返り、とてもいい気付きを得ました。
さらに、普段の面談で、倫理綱領を時々思い出すものの、安定した面談を行って行く上で、大いに活用できること、倫理綱領という確固とした指標があることで、客観的に振り返る時のバイブルであることを、改めて気付かされた、納得感があります。

振り返りはもちろんですが、相談しながらも倫理綱領に逸脱していないだろうかと、やりながら意識できそうな指標として、実戦で活用していくことも、自分で意識する必要があると感じます。やりながら軌道修正もできそうだと直感しました。
倫理綱領を改めて読むと、責任感と覚悟も改めてそうだと自問自答しながら、人の人生に関わることの意義深さを再認識した濃密な時間でした。

当日の講座の様子

アンケートにご協力をいただいたみなさま、ありがとうございます。
まだの方も、よろしければぜひご感想をお聞かせください。

講習の本編では、たくさんの方から笑顔をいただいて、
ニコニコ楽しそうに学んでくださっているシーンがありましたね。
その一方で、今回は特に真面目な方が多かったからでしょうか、
ディスカッションの最中は真剣そのものの表情で臨んでおられました。
講習当日の雰囲気は、この写真・画像で伝わりますでしょうか?

そして、今回からはレポートに関する説明の内容を厚くして、
見せたことの無かった数字の部分まで(少しだけですが)お見せしていますので、
最後はちょっと気を引き締めた方も多かったのではないでしょうか。

CCは何のため・誰のために学ぶのか、
午前と午後、どちらの講習でも何度もお話しした部分でしたよね。
ぜひ、今回の講習参加をきっかけに、自分自身と向き合う時間を大切にして、
改善・成長に向けての一歩をここから踏み出していきましょう!

ご参加いただいたみなさん、ありがとうございます。
それでは、また次の講習でお会いしましょう。

弊社の国家資格CC更新講習 特集ページのご案内

弊社が企画・運営する国家資格キャリアコンサルタント更新講習について、
弊社ならではの特長やメリット、お客様の声、よくある質問(Q&A)などを
わかりやすくまとめたページをご用意いたしました。

この記事をご覧になって、「参加してみたいな」と思った方はもちろん、
まだ迷っている方や、他社と比較したい方も、ぜひ一度このページをご覧くださいませ。

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