今週の八阪さん ~1級CC技能士に聞いてみよう~
みなさん、こんにちは。働く楽しさ研究所・代表の八阪です。
ここでは、毎週配信している弊社のメールニュース・LABO Letter(ラボレタ―)の
読者アンケートで寄せられた「こんな話を聴いてみたい」というメッセージから、
毎回1つ、話題をピックアップしてみなさまにお届けしています。
今回は4月の上旬に開催した合格者座談会のイベント
(4/6・1級合格者座談会、4/7・2級合格者座談会)で出た質問のうち、
試験対策以外の実務でも役立ちそうなお話として
1つ質問をピックアップしてみました。
今回の質問は、こちらになります。
Q:CLが質問に答えてくれなくて面談中に焦る時はどうすればいいですか?
(東京都・企業領域ほか多数)
A:CLに一方的に期待しすぎていませんか?答えをもらえる前提を捨てましょう。
今回は技能検定の合格者座談会の中でこれに似た質問が出てきていたのですが、
実は、企業や就労支援施設への研修などでCC向けの指導を請け負った際にも、
よく現場で働くCCさんからこの質問をいただきます。
わたしも大学のキャリアセンターや若者サポートステーションで
いち相談員として現場に出ていた時は、こういうシチュエーションに出くわすこともあって、
そのたびに「うーん…」と対応に悩んでいたのを思い出します。
答えてくれない、と一口に言ってもいろんな形があって、
一番わかりやすいのは沈黙されることですね。
それ以外にも、あいまいにはぐらかされたり、「わかんないです」を連発されたりなど
いわゆる話が進まない状態になった時に
CLが答えてくれなくて…
という悩みを抱えてしまうCCさんが多いようです。
このコラムを読んでいるみなさんは、いかがでしょうか?
そんな質問・相談をいただいた時に今のわたしがよくお伝えしているのが、
CLには”答えない権利”があるので、おかしな反応でもなんでもない
そもそもCLは、そんなに上手に自分の悩みを言語化できない
という2点をお話しするようにしています。
まず、答えてくれないというCC側の考えの背景に、いったい何があるかを考えてみて欲しいです。
それは、質問をすれば答えてくれるだろう、というCC側の前提条件ですね。
言い換えれば”CC側の期待”でもあります。
そして、その答えてくれた内容をもとに、
さらに話を進めることを想定して質問しようと考えると…
ほら、もう前のめりになり始めているのがわかりますか?
一方で、当のCLはCCの聴きたい・知りたい気持ちと同じくらい
前のめりに話したい・答えたいと思っているかというと…?
そうではないケースもよくありますよね。
この違いは、CCが考えていることが
- 質問に対する回答を何かしらもらうこと
- それを前提に次の展開を組み立てること
という”面談の進捗”を軸にしているのに対し、
CLはそんなことは気にせず、
- 自分が言っても大丈夫と思える相手なら言う
- 自分が言っても大丈夫だと思える範囲のことだけ言う
という状態なのですから、
必ずしも面談の進捗を意識した回答はしてこないですね。
CCさんの中には、悩みが深くなりすぎたり、誤った学習をしてしまっている場合があって、
CLに答えてもらえたら、それが良い関わりだ
CLから自分の質問に対する回答をもらって、次に話を進められるのが良い面談だ
と、CC側の都合通りかどうかで面談の良し悪しを考えてしまう方もいますが、
・・・ここまで行くとちょっと重症です(笑)
まずは、答えないのが悪いことではない、ということを
しっかりとCC側の頭の中・心の中に刻んでいきましょう。
それは、答えないCLさんが悪いわけではないし、
答えてもらえないCCが悪いというとも言えない。
ただ、そこに答えたくないCLさんがいる、というだけなのに、
「答えたくなくなっているCLそのものに焦点を当てる」のではなく、
「自分の想定どおりの面談かどうか」ばかり気にしているCCがいる、ということ。
そこのおかしさに気づくことができれば、答えてくれなくても、
そういうこともあるよね、と受け止めることもできます。
では、答えてくれないCLは、いったいどう関わって欲しいのだろう?と、
もう一度面談の仕方を振り返ることもできます。
この場合、問い方やフレーズの内容を変えることではないですね。
そもそも“問うこと”以外に、CCとして自分がCLにできることは何があるか?
という視点で考えてみてください。いくつ手立てが浮かびますか?
0個?1個?・・・もしそれくらいの数だとしたら、それではちょっと寂しいですね。
CCとしての関わり方をもっと多様にしていくチャンスだと思って、
このQ&Aをきっかけに少し考えてみて欲しいです。
それでは、今日はこのあたりで。
ここまでお付き合いくださいまして、ありがとうございます。