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5月27日(土)キャリアコンサルタント スキルアップ講座(苦手CL・困難事例)の様子

5月27日(土)キャリアコンサルタント スキルアップ講座(苦手CL・困難事例)の様子

執筆者 | 八阪 義浩

5月27日(木)に、ZOOMを用いたweb形式にて、
「キャリアコンサルタント スキルアップ講座」
~苦手なクライアントとの向き合い方と面談の組み立て方~
~キャリアコンサルタントとしての専門性を磨く支援困難事例の捉え方~

を開催いたしました。

こんにちは。働く楽しさ研究所の八阪です。

この日は、2023年度になってから一番緊張をして迎えた講座の日でした。
弊社の新しいサービスラインナップに加わった、
キャリアコンサルタントのためのスキルアップ講座の初開催でしたので、
どんな方が、どんな動機で学びに来てくださるかはもちろん、
実際に学んでもらってどう感じるか、何か引っかかりそうなところはないか、
いつも以上に気を張っていたように思います。

それでもなるべく、弊社ならではの良さである
「温かい雰囲気と、その中で得られる気付きやちょっとした引き締め」を
両立できるように意識しながらお話させていただきました。

テーマが深いだけに、そろそろ対面での講座も考えたくなるような、
そんな内容だったんじゃないかなと思っています。
参加されたみなさんは、いかがだったでしょうか。

さて、それでは、ここからは講座の内容から特に大事な点をピックアップして
あらためて記事にしていますので、参加された方は復習に、
まだ参加されていない方は今後の検討材料に、ぜひご活用いただければ幸いです。

苦手CLとの向き合い方」の講座の振り返り

苦手はCLの属性や反応によって決まると思いがちですが、実際にはCC側に問題があります。

この講座で最初にお伝えしたのは、苦手というとさもCLの方に問題があるかのように
感じてしまうことってないですか?という点でした。
そもそも講習名からして”苦手なCL”と謳っていますし、
ついついそう考えたくなる気持ちも、わたしもよくよく分かります。

もちろん、CLをそういう目で見てしまうこと、それ自体の問題もありますが、
この講座ではもう1つの視点もお伝えしましたね。
それが、苦手が生まれる原因と、それによる影響について、でした。
単に苦手があるから良いとか悪いとかではなく、
苦手があることによってどんな影響が出るのか、そこを考える時間を取って欲しいのです。

この人ちょっと苦手だな…

あまりやりたくないタイプの面談だな…

できれば無い方がいいのですが、そう感じてしまうことって、ありますね。
そんな時に、自分の面談はどうなっているでしょうか。

おそらく、想定より進むのが遅かったり、焦ってしまって方向を見失ったり、
あるいはCLの発言・態度・感情が悪い方向へ流れてしまって
うまく進んでいない感を覚えるのではないでしょうか。

そう、面談のパフォーマンス(出来栄え)が悪くなっているんですね。
そして、自分の面談のパフォーマンス(出来栄え)が悪くなることが嫌で、
時にCLの属性や態度のせいにしてしまったり、
あるいはそれに当てはまりそうなCLを避けようとしてしまったり…。

こんな場面に遭遇した時、あなたは一体何を気にしているでしょうか?

そんな問いかけもさせてもらいました。
この記事を読んでいる方の中でも、鋭い方はもうお気づきかと思います。
そう、自分自身のことばかり気になっているんですね。

苦手を生んでいる本当の原因は、自分自身の中にこそある。
そう思える謙虚さがあって、初めてCLと真剣に向き合うことができるのです。

そして、講座の後半ではその向き合い方のポイントとして、
自分の面談の出来栄えや進捗具合、ゴールへの到達の見込みがわかる
はじきの法則という小学校で習う計算を使った面談設計法もお伝えしました。

複雑怪奇な理論ではなく非常に簡単な計算式であることと、
身近なたとえ話を使いながらの解説だったので、受講された方の中には、
ここが非常に印象に残っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

意欲や能力、CLとCCの関係性など、面談の進みやすさ(=速さ)を構成する要素を考えることや、
一定時間内でどのあたりに着地するかという見通し(=距離)についてイメージすることで、
どんなCLが来ても慌てず落ち着いて、

今回の面談はここまで進むはず/ここまでしか進まないはずだ

と捉えられるようになります。まさに面談の組み立て・設計そのものですね。

実際に事例を使って面談を組み立てるワークでも、
途中でだんだんと面談の設計が変わっていくような仕掛けもあったので、
実際の面談場面に近い形で、計算しながら面談を組み立てるコツや、
簡単なのにしっかり面談設計ができるその効果を学んでいただけたかと思います。

苦手は決してCLが悪いわけではないです。
ただ、苦手を感じている自分自身を責める以上に、やれることってあるはずです。

あくまでも「苦手だとしたら面談ってどう変わる?」と考えられるようになりましょう。
ぜひ、現場に戻ってから、ご自身が面談される際に活用してくださいね。

困難事例の捉え方」の講座の振り返り

“支援困難な事例だからこそ、CCが存在する価値がある”と言われる姿を目指して欲しいです。

この講座は開始前の段階で「答えや正解があるわけではないですよ」とお話したので、
ちょっとびっくりした方もいらっしゃったでしょうか?

画面越しで様子を拝見している限りでは、
「そうだよね」と、どなたもご理解しておられたようですが、
困難なケースほど、突破口やヒントが欲しいけれども、
それが無いから困難な事例なんだ、というジレンマに陥る…。

文章にしてみても、あらためてCCという仕事の難しさを感じますね。

CCは”答え”を求める仕事ではない、と
困難な事例を通してCLから突き付けられている

そんな捉え方ができるのではないでしょうか。

そして、困難事例の難しさにさらに拍車をかけるのが、
実際の面談業務で、支援の困難さが事前にわかることが少ない、という点もあります。
だからこそ、実際に出くわすと慌てたり焦ってしまったりするんですね。

特に初対面・初回面談だと、お互いに

この人って、いったいどんな人だろう?

という状態からはじまります。
この段階では支援困難かどうか、わかりようもないです。
もしかしたら、そこまで複雑で困難ではないかもしれない、ということも考えられます。

それが、お話を聴いて関係性を築いていくうちにだんだんと、

実はこういう事情があって…

わたしって今、こんな状態なんです…

と本音を切り出してこられることってありますよね。
そして、この段階になってから、非常に困難な事例だと初めてわかることもしばしばあります。
困難な事例だからと言って避けられるかというと、そうではないのが現実です。

そんなときに、わたしたちCCにできることって何でしょうか?
今回の講座では、まさにそこを皆さんで考え、学んでいただきました。

専門外のことは勝手に引き受けられないけど、
目の前のCLにすぐに他を促すとたらいまわしになってしまう。
今、この面談の中で、CCとしてできる範囲のことは何なのか…。
そこでヒントとしてお伝えしたのか「社会参加」という考え方
でした。
参加した方は、よく覚えていらっしゃるシーンではないでしょうか。

職を得て、定着して、安定した収入を得て、自分で生活できる状態になる。
そんな風に誰しもが自立できるなら、きっと理想的です。

ただ、支援困難と思われがちなCLさんの中には、どうしてもそこに届かない方もいます。
何度も社会からはじかれた方、なじめなかった方、
そういった方々にとっては、現実社会の荒波は到底超えられない高い壁、深い溝です。

その超えられない荒波に無理やり向かわせるかのように、
就職のためのトレーニングやセミナーをしたり、履歴書や面接がどうこうと言ってみても、
いたずらに傷つきの経験が増えるだけになってしまいます。

理想論をベースに無理やり厳しいことをしてもらおうとするのではなく、
CL自身が「ここにいてもいいんだな」と思える場所を見つけ出すこと。
場合によっては、それを創り出すことも、CCの大切な役割のはずです。

「どんな状態の人でも、居場所がある」という社会を創ることへの貢献

週1回のアルバイトでもいい。あるいはボランティア活動でもいい。
時に趣味の活動や簡単な作業であってもいい。
働いて自立できることは「良いこと」ですが、これらよりも「ベターなこと」とは限らないです。
1人1人が居場所がある状態。それが本当は望ましいはずですよね。

困難事例と向き合う時には、これをぜひ片隅において、
CLとじっくり向き合う時間を取ってみてください。

では、ここからは参加されたみなさまの感想・お声をご紹介します。
今回もたくさんのメッセージをいただきましたので、
一部だけになりますが、ぜひご覧ください。

参加された方の声

事例を使ったディスカッションで、“仕掛け”があった点について、現場でも面談の後半でポロポロと出てくることがあるので、実践に繋がる学びができました。苦手な相談者像を文字化してみて、「相談者がこうだから」と見通しが立てられない理由を相談者要因としてしまうのは、自身の技量不足もあるという事に気づきました。
水泳教室の例えも分かりやすかったです。私自身も日頃から、誰にでも分かる例え話に置き換えられる視点を身につけたいと思いました。また、最後に時間外にも関わらず、丁寧に質問に答えてくださりありがとうございました。

意欲✖️能力✖️関係性は納得でした。これからの支援で、つまづいた時はここを点検して、修正して参ります。能力は元々備わっていることをベースにすると思うので(職業訓練とかは別ですが)、意欲のタイミングを外さず、終始関係性に気を配り、支援して参ります。ただ、速度については、正に関係性が問われる部分であり、ここについての難しさを感じました。本当に難しい😓

今回は、このような講座を開催してくださりありがとうございました。

向きあうべきは「誰の困難なのか。相談の主体を見直す。」というキーワードは、毎日多くの相談者との関わりの中で、こなすことに慣れてしまい忘れてしまいがちですが、常に意識して日々の面談に向き合って行きたいと思います。
少人数制ということもあり、同じように就職困難な方の相談を受けているCCの方と意見や・捉え方、姿勢をお聞きすることができとても参考になりましたし、刺激を受けることができました。

最後の事例検討では、形だけの承認ではなく、「共感的理解」の本当の意味を改めて、相手の立場、相手と一緒に相手の見る景色を見てみる。そこで感じたことを共有したからこそ、本当の意味でその人を受容することができる。CLは受容してもらったと感じた時に初めてCCを信頼し、自分と向き合い、提案を受け入れる準備ができていくのではないかと感じました。登山の例えはとても分かりやすかったです^ ^

どうしてもその人のため、とCC視点での支援をしてしまいがちですが、CLが本当の意味で「納得」することが大切であり、常に客観的な視点を持って面談に望むことが大切ですね。
限られた時間の中で、効率よく、定型化した相談の方が有効な場面も多いですが、今回この講座を参加させていただき、本当に支援が必要な方に、必要な支援を届けられるよう、CCとしての自分の成長は不可欠だと感じています。

今後も自己研鑽のため講座に参加したいと思っておりますので、よろしくお願い致します。

当日の講座の様子

アンケートにご協力をいただいたみなさま、ありがとうございます。
まだの方も、よろしければぜひご感想をお聞かせください。

小人数ではありましたが、そのぶんきめ細かく丁寧に
みなさんのご要望やご質問を拾い上げながら進められたかなと思っています。
初めて開催したスキルアップ講座でしたが、アンケートを読んでいると
お役に立てたのだなと伝わってきて、まずはホッとしています。

更新講習や技能検定対策講座よりも一段高いレベルの講座としてご用意していたので、
どこまで伝わるか・受け止めてもらえるかも含めて、
これからも参加されるみなさんと一緒に考えながら進めていきたいと思います。

もちろん、学んだ内容はぜひ、ご自身の支援にも活かしていってくださいね。
面談・支援の質がガラリと変わることが体感していただけるはずですよ。

それでは、また。

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