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8月5日(土)キャリアコンサルタント スキルアップ講座(苦手CL・困難事例)の様子

8月5日(土)キャリアコンサルタント スキルアップ講座(苦手CL・困難事例)の様子

執筆者 | 八阪 義浩

8月5日(土)に、ZOOMを用いたweb形式にて、
「キャリアコンサルタント スキルアップ講座」
~苦手なクライアントとの向き合い方と面談の組み立て方~
~キャリアコンサルタントとしての専門性を磨く支援困難事例の捉え方~

を開催いたしました。

こんにちは。働く楽しさ研究所の八阪です。

8月最初の講座は、今年度から初登場となるスキルアップ講座からとなりました。
まだまだみなさんに知られていない講座なので、参加される方が少ないのですが、
その分1人1人の疑問・質問に対して、できるだけ丁寧に対応するように
進めさせていただきました。

国家資格の更新でもなく、技能検定の合格に向けた対策でもない、
純粋なスキルアップとしての講座ですので、なかなかみなさんの”学ぶ意義”に
つなげていくことが難しのですが、それでも来てくださる方々は
本当にみなさん熱心で、グループディスカッションも真っすぐに・まじめに
検討してくださっている様子が印象的でした。

これまでにも何度かお話してきましたが、
良い講座や良い受講者が創ってくれるんだなと実感できた1日でした。

さて、それでは、ここからは講座の内容から特に大事な点をピックアップして
あらためて記事にしていますので、参加された方は復習に、
まだ参加されていない方は今後の検討材料に、ぜひご活用いただければ幸いです。

苦手CLとの向き合い方」の講座の振り返り

面談のスタート地点がひとりひとり違う、ということをCC側が理解すること。

これは今回のテーマの1つ、苦手と向き合う際のコツとして
面談の組み立て方を考えるときにお話したことでした。

よくキャリアコンサルティングの世界では、
フレームと呼ばれる面談のステップ・段階を示したものがありますね。
あれを学ぶことで、面談の流れが見えてきたり、どうやって始まってどこまでいけば終わるのか、
特に初学者の方にとっては大きな助けになるものです。

今回の講座でお話したのは、そのフレームの始まり(最初の項目)が
実際の面談のスタート地点と同じだと勘違いしていませんか?
ということでした。

例えば「相談場面の設定」や「信頼関係の構築」という言葉がありますね。
いろんなフレームの中でも、これらは面談の序盤から行なうことだ、と説明されています。
信頼関係の構築は序盤だけでなく、最初から最後まで必要です。

このフレーム自体は別段問題ではないのですが、
CLひとりひとりが相談に来た理由も、相談前の心の準備状態も、
CCや面談という行為に対しての信頼度・不安感も異なる中で、

面談の始まりは相談場面の設定だからこうすればいいんだ

と一律的な解釈の仕方になっていないでしょうか。

まだ何も問題が起きていないけど、これから嫌なことが起きると予見して相談に来たCLと、
もう何度も自分でトライして痛い目に遭って、いよいよ他者を頼らないと無理だと気づいたCLが、
面談の開始時点で本当に同じスタートラインに立っていると言えるのでしょうか?
・・・そんなはずはないですよね。

でも、そこをすっ飛ばしてしまっているCCさんもたくさんいるのが現実です。
CL1人1人のスタート地点の違いをきちんと認識することで、

だから信頼関係の構築にはもっと時間をかけよう

CCから見た問題点を提示するよりCLの意見をたくさん聴く面談にしよう

という、面談の見通しが立つようになります。
この見通しが、組み立てをするときの大事な材料になります。

スタート地点がわからないまま・認識できないままで面談を開始するとどうなるかというと…
“面談を開始して何分経ったから”、そろそろ問題点の共有や具体的な展開に移ろう、など
面談時間が何分経過したかをベースにした関わり方になってしまいます。
これが面談が壊れていく大きな原因になったりする
んですが、
意外と気づいていない方も、たくさんおられますね。

先ほどの2つの例で考えてみますが、例えばまだ何も問題は起きていないけれども、
これから先に嫌なことが起きるだろうと想起してしまっていて、
その不安で相談に来ているCLに対して、

相談が始まって○○分が経過したから、次の段階に進みましょう

と伝えたらどうなるか、考えてみて欲しいのです。
新しいこと・未知のことに対して不安を抱えている人に対して、
その面談という場面においても、本人の理解や納得、安心感の無いままに
次の段階に進もうとしてしまっている。
それって、本人が嫌がっていることをやろうとしているのと同じなんですね。

面談の組み立て・面談の進め方は、経過した時間を元にするではなくて、
CLが本当に前に進められるだけの勇気や安心感を持てているか、CLを中心にして決める。

ここができているかどうかで、CL第一の面談というCCとしての基本中の基本が
きちんと守られているかどうかの分岐点になります。
面談の組み立ては、決してCCにとって都合よく面談を進めるためにするものではないのです。

相談者がどんな状態でいらっしゃって、今どこをスタート地点としているのか、
まずはそこを見つめられるようになって欲しいなと思います。

困難事例の捉え方」の講座の振り返り

CC自身が、簡単にできる事例ばかり選択していて、困難な事例を避けてばかりいると、
その困難な事例に該当するCLは、いつまで経っても支援の手が行き届かないです。

この部分は、今回の講習の一番の肝になるんじゃないかなと思って
今回の振り返り記事でピックアップしてみました。
参加されたみなさんのアンケートからも、すごく響いたお話だったという
お声もいただいていますので、あらためてCCとして大事なポイントとして
たくさんの方にわかっていただけるかなと思っています。

支援困難な事例と出会った時に、それを喜んで受け止めるほどの余裕と度量のあるCCさんは
そうそういらっしゃらないですよね。わたしも、さすがに嬉しいとは思わないです。

ただ、一方で実際に支援が難しい悩みを抱えているCLさんや
そういう環境に置かれているCLさんは、現実にいらっしゃいますね。
そして、そういうCLさんほど支援の必要性も高いということは、分かっていただけるかと思います。

では、その支援の必要性の高いCLさんを避けるような動きをしてしまうと、
いったいどういうことが起こるのでしょうか?

CCとしては、難しい事例を触らずに済んでホッとするかもしれません。
でも、その向こうでCLが泣いているのが、本当に良い状態でしょうか?

講座でも例としてお話しましたが、例えばお医者さんの場合で考えてみましょう。
もし、簡単な風邪の診察しかできなくて、
難しい症状の場合は避けて回るような医者ばかりだったらどうでしょう?

一見するとたくさんのお医者さんがいて、医療資源があるように見えるけれども、
実際には簡単な問題しか扱ってもらえなくて、
本当に困ったときには助けてもらえない…そんな社会、全然安心できないですよね。
(補足)実際は医療の世界は非常に高度な専門知識と技術が要るので、ここではデフォルメしたお話にしています

翻って、今のCCの業界はどうでしょうか。
悲しいかな、支援困難な事例に対してCCとしてきちんと向き合わずに
避けて回ってしまう場面も、しばしばみられます。

中には、倫理綱領の条文を曲解して、
“能力不足や技量不足を感じる面談はやってはいけないから、すぐに他人に渡すのが正しい”
とさえ思っているCCもいるのが、この業界の現状
です。

これを繰り返していたのでは、永遠に難しい面談はできないままです。
そして、その難しい面談になるような悩みを抱えたCLも、永遠に支援を得られないままです。

ではいったいどうすればいいのでしょうか?
それを考えていただいたのが、今回の講座のタイトルにも含まれている”向き合い方”ですね。

できないことをできると言い張るのは「嘘」になりますから、
それは絶対にやってはいけないことです。
ただ、難しい面談に対して、CC自身がどの程度の危機感を持ち、

現状のままではなくて、CCとして・プロとして成長しないといけないんだな。

と思って、さらに能力や技量を磨く必要性があることに気づくこと。
そして、その必要性をCLが知らせに来てくれている、と捉えること。

そのうえで、全部の困難事例ではなくても、そしてすごく上手な対応ではなくてもいいので、
特定のジャンルを何か1つ強みとして身につけることで、
支援困難な悩みを抱えるCLに対して、一定のレベルの面談ができるようになること。
そこに到達するのが支援者としての健全な姿のはずですよね。
いわゆる「専門分野」を見つけるということになります。

そして、その専門分野を見つけよう・身に付けようと複数のCCが取り組むことによって、
ご自身が相談業務をしている施設全体、あるいはこの社会全体で、
いろんな支援困難事例に対して対応できるにすること。

これが社会からCCに求められている姿ではないかな、ということに気づいて欲しいです。

自分のためにも、CLのためにも、より良い社会を創っていくためにも、
何か1つでいいので自分の専門分野を見つけること。

もちろん、それだけですべてが解決するわけではないです。
1人1人の活動は小さくても、自分一人が全部をできるようにならなくてもいいんです。

ただ、支援困難な悩みを抱えているCLさんが
どこにも頼れる場所がない…と途方に暮れてしまうような状態にしないために、
CC1人1人にできることって、決して困難事例を避けて回ることではないはずですよね。

この記事を読んでくださっているみなさんも、あなたなりの専門分野・CCとしての特色を
毎日コツコツと磨いていってほしいです。
それがたくさん重なり合うことで、CLが安心して相談できる・頼れる場が少しずつ創られていきます。

CL一人一人が生き生きと、働きやすい社会を創る、というCCとしての活動の原点を
支援困難事例に出会った時こそ、思い出してみてください。

では、ここからは参加されたみなさまの感想・お声をご紹介します。
今回もたくさんのメッセージをいただきましたので、
一部だけになりますが、ぜひご覧ください。

参加された方の声

今回も非常に内容の濃い講座でした。自身の専門性や支援の力を高めるために必要な、まさに「捉え方」や心がまえ、在り方など、熟練レベル以上を目指すなら必須とも感じられる大切なことに改めて気づきました。

支援の場でも、「相談者第一」であることが必要だと分かってはいても、実際の困難事例が目の前に現れたとき、どうしても表面的な解決の難しさに右往左往してしまい、私自身が支援に役立てていないと感じる=困難(苦手)と捉えてしまう、という事が多くあります。
今回の講座では、私自身が困難と感じるかどうかではなく、相談者の困難をどう支援していくか、自身の成長や力量アップが必要だと分かり、180度見方が変わりました。これまでも、とことん相談者第一でも考えていましたが、それがイレギュラーや困難事例でもできているか?と問われると自信がありません。
今後はどんと構えてどんな事例でも安定した支援ができる、さらに専門性も磨いていけるよう、学び続けたいと思います。

ディスカッションの時間もたっぷり取っていただき、参加者の皆さまのお話も大変興味深く、良い刺激を頂いたり同じところで困難さを感じているのを知り少し不安が和らぎました。また、答えがないことでも学ぼうとする仲間がいる事も心強いしモチベーションアップのきっかけになりました。

いつも八阪先生の講座では、個々のスキルアップに関する学びだけではなく、CC業界の質向上についてのお話があり、視野が広がります。今回もありがとうございました。

はじめてセミナーに参加をさせて頂きました。
参加された方々も、とても意欲的で前向きに仕事にむきあておられる方で、共感出来る事が多々ありました。

「はじきの法則」は初めて出会えた考え方でした。新鮮で、なるほどとわかり易く学ぶことが出来ました。
先生から、お送りいただいた資料の中だけのCLについてラポールを築きながら、気持ちに沿てCLに寄り添い話をお聞きしてゆきます。

(事例の中身が記載されている部分は省略)

しかし、実際のCLは気持ちがギリギリのところまできている。誰にも相談が出来ず、相談にいらした方だったのですね。このような状況で有れば、先生のおっしゃるように今回は気持ちを受け止める。よくこちらに相談にいらっしゃいましたのねぎらいの関係構築に十分時間をかけて、現状のつらい部分を吐き出してもらってから、時間がまだあればその後、CLの状態を見て、どうしたらば気持ちが少しでも楽になるかを一緒に考えて行くというような面談でも良いのかと考えています。

今回の講座を受講した動機としては、もちろんスキルアップもあったのですが、日々相談業務で疲弊する中で、「何か楽になれる方法があるのではないか」という不純な動機が混じっていました。

しかし結論として、「CC自身が成長すること」と提示していただき、「ですよね」と腹落ちした思いです。
困難を感じる対象、「本人」「周囲」「支援者」のうち、結局は「支援者」が感じている困難、「何とかしなくちゃ」や「こんなこといつまで続くのか」や「何で分かってくれないのか」に苦しめられているので、自分自身が変わるしかないのですね。
つきまといや暴力などには適切な対応をしつつも、自分のスキル・対応力を上げて、しっかりCLの困難と向き合っていけるようにならなくてはいけないと感じました。

また、「専門性を磨く」というお話については、改めて「自分の得意分野ってなんだろう」と考えました。ハローワークという現場にいる関係で、たまたま異動先となった現場にひたすら全力をそそぐ、という働き方をしてきたため、「自分自身の専門を持つ」という考え方が欠如していました。
宮仕えである以上、異動辞令には逆らえませんが、定年退職後の働き方も含めて「自分の専門性」について考えていきたいと思います。

今回の講座に当初期待していたのは、環境の変化など、CLさんご自身がどうしようもないことに見舞われた時にCCとしてどう支援するのか、どう解決策を見つけるのかということでした。
でも、講座はそれよりもっと視座の高い事柄を取り扱っていて、CCとしてどのような意識でどう進むべきかということについて、あらためて考えることになりました。

また、当初期待していたことに関しては、CLさんが悩んでいる問題について解決することがすべてではない、正確にいうと、CLさんが希望する、でもどう考えてもありえない結果に導く解決策を見つけることがすべてではない、ということに気づきました。

例えば定年後の再雇用時に、希望にぴったりの仕事ができない可能性があり(できない可能性の方が高いかもしれない)、それを受け入れることになるにしても、CLさんご自身がどう腹をくくるか、そこに寄り添うのがCCなのだと思いました。

当日の講座の様子

アンケートにご協力をいただいたみなさま、ありがとうございます。
まだの方も、よろしければぜひご感想をお聞かせください。

資格の更新や試験対策講座ではないので、「純粋な学びの場」としての時間でしたが、
その分、学ぶこと自体に積極的・意欲的な方がたくさん来てくださいましたね。
更新講習よりもレベルを上げた内容ですので、ディスカッションの際にも
「これは難しいテーマだな…」という声もありましたが、そこに真っすぐに挑まれている、
その姿勢が何よりもCCとして大切で、素晴らしいことだなと思いながら見ていました。

難しいからこそ、プロの支援が要るのですから、
ここはぜひ、ギアを上げて踏ん張ってみてください。
そしてCCとして求められる技量、マインドがどのようなものか、
ぜひ自問自答を繰り返しながら、本当にCLのために活動できるCCを目指して欲しいです。

それでは、また。

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